enough FOR TODAY (和訳)  ~ガンジーなイルカとマイケル | ☆Dancing the Dream ☆

☆Dancing the Dream ☆

Let us celebrate
The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆


マイケルジャクソンの詩集『Dancing The Dream』は、
何度も何度も読み返してきましたが、

初めて、enough FOR TODAY のセンスに触れた気がして、
深く心を揺さぶられました。
今日は、これを訳してみたいと思います。

enough FOR TODAY
キーワードは、やはり、enoughではないでしょうか。
「十分である」
「足りるを知る」というような。
それでは、ちょっと抹香臭いかしら?
「今日はこれでお疲れ様」というべきタイミングがある――
というような意味ではないかと思います。

おそらく、マイケルは、
陸上の最もダンスを愛する一人のダンサーとして、
海の中で最もダンスを愛するダンサーである一頭のイルカに、
直観的なダンスセンスのシンクロニシティを感じ、
ダンスの神髄を学び取ったのでしょう。

地球上で最もダンスを愛するマイケルとイルカという、
ダンサーの中のダンサー同志が 感応し合う、
とても神秘的なコミュニケーションです。

ある朝、マイケルは、
人間の仕掛けた網に絡まって死んだイルカの写真を
新聞記事で見たのです。
いったい何人の人々が、この記事を見て、
いったい誰がマイケルのように感じることができたでしょう?
たった一枚の新聞掲載写真から彼が感じ取ったイルカの魂とは?

イルカは、いかなるときも歓びの中でダンスし、
だからこそ、彼らは死の間際まで微笑みを絶やさない。

イルカは、網に絡め取られ死に逝くときまで、自分のダンスを全うした。
暴力に対峙しても尚。なんと純粋なダンサーだ!というようにね。

まるで、ガンジーのサティヤーグラハですね。
そう言えば、ガンジーとイルカは、お顔が何となく似ています。^^



'It's all meant to be play.
Keep to your course, but dance while you do it.’


遊ぶことが全てなんだよ。
君の目標に向かって頑張って!だけど、そうしながら踊るんだ!

イルカというダンスの神さまは、
そのようなメッセージをマイケルにテレパスしたのですね。

楽しまないダンスはダンスではない。
いつもなら夜中過ぎまで続けるダンスのレッスンを、
その日、マイケルがふっつりと止めた理由は、
イルカの言う純粋な遊びを楽しむダンスから
離れてしまった人間のダンスについて考えるために、
せめて、自分が立ち止まり、
自分自身の enough のタイミングを
感じ取ったからなのでしょうか。

Dnance の語源は、古ラテン語の deante。
「緊張と解緊の連続」という意味をもちます。

「続ける」か「止める」か?
enough のタイミング。

Dance rehearsals can go on past midnight
ダンスの練習は夜中を過ぎて続けることがありうる。

but this time I stopped at ten.
しかし、この時、僕は、10時に止めた。

I can't keep the dance from being killed,
僕にはダンスが殺されないようにすることはできない。

but at least I can pause in memory, as one dancer to another.
しかし、少なくても、僕は、
学んだことを覚えておくために思いを馳せ立ち止まることはできる。
もう一人のダンサーへ、一人のダンサーとして。



私のヨガの先生は、アーサナを行う中で、
「もっともっと」と、頑張る気持ちは脇に置いて、
身体の中を静かに見つめましょう。――とよく言ってくれました。

マイケルの言う「ダンス」とは、
「生きる」ということと同義語と考えても良いと思いますが、

「人間のダンス」は、
「もっと、もっと」と
頑張り、あるいは、欲張り、
いつしか狂気の「魂の死者の集団ダンス」となって、
「他の命のダンス」を殺していますね。

自分にとって本当は「十分」なはすなのに、
私を「もっともっと」と追い立てたものは何?

はたと考えると、
産まれてこの方、何も殺したことがないかと言えば、
そんなことはありません。

あたかも暴力ではないように隠された
暴力の「人間のダンス」の一部になって、
人間を含むあらゆる「他の命のダンス」を
むやみに殺してきたということは、
全くの事実なのです。

私が仕留めて齧りついたわけではありませんが、
クジラを食べたこともありますし、
カカオ畑で働く少年が一口も口にしたこともないチョコレートを食べ、
イランの少女の小さな手で織られた絨毯で暖をとり、
バングラデッシュの女性の低賃金労働で作られたかもしれない服を身につけ、
星明りをかき消すイルミネーションの街を闊歩し、
日々、地球上で最も贅沢に、
たくさんの命を食べ、むやみに地球の資源を消費して、
児童労働など、不当に使役された人々の労苦の元で作られた製品を享受して、
それを当たり前に思って暮らしてきた部類です。

そればかりではなく、
沖縄米軍基地なくして成り立たなかったベトナム戦争にも、
多額の多国籍軍への資金援助を行った湾岸戦争にも、
自衛隊が多国籍軍兵士や武器の輸送をしたイラク戦争にも、
間接的に加担してきたのですから、
多くの無辜の市民の惨たらしい死に
無関係ではありません。

また、先の戦争、戦後の日本の真実の姿に、向き合うことを避け、
エコノミックアニマルと言われるほどの働きぶりで経済発展し、
豊かさを謳歌してきましたが、
やがて、付けが回ってきました。
都市部から離れた沿岸の町に押し付けてきた55基もの危険な「原発」
その7割を沖縄に押し付けてきた「基地」
この問題への無関心は、3.11原発事故、安倍政権の安保法という、
「私たち自身の命のダンス」が危険に晒される事態を生じさせてしまいました。


私たちは、
狂気のダンスを
このまま続けるのでしょうか?

暴力の力は、
「もう十分である」とは思えないのでしょうか?

私には集団暴走ダンスは止められない。
ならば、私も、マイケルのように、
せめて、ひとりきりで立ち止まって、

暴力の力に勝る、
本当の力を胸の奥で感じましょう。

イルカのように、
あなたを誘って、
歓びの中で、命のダンスを、
微笑みながら踊りましょう。

************




enough FOR TODAY 
今日のダンスはこれで十分だ


Dance rehearsals can go on past midnight, but this time I stopped at ten. "I hope you don't mind," I said, looking up into space, "but that's enough for today."
A voice from the control room spoke. "You okay?”

ダンスのリハーサルは深夜過ぎまでかかることがある。しかし、このとき僕は10時で止めた。「心配しないでほしいんだ。」僕は上の方を見上げながら言った。「だけど、今日はこれで十分だ。」コントロールルームからの声がした。「大丈夫かい?」

"A little tired, I guess," I said. I slipped on a windbreaker and headed down the hall. Running footsteps came up behind me. I was pretty sure who they belonged to. "I know you too well," she said, catching up with me. "What's really wrong?”

「ちょっと疲れたようだ。」と僕は言った。僕は、ウインドブレーカーをひっかけて、ホールの下に向かった。僕の後ろから走る足音が追って来た 僕は、間違いなくその足音が誰のものか解った。「私も、あなたのことよく解るのよ。」彼女は、僕に追いついて言った。「本当はどうしたの?」

I hesitated. "Well, I don't know how this sounds, but I saw a picture today in the papers. A dolphin had drowned in a fishing net. From the way its body was tangled in the lines, you could read so much agony. Its eyes were vacant, yet there was still that smile, the one dolphins never lose, even when they die..." My voice trailed off.

僕は口籠った。「そうだね、僕にもなんて言っていいのか解らないんだ。だけど、新聞で、今日、写真を見たんだ。一頭のイルカが漁網の中で死んでいた。体が網にもつれている状態からすると、とても苦しみ悶えたということが読み取れたよ。その眼は虚ろだった。だけど、イルカが決して失うことのない微笑みがまだあったんだ。死に際でさえ・・。」僕の声は消え入った。

She put her hand lightly in mine. "I know, I know.”

彼女はそっと僕の手をとった。「解るわ。解るわ。」

"No, you don't know all of it yet. It's not just that I felt sad, or had to face the fact that an innocent being had died. Dolphins love to dance ― of all the creatures in the sea, that's their mark. Asking nothing from us, they cavort in the waves while we marvel. They race ahead of ships, not to get there first but to tell us, 'It's all meant to be play. Keep to your course, but dance while you do it.’

「いや、君はちゃんと解ってなんかいない。それがただ、悲しいとか、純粋な生き物が死んだという事実と向き合わなければならないということじゃない。イルカたちはダンスを愛している。―すべての海の生き物の中でも。それが彼らの特徴なんだ。僕らに何も求めもせず、僕らが驚嘆している間、彼らは波間を跳ね回っている。船を追い越そうと競争し、ただ早く目的を遂げようとするだけじゃなく、彼らは僕らに伝えようとしているんだ。「遊ぶことが全てなんだよ。頑張ってやり抜け。だけど、そうしながら踊るんだ!」

*Keep to your course 目標に向かって頑張る やり遂げる

So there I was, in the middle of rehearsal, and I thought, 'They're killing a dance.' And then it seemed only right to stop. I can't keep the dance from being killed, but at least I can pause in memory, as one dancer to another. Does that make any sense?”

そういうわけで、練習の途中、僕は考えたんだ。「彼らはダンスを殺している。」そして、"止まる"ことが、ふさわしいと思ったんだ。僕にはダンスが殺されないようにすることはできない。しかし、少なくても、僕は、学んだことを覚えておくために思いを馳せ立ち止まることはできる。もう一人のダンサーへ、一人のダンサーとして。これがどういう感覚か解るかい?

* keep O from ~ing ・・「O(目的語)が~するのを妨げる」「Oが~できないようにする」

Her eyes were tender. "Sure, in its way. Probably we'll wait years before everyone agrees on how to solve this thing. So many interests are involved. But it's too frustrating waiting for improvements tomorrow. Your heart wanted to have its say now.”

彼女の瞳は優しかった。「そうね。おそらく、この問題をどのように解決するかについて、皆が賛同するまでには、私たちは何年も待たなければならないでしょうね。とても多くの利害関係が絡み合っているわ。でも、明日解決しようとするなら失望してしまうわ。あなたの心は '今すぐ' と言いたかったでしょうけれど。」

"Yes," I said, pushing the door open for her. "I just had this feeling, and that's enough for today

「うん。」僕は彼女のためにドアを開けてあげて言った。「僕は、ただそう感じただけ。だから、今日は、これでお疲れ様。」