アナウンスのところ。
これについては、色々↓と書いてきましたが・・
① 2012年06月18日 http://hama-sush-jp.pro/et-eo/entry-11280108136.html
② 2012年06月20日 http://hama-sush-jp.pro/et-eo/entry-11281770238.html
③ 2012年06月23日 http://hama-sush-jp.pro/et-eo/entry-11284004590.html
④ 2012年06月24日 http://hama-sush-jp.pro/et-eo/entry-11284559468.html
今日は、ずっと不思議に感じていた
『History』の "初めの初め" のところ、
ビビッドにそこのところだけを取り上げて、
書いてみたいと思います。
マイケルの『History』は、
こんなアナウンスで始まります。。
"Monday March 26th, 1827"
1827年3月26日月曜日 (ベートーベンが死んだ日)
"November 28th, 1929"
1929年11月28日 (ベリー・ゴーディが生まれた日)
「ベートーベンの死んだ日」の後に、
「ベリー・ゴーディの誕生した日」が並べられています。
普通に考えると、
なんだか変だな~?
ベートーベンから、いきなり、ベリー・ゴーディ?
突飛だな~と思える出だしですよね!?
なぜ、ベートーベンが死んで、
ベリーゴーディが産まれるところに、
滅茶苦茶に飛んでしまうのか?
しかも、なぜこれが、曲の冒頭でアナウンスされるのか?
なにか重要な意味でもあるのか?
・・不思議な気がしますよね。
実は、過去記事②↑でも、この謎について、
若干、触れています・・。
それは、
チャック・ベリーの楽曲でビートルズもカバーしている曲、
「 Roll over Beethoven ベートーベンをぶっとばせ!」などが、
この謎を解く鍵になるかもしれない。ということなど。。です。
しかし、あまり、言及できていないままでしたので、
今日は、「 Roll over Beethoven (ベートーベンをぶっとばせ)」に
焦点を当てながら考えてみたいと思います。
「ベートーベン」とは、
18C末~19C初に成熟した“西洋音楽”の古典を象徴的する
偉大な音楽家ですね。
ベートーベンが特異なのは、
パトロンの保護を受けて生計を立てなければならなかった宮廷楽士が、
支配階級のための音楽を強いられていたのに対し、
初めて楽譜の売り上げで生活できた
自立した音楽家だった点なのだそうです。
つまり、ベートーベンは、
限られた層から、より多くの人々へと、
音楽を解き放った音楽家なのですね。
洗練された西洋音楽の“大衆化”はベートーベンから始まったというわけです。
そして、19c後半、アメリカ大陸で、
西洋音楽と、それとは全く異質の音楽が、出会うのです。
アフリカからつれてこられた黒人たちの音楽と、
ヨーロッパからやってきた西洋音楽が互いに影響を及ぼし始めました。
そして、ベートーベンの死から約100年、
ある人物が誕生します。
ベリー・ゴーディー・ジュニア。
ベリーゴーディはデトロイトの中流家庭に生まれ、
一攫千金を夢見てプロボクサーとなり、
兵役を経て、音楽に関心を寄せ、レコード店を出店。
作曲も試みていました。
やがて、多くの才能あるブラックミュージシャンと出会い、
その中の一人、スモーキー・ロビンソンの助言で、
R & B レーベル「タムラ・レコード」(Tamla Records)を立ち上げ、
さらに、後にモータウン・レコードを設立しました。
モータウンは、「黒人のための黒人音楽ではなく、
人種を超えて、白人層にもこの音楽を楽しんでもらいたい」という夢を掲げ、
初めて黒人音楽を白人層に押し広げ、大衆化することに成功するのです。
ベリーゴーディは、強い野心と、創造性、
先見性、ビジネス感覚を同時に持ち合わせ、
綺羅星のような黒人アーティストを擁し、
モータウンサウンドで世界の音楽シーンを塗り替えていきました。
ベリーゴーディによって開かれ、
世界の大衆音楽を席巻した黒人音楽は、
今でも、そのルーツから様々な萌芽を生み出し、
常に世界のメインストリームを牽引する音楽となりました。
つまり、
ベートーベンが、“西洋音楽”を大衆化に導いた功労者ならば、
“黒人音楽”を人種を超えて広く大衆のものにした立役者は、
ベリーゴーディ、その人なのです。
すなわち、
ベリーゴーディは、白人層までも取り込んだ黒人音楽で、
西洋音楽をぶっ飛ばしたのです!
Roll over Beethoven!!
ベートーベンをぶっとばしちゃったのですね!
マイケルが、
"Monday March 26th, 1827"
1827年3月26日月曜日 (ベートーベンが死んだ日)
"November 28th, 1929"
1929年11月28日 (ベリー・ゴーディが生まれた日)・・で、
言いたかったのは、そういうことかも知れませんね。
「音楽は数学だ!」という考え方がありますが、
正に、西洋音楽は、音階もリズムも数学的ですね。
けれども、黒人音楽は、一定の規律に基づいて
楽譜の上に設計された西洋音楽に比べ、
混沌の中に絶妙に調和し、
うねりや揺れ、歪みや不均衡を味わいとして、
自由自在に操る面を持ちます。
ブルーノートなどの複雑な音階、
半音、あるいは、もっと#し、もっと♭した音を遊び、
歪み、跳ね、揺れる、つまり、スイングするリズムを、
互の呼吸を読み合って奏でられます。
黒人音楽は、より直感的で、即興的、有機的。
ディオニソス的とでも言いましょうか?
マイケルなら、パーン神(ピーターパンはパーン神に由来する)的と言うかな?
けれども、もしかすると、西洋音楽よりも、
より複雑な数学、あるいは、超数学的なのかもしれません。
Feelingってことでしょうかね?
ブルーズするとか、ブギーするとか、スイングするとか、
ジャムするとか、ロックするとか・・
楽譜には書けない感覚ですよね。たぶん。
では、では、
「 Roll over Beethoven」の和訳を♪
ジョン・レノンが、
「ロックンロールに別の名前を与えるとすれば、
それは“チャック・ベリー”だ」・・と称した
ロックンロールの創始者、
チャック・ベリーさんは、現在、88歳の米寿だそうです~^^/
因みに、ジョンは、チャック・ベリーの著作権所持者から
「Come together」が、チャックベリーの「You Can't Catch Me」の
盗作だと訴えられ、一悶着ありましたね。
そして、その後、
まるで奪われた黒人音楽の原典を取り戻すかのように、
今度は、マイケルがビートルズを買い上げ、
「Come together」の著作権所持者になって、
「Come together」をカヴァーし、ステージでも歌うという、
"音楽の果し合い"のような物語も背後には存在します。
(この件に関しては、また詳しく書いてみたいと思います。)
チャックベリーが「ベートーベンは、素晴らしい音楽家です。」
「ベートーベンさん、どうかお許しを♪」って言ってますね~^^
ビートルズのカバー
Roll over Beethoven
Written by Chuck Berry
I'm gonna write a little letter,
Gonna mail it to my local DJ
It's a rockin' rhythm record
I want my jockey to play
Roll Over Beethoven, I gotta hear it again today
俺はちょっとした手紙を書くつもりなんだ
俺の地元のDJに送ろうと思ってさ
DJにかけてほしいのは、ロックのリズムのレコードさ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせってんだ そいつを今日もまた聞かなきゃな
You know, my temperature's risin'
And the jukebox blows a fuse
My heart's beatin' rhythm
And my soul keeps on singin' the blues
Roll Over Beethoven and tell Tchaikovsky the news
解るだろう? 俺の体が熱くなったきて
ジュークボックスのヒューズも飛んじまう
ハートがビートを刻み ソウルはブルーズを歌う
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ それから チャイコフスキーにも教えてやろうぜ
I got the rockin' pneumonia,
I need a shot of rhythm and blues
I think I'm rollin' arthritis
Sittin' down by the rhythm review
Roll Over Beethoven rockin' in two by two
俺は"ロッキン肺炎"にかかっちまった
リズムアンドブルースの注射が必要だ
俺が思うに俺は"ローリン関節炎"だぜ
リズムレビューの側に座っていたからな
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ 2×2のロックで
Well, if you feel you like it
Go get your lover, then reel and rock it
Roll it over and move on up just
A trifle further and reel and rock it,
Roll it over,
Roll Over Beethoven rockin' in two by two
さぁ こいつを感じて気に入ったら
恋人を連れて行こうぜ そして 巻き上げて揺すぶって
回して 持ち上げ
ちょっと離して それから巻き上げ揺すぶるのさ
ぶっ飛ばそうぜ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ 2×2のロックで
Well, early in the mornin' I'm a-givin' you a warnin'
Don't you step on my blue suede shoes
Hey diddle diddle, I am playin' my fiddle,
Ain't got nothin' to lose
Roll Over Beethoven and tell Tschaikowsky the news
いいか 朝もまだ早いが お前に言っとくよ
俺のブルー・スウェードの靴を踏むんじゃないぜ
ヘイ ディドル ディドル 俺はフィドルを弾くぜ
何も損する訳じゃないだろう
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ それから チャイコフスキーにも教えてやろうぜ
*Hey diddle diddle, ・・マザーグースの童唄のひとつ
*I am playin' my fiddle・・暗喩的口説き文句。性的表現が暗示されている。
You know she wiggles like a glow worm,
Dance like a spinnin' top
She got a crazy partner,
Oughta see 'em reel and rock
Long as she got a dime the music will never stop
彼女が光る幼虫みたいにピクピク小刻みに動くのを見ただろう
コマみたいに彼女はいかれたパートナーと踊ってる
彼らのリール&ロックのダンスに目が離せない
彼女が音楽に乗ってる間は音楽は止みっこないだろう
Roll Over Beethoven,
Roll Over Beethoven,
Roll Over Beethoven,
Roll Over Beethoven,
Roll Over Beethoven and dig these rhythm and blues
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ
ベートーヴェンをぶっ飛ばせ リズム&ブルースに乗っていこう
==========
お読みいただきまして、誠にありがとうございました
