
“気をつけたまえ。
この国は今、罠だらけだからな” ――「王と鳥」
フランスのアニメーション映画、ポール・グリモー監督の
「王と鳥」を見ました。
日本にもいますねぇ。。 こんな、やぶにらみの暴君が!
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原作は、アンデルセンの「羊飼い娘と煙突掃除人」。
1952年に『やぶにらみの暴君』として公開されましたが、
4年経っても完成しなかったことで、資金不足となり、
共同製作者アンドレ・サリュの手により見切り発車で公開したのだとか。
ポール・グリモー監督には、不満足なものだったようです。
そして、ポール・グリモー監督は、作品の権利とネガを買い戻し、
製作資金を10年がかりで集め、
『やぶにらみの暴君』を『王と鳥』として改作したのです。
そして、本作は、1980年に公開され、フランス国内でも絶賛されました。
高畑勲氏や芝山努氏は、この『やぶにらみの暴君』に感銘を受け、
アニメの道に進むきっかけとなり、宮崎駿氏にも多大な影響をを与えました。
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「王と鳥」は世界というものが基本的にどうなっているか、
非常に端的で明快にアニメーションで描いたものなんです。
単に感情に訴える映画とはまるで違うものなんです。
ここには壮麗な城の形をしている縦型社会が登場します。
その城の一番上には王様がいて、
一番下の下層市街には太陽も見たことのない貧しい人が暮らしている。
この世界を主人公たちが上から下まで逃げていって、
王様に反抗する鳥が動物たちを先導して暴動を起こし、
結局世界が全部崩壊してしまうんです。
「王と鳥」が公開されたのはロシアの社会主義体制にほころびが見えてきた1980年です。だから当時は、ナチスとかスターリン的な全体主義みたいなものに対する批判とか、
いろいろ言われたかもしれないけれど、
ここに描かれていることは21世紀の今にも通用しているんじゃないか。
半世紀も前に発想されたことが過去のものにならない怖さを思うと、
人間の歴史は本当に同じことを繰り返していると感じます。
(高畑監督のインタビューより抜粋)