ちょうど、
マイケルが、『Invincible』を録音していた1996~2001年ごろーーー
時代は情報技術の革命が起こっていました。
1990年代半ば以降、有名アーティストの古い作品がリマスタリングやデジタル・リマスター等と称して再発されていました。マイケルの楽曲もそうでした。
これらは、プリマスタリング及びマスタリングをやり直した作品です。
この際、リマスタリングをデジタル機器で行うことをデジタルリマスターといい、
古い音源を最新の音響技術を用いてマスタリングし直す事で、より現代的な音像で楽しむ事ができるというわけです。
デジタル技術の進むネットワーク化社会では・・
一旦、デジタル化すれば、加工は簡単で、完全なコピーが可能になります。
もし、ハード(記憶媒体)が劣化すれば、ただ新しい媒体にコピーするだけでいいのです。
しかし、一見便利に見える「デジタル技術」のもう一つの顔は、イミテーション技術のことなのです。
イミテーション技術は際限なく進歩をつづけ、やがて、高度な科学的手法をもってしても、本物と偽物の見分けがつかなくなるのです。
これによって、著作権の問題は、複雑化していかざるをえません。
リマスターされた過去の曲が、新鮮ないい音で聴けるとなると、
これを境に 古いものが、またリバイバルされ、
彼とソニーの保有していた版権ビジネスには、当然、大きな影響を及ぼすことになるわけです。
そんな折、マイケルは、子供を得て、父となりました。
おそらく、彼は版権を保守したまま、独立して
長年の夢の映画製作に向かおうとし、
ソニーは、それを あらゆる手段を講じて阻み、全版権とマイケルの両方をコントロールしようとしました。
俗にいうSONY WARSがこれです。
この時期のトピックスまとめると、↓こうなります。
| 1996 | 1月 リサ・マリーとの離婚を発表。 9月7日 ヒストリーツアー、スタート。 11月14日 皮膚科の看護婦デビー・ロウと結婚。 6月「Michael Jackson's Ghosts」が、スティーブン・キングの「痩せゆく男」と同時に上演された。 |
| 1997 | 2月13日 長男、プリンス・マイケル・ジャクソン・ジュニア誕生。 4月 「Blood On The Dance Floor/ HIStory In The Mix」リリース。前半の5曲が新曲、8曲がヒストリーのリミックス。 5月9日 「Michael Jackson's Ghosts」がリリースされ、直後に、カンヌ映画祭で披露された。 10月15日 ヒストリーツアー終了。 |
| 1998 | 4月3日 長女、パリスが誕生。 |
| 2001 | 9月7、10日 NYマジソン・スクエア・ガーデンで 「マイケルジャクソン30周年記念ソロ・イヤーズ」が公演される。 それと同時に、全作のリマスターバージョンも発売。 |
『Invincible』のまえに、
唐突に 『Blood On The Dance Floor/
HIStory In The Mix』という
ゲリラアルバムが、一切宣伝もなく出されました。
これは、まったく、異例のことです。
いわば、これは・・
戦いの「ノロシ
」のようなアルバムだったのではないでしょうか?
ノロシとは、かつて外敵の侵入を伝える連絡手段だったのだそうです。
つまり、世界中に潜伏していたファンへの急報のようなもの。。。
大きな行動に出る時には、「狼煙を上げる」といいます。
古来、この松明の点火の際に、
オオカミのフンを加えると煙が直上するといわれ、
狼という語が入った狼煙の名になりましたが・・
実際、『Blood On The Dance Floor/ HIStory In The Mix』には、
野生のオオカミの遠吠えのような、
彼からの無音の叫びが、入っているのです!!
ジャケ写では、手旗信号で、
HELP!!と訴えて叫んでいる。。。
実際に音の入っている、75分57秒の
「Blood On The Dance Floor/HIStory In The Mix」、
ところが、「over 76 minutes」と表記されています・・
この謎・・
その誤差は・・この叫び なのですよ!!
私は、そう理解しています。
マイケルは、
宣伝なしであろうと、どうあろうと、彼の作品を待ち望み、
熱烈に愛し続けるファンに手の込んだ暗号を、送ったのだと思うのです。
かならず、ファンは、キャッチしてくれると信じていたからこそ!!
この謎めいたアルバムの在り方は、
マイケルのファンへの信頼の証しのようなもの!
このアルバムは、そういう質のものだと思います。
マイケルの、ブラッドの無音の叫び、
彼の信頼に応えて、キャッチせねば! なのです!
その詳しい内容は、過去記事に書きました。
「ブラッド」のコンセプトは、↓コチラをどうぞ!
続・Thank You / For Talkin' To Me Africa ~「暴動」②
http://hama-sush-jp.pro/et-eo/theme9-10060712908.html
http://hama-sush-jp.pro/et-eo/theme6-10060710852.html
そして、ノロシが上がり、続くアルバムが、『Invincible』です。
マイケルの新しく出るアルバムは、
以前は、一つの川の流れのように、繋がっているような
イメージだったんですけど・・
ふと・・
そうではなく、
前作を包み込み、抱き込んで、
大き広がっていく宇宙のようなイメージ・・なのでは?と。。
ちょっと、いだくイメージが変わりました。
このイメージの変化は、私にとっては、
重要です!!
「デンジャ」は、そもそも「DECADE(=10年)」という、
2枚組のベストアルバムの予定でしたが、
1年半かけて、91年10月31日、ハロウィンの日に完成し、
「カボチャが煮えたよ♪」とマイケルは言った(≧▽≦)
お茶目な発言ながら、誠に凄まじい10年を抱き込んで広げた作品なのです。
彼の80年代は、常人の20代が送る10年ではありません。
その地に折りたたまれた本当の歴史を学び、世界中を何周も回り、
身を持って現状の危機を感じて平和を訴えてきました。
そして、「ヒストリー」は、デンジャを抱いて、
さらにドカーンと大きく広がる。
そして、ですね・・
「インビンシブル」に関しては・・
音よりも早く届く、雷や、花火のようにピカッと光って、
無音の、異様な緊張感をかもしだす 恐ろしく鋭い閃光のような作品、
「ブラッド」というノロシを上げて、
大爆発するわけです。
その威力を凝縮して感じさせるのは、
最高傑作映画、
「ゴースト」なのでありまして。。![]()
それらは、渦巻きながら、力強く広がるのです。
「ゴースト」は、「ブラッド」と「ヒストリー」の曲が使われているから、
これらは、一体のものだけど、
「インビンシブル」とは、どう関連が???と、お思いかもしれません。
わかりにくいかも知れませんが・・
渦巻きの、入れ子? マトリョーシカ・・?
彼の作品は、
渦巻が渦巻でとりまく銀河・・みたいな形態。。だと思うんです。
マイケル、最後のアルバム、
『Invincible』のセットリストは、こうでしたね。
アルバム『Invincible』
+・Unbreakable
+・Heartbreaker
・Invincible
+・Break Of Dawn
・Heaven Can Wait
+・You Rock My World
+・Butterflies
・Speechless
+・2000 Watts
・You Are My Life
・Privacy
+・Don't Walk Away
+・Cry
+・The Lost Children
+・Whatever Happens
+・Threatened
+の印は、記事あり。
和訳もしています。
(2000wattsは、今一・・再考するつもりです。)
最後の最後の曲は・・Threatenedでした。
そして・・
「Threatened」のアウトロの最後の言葉が、指し示しているのは、
これまた、ほとんど宣伝もされず、
一部のファンの度肝を抜いて気絶させた
映画「ゴースト」なのだと思います!!
Invincibleは、
つまり、映画の中のマエストロのように、
マイケルジャクソンは、死なず、
マイケルジャクソンの映画の始まりであるということ・・
終わりの始まり・・なのです。
ね?
このアクロバット!?
ぐるんと、いま、
渦・・巻きましたよね?
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長くなるので、いったん仕切ります。
Invincibleという戦い②に、つづく・・・
