☆てんの絵本☆ A Golden Button 〈三〉 | ☆Dancing the Dream ☆

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          『 金のボタン 』  (三)
   



カラスと 小さなネコは、金ボタンが 放つ光のみちを


どこまでも飛んでゆきました。 風の声のする方へ。


どれほど 飛んだでしょう。


だんだんと 風の歌が 大きくひびいてきます。


小さなネコは 夜でもよく見える目で 風をさがしていました。



弓のように おおきな三日月が 遠くにみえてきました。


月に だれかがすわっているのが わかります。


 「あの人だ! あの人が風さんだ。


 月で歌を歌っているよ!」 


小さなネコは そう小さく叫びました。


 「きみの金のボタンの光のみちは


  あの月に つづいているよ。」とカラスもいいました。



カラスがいうように その光のみちは まるで金のボタンと月をつなぐ


三日月の舟からすべり落ちた 金色のしずくでできているようでした。


 カラスは 星たちに あいさつをするのも忘れ 夢中で飛びつづけました。


そして、とうとう 月までやってきてしまったのです。



 「やぁ、よく来たね。


 きみたちを まっていたよ。」 月で歌っていた人は、そういって迎えてくれました。


 「ぼくたちを?」 カラスと小さなネコは ふしぎそうに顔を見あわせました。


 「あなたが 風さんですか?」


小さなネコは はにかみながらたずねました。


レースのベールのようにすきとおったその人は


 「さぁ、どうだろう?」とクスクスとわらいます。


 「どこを旅しても あなたの歌がきこえていました。
 

  ずっと あなたの声をきいて ここまで飛んできたんです。

  

  あなたは 風さんじゃないの?」


 「ぼくが 風かどうかは ぼくにもわからないよ。


 でも歌を歌っていたのは ぼくさ。」とわらいます。

 

 「そう。。。   じゃぁ あなたの名前は?」


 「ぼくは とおい星に 名前をおいてきたんだ。


 星をはなれて はじめて会ったのがきみたちだよ。


 だから きみたちがぼくに 名前をつけて。」


カラスと小さなネコは また顔を見あわせました。


そして、小さなネコは ほほを紅くしていいました。


 「じゃぁ 風。それがあなたの名前。


 世界中でいちばんすてきな歌を歌う人の名だよ。」


風と名づけられた人は、にっこりと ほほえみました。




 「じゃぁ 風さん」 と カラスも風にたずねました。


 「あなたは ここで何をしているの?」


 「ぼくかい? ぼくは 星で空に絵を描いているんだ。


 歌を歌いながらね。」


カラスと小さなネコは はじめて 大きな夜空をみわたしました。


 「なんて きれいなんだ!」 ふたりは声をそろえていい、


うっとりと 風が描いた どこまでもつづく天空のきらめく星々をながめ


大きく深呼吸しました。


すると 風があたらしい歌を美しい声で歌いはじめます。


月に架けた傘から 色とりどりの星をとり、くちづけをして


夜空に ひとつ またひとつ 星をなげていきます。


そして ふと 大切なことを思い出したようにいいました。


 「きみたちは あの星をつれてきてくれたの?」


 「あの星? あの星って どの星のこと?」


 「ほら、 あそこ。  見てごらん。


  スプーンのようなかたちの。 あそこに本当は七つ星をかざったんだ。


  だけど さいごの一つの星が しばらく旅をしたいっていったのさ。


  息子といっしょにね。」


カラスは、頭にのせていた金のボタンを指さして


 「その星って この金ボタンのこと?」


小さなネコは 息をのんで 風の答えをまちました。


 「そう。その金ボタンは 星さ。


  星になったきみの お父さんは、


上着にくっついて


  きみといっしょに旅をしていたんだよ。」


小さなネコは 目を閉じて だまってしまいました。


胸にあつく広がったものが のどにこみあげてきて


ほほに涙がこぼれてきました。


風は 小さなネコの涙をそっとふいてやりながら いいました。


 「でも それもおわりだ。


  上着の三番目の金ボタンの役目もおわりだ。


  その星が そうぼくに告げてきた。


  この金ボタンは、夜空でいつも輝いている


  ほら、あの七番目の星になるんだ。」


風と同じ空をあおぎみる 小さなネコは目は 涙で洗われてとても澄んでいました。



カラスは、頭の金ボタンをとって 風にわたしました。


 「カラスくん、星をここまで連れてきてくれて ありがとう。」 


風はカラスの頭のてっぺんに キスをしてやりました。そして いいます。


 「きみの星への願い事は ぼくもここできいたよ。


  でも、聞いて。


  きみの星はね いまは眠ってる。


  だけど どの星よりも輝く星だよ。 それは、太陽さ。


  どうだい? すてきだろ?


  だから安心して きみは 夜は太陽といっしょにお眠り。


  そして いつものように世界中を明るく照らす太陽のめざめを


  みんなに知らせておくれ。」


風の言葉をきいたカラスは もう夜空の星を 夢みることはありませんでした。



小さなネコは 風を まっすぐに見つめながらいいました。


 「風さん、 ぼくがその星を空にかえしてあげたいんだ。


 ぼくにやらせてくれる?」


 「もちろんさ!」 そういって風は そっと手のひらで輝いていた星を


小さなネコの 小さな手のひらにわたしました。  


小さなネコは 明るい目で 七番目の場所をしっかりとみさだめ


空に届くように おもいきり星をなげました。


風は、 「きみとあの星のために歌うよ」そう言って やさしい歌を歌いました。 


そして 星がもとの場所にピタリとおさまり 空に帰るのをみとどけると


小さなネコを ぎゅっと抱きしめてやりました。


キラキラとかがやくその星に 三人は拍手をおくりました。


それから、風と小さなネコとカラス。


三人は、よりそって 夜空に浮かぶ大きな月の舟にゆられながら 


歌をうたいました。


すると 星々もそれぞれの音色でハーモニーを奏でます。


天空が 音楽でみたされると 


どの色のどの星も


名前をすててしまった風も みどり色の小さなネコも 黒いカラスも


もうなにも望むこともなく ただ幸福でした。




 「さぁ、朝がくるよ。


 カラスくん、 きみの星が目をさます。


 太陽といっしょに おかえり。」


小さなネコとカラスは お礼をいい、背伸びをして風をいっぺんに抱きしめ


ほほの両側からお別れのキスをしました。



 「さあ、かえろう! ぼくの背中にのって!」


カラスは、小さなネコをのせて 

元気よく大きな声で 朝を知らせながら


朝焼けの空を 飛んでいきました。



  


☆Dancing the Dream ☆



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    お読みいただき 誠にありがとうございましたおじぎ