リオ・クオクマン&九響, 神尾真由子:ジョン・アダムズ, バーバー, コープランド(定期演奏会) | Wunderbar ! なまいにち

Wunderbar ! なまいにち

まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2023. 6. 23 (金) 19 : 00 ~  福岡シンフォニーホールにて

 

<第413回 定期演奏会>

~饒舌なるアメリカン・クラシック~

 

ジョン・アダムズ:ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシン

 

サミュエル・バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14

(ソリストアンコール)

ポンセ / ハイフェッツ編:エストレリータ  (Pf; リオ・クオクマン)

 

アーロン・コープランド:交響曲 第3番

 

 

ヴァイオリン:神尾真由子

指揮:リオ・クオクマン

九州交響楽団

(コンサートマスター:扇谷泰朋)

 

   

 

今回は20世紀のアメリカ音楽特集。

指揮者は初登場、マカオ出身のリオ・クオクマンさん。恥ずかしながら私はお名前すら存じ上げなかったが、現在香港フィルの常任指揮者、マカオ管のミュージック・アドバイザーに在任とのこと、2016年までフィラデルフィア管でネゼ=セガンの副指揮者を務めていたそうだ。ちなみに「リオ」が苗字だそうです。

 

リオさんは17歳の時にユースオーケストラで福岡に来たことがあり、その時の曲がバーバーのヴァイオリン協奏曲だったとのこと、その時は指揮者になることを夢見ながらピアノの演奏担当だったそうです。リハの終わりに『また偶然に同じ曲で、今度は指揮で、福岡にこられて嬉しい!本番もよろしく!!』 とにこやかに挨拶され、オケからも拍手喝采だったそうです(「九響楽団員のつぶやき」@kyukyo_musician さんのツイッターより)

 

今回の各々の演目については先日参加した「九響おんがくアカデミー」について書いた前記事に書きましたのでよかったらどうぞ下差し

 

 

小走りのように登場されたリオ・クオクマンさん。スラっとした長身で指揮台にあがって拍手に応える際に左胸に手をあててお辞儀された。

 

 

最初はジョン・アダムズ (1947~)作曲の「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシン」。

4分ちょっとの短い曲ながら、最初っからインパクト大おーっ!ハッ

ウッドブロックがコン、コン、コンと鳴らし始めたあとのクラリネットの華やかな素早い音の繰り返しにまず目が(耳が)くぎ付け。お囃子的なピッコロのあとトランペットが・・・てな感じで次々と押し寄せる音の大群に終始圧倒されまくり。

さらに指揮のリオさんの動きがこれまたすごい! 肩幅より少し広めに足を広げてどっしり構えながらもまるでバレエダンサーのように身体全体を使った動きがものすごくしなやかでリオさんが音を身体で体現したかのよう。

音の繰り返しなんだけど”ミニマル・ミュージック”って感じがしない。

予習はしていたものの、やっぱり生で聴くとぜんぜん!違う!恋の矢

 

前記事と違う動画をのせておきます。

 

 

ジョン・アダムズ:ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシン (4分39秒)

/ Marin Aslop & BBC Symphony Orchestra   (BBC Proms 2014)

 

 

2曲目はサミュエル・バーバー (1910-81) 作曲の ヴァイオリン協奏曲 Op.14。

ソリストは神尾真由子さん。 私が神尾さんの演奏を聴くのは2度目。前回は5年前。読響との共演でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲だった。下差し

 

 

ステージに登場した神尾さん、オフショルダーのショッキングピンクのスリムなドレスで登場キラキラ

相変わらずスタイルいい~ラブ

第1楽章冒頭からのヴァイオリン🎻の美し~いメロディキラキラ 神尾さんのヴァイオリン、久々に聴いたがなんだか前と印象が違ってた。なんか変わった? ど素人の私が言うのも恐れ多いが、前聴いたときよりさらに音が多彩で一音一音をすごく丁寧に弾いておられる印象。全体を俯瞰して見ている余裕があるような。それでいて元来の持ち味であるブレない芯の強い音は変わらない。 神尾さんは宗次コレクションより貸与されたストラディヴァリウス1731年製作「Rubinoff」を使用しているそうだが、これがまた響く響く~音譜 神尾さんの音色は独特。ムターのように誰とも違う気がする。土の匂いのする(いい意味で)泥臭さがある。そこが魅力なのだ。

 

私が一番好きな第2楽章。冒頭からの佐藤太一さんのオーボエソロがもう泣かせる・・・泣く 

バーバー天才。なんでこんな郷愁をさそう旋律が書けるんだ・・・泣 神尾さんの高音の儚げな音が素晴らしかった。 1楽章も2楽章も終わり方がほんとに素敵。

そしてまったく雰囲気の違う第3楽章。神尾さんのヴァイオリンがキレッキレにさえまくるキラキラキラキラ

いやいや圧巻でしたゲラゲラ 

 

神尾さん圧巻の演奏音譜

 

何度目かのカーテンコールでリオさんが譜面を上に掲げるようにしてよし!という仕草をされ、神尾さんとともに下手側にあるピアノへ。なんとリオさん伴奏でアンコールラブラブ 舞台が暗くなって神尾さんにスポットライトが当たっているさまは視覚的にも美しかったキラキラ

 

アンコールの様子 おふたりが素敵ラブラブ

 

ところで! 協奏曲の演奏中、静かな聴かせどころのところで1階?あたりからなんかジリリリというような小さいアラーム音?がしばらく鳴ってた(気のせい?いや鳴ってたと思う)。さらにアンコール中のしっとり聴かせている最中にも同様の小さなジリリリという音が・・・むかっ

今日は開演前から「電源を切るように」というプラカードを持った係員が客席を歩いて注意を促していたし携帯は早々に「圏外」になっていたと思うんだけど、アラーム音なのかな?だとしたらなんで電源切ってないんだろう? しかもず~っと鳴らしてるしなぁ悲しい

(アーカイブ配信ではほとんど聞こえなかったが会場ではとても気になりました)

 

 

後半はアーロン・コープランド (1900-90)作曲の交響曲第3番。

前述した前記事 で書いていますが、この作品はコープランド自身が作曲した「市民のためのファンファーレ」がベースになっており、各楽章でこのファンファーレがいろんな形で(ぼんやりと)現れ、最終楽章ではっきりとした形で現れる。

私はこの「市民のためのファンファーレ」を太田弦さん&九響でサンパレスでの公演で聴いたことがあり、この作品が大好きだったのでよりなじみ深く聴いた。

 

この曲の流れを譜面入りで分かりやすく解説しておられるブロ友さまのチャーリーさんの記事をリンクさせていただきましたのでご参考にしてください。下差し

 

 

また、タワレコの曲解説を引用させていただくと・・・

 

第二次世界大戦が終わる一年前の1944年に着手され、その2年後に初演。コープランドはこの曲を『戦時期の作品、正確には当時のアメリカの華麗な精神を反映させたもの』と呼び、曲の中で『個人の反省と集団の戦いがあってこそ、初めて幸福感を得ることができる』と示唆している。素朴な抒情性を感じさせる第1楽章、打楽器が活躍する活力に満ちた第2楽章、瞑想的な楽想と舞曲が渾然一体となった第3楽章。第4楽章にはこの作品のベースとなっている「市民のためのファンファーレ」の輝かしいフレーズが登場する。コープランドより一世代前のアイヴズは、交響曲の中で郷愁を呼び起こすために賛美歌を取り込んだが、コープランドは"征服なしの勝利"を表現するために賛美歌を用いており、これが曲の終わりで絶大な効果を上げている。

 

 

この作品はショスタコーヴィチの交響曲第5番やプロコフィエフの交響曲第5番などと同時期に書かれたそうだ。それとは関係ないかもだが、今回生で聴いてみてピアノや打楽器の使い方などがショスタコっぽく感じられるところ(第1楽章とか)もあれば、マルケスのダンソン2番ぽくノリノリのところもあったり、そして「シェ~~ン!」と叫びたくなるような(←意味わからんw)コープランドらしい曲調とか。 45分あまり、とにかく全然飽きなかった。

 

第1楽章は弦が本当に美しかった(この日は扇谷さんと西本さんのダブルコンマス)。最後大村さんのフルートが一音ずっと伸ばしたまま終わるのも美しい泣く 2楽章はファンファーレでひとしきり盛り上がったあとの、オーボエソロをきっかけとして木管~弦へと旋律が広がっていくところがすごく面白かった。そして瞑想的な弦で始まる第3楽章。不穏な雰囲気になったり懐かしい曲調になったり、と来るべき”希望の光”の予兆を感じさせる(勝手な妄想w)。 

 

そうして迎えた最終楽章。・・・きたきたキターーーーーービックリマークビックリマーク 森さんのティンパニとともにトランペットとホルンのファンファーレがぁビックリマーク笑い泣き そしてトロンボーンとチューバも加わってのファンファーレがぁビックリマークビックリマーク笑い泣き笑い泣き そのあとのオーボエソロに始まる木管群がぁビックリマークビックリマークビックリマーク笑い泣き笑い泣き笑い泣き(あ、もうしつこいですねw) 

 

ダンソン2番ぽいノリノリの音楽のあとの突然の不協和音。マエストロ スラットキンさんはここに一番心が動かされるとおっしゃっていた。”人生はいつも平和とは限らないということを教えてくれる”ともおっしゃっていた。  

だけどその不協和音のあとのピッコロがまるで”キラキラ闇の中に差し込む一筋の希望の光キラキラ”のように私には思える。ここの八木さんのピッコロがほんとに秀逸。そのあとフルートなど木管が絡み合う中オーボエ、そしてホルンが再び”ファンファーレ”の旋律を浮き上がらせる。ここらへんが”困難の中から徐々に立ち上がってくる”かのよう(←妄想三昧w)。

そっからの最後のファンファーレは壮観・・ビックリマークビックリマーク 松居首席のトランペット🎺はほんとに素晴らしい!! 遠い私の席まで澄んだ音が矢のように飛んでくる。

アーカイブ配信を観たら最後のあたりのリオさんの表情がまたいいっ!ラブ

 

最終楽章の金管のファンファーレは鳥肌ものでした音譜

 

 

当初は「アメリカ音楽かぁ~」と思っていた公演だったが、前講座を聴いて俄然興味が沸き、本番を聴いたらもうすべてが素晴らしかったハートハート

そして指揮者のリオ・クオクマンさんが素晴らしかった。団員さん方の評価もとてもいいようだしぜひとも早い再登場を願っていますshokoponshokopon

 

終演後はブラボーが飛び交う大喝采でした拍手拍手

 

 

これはリハの様子

 

 

1枚目の写真は神尾さんとリオさんおふたりのアンコールの様子

 

 

 

リオ・クオクマンさんほんとカッコよかった~ラブ

 

*本番中の写真はすべて九響の公式facebookよりお借りしました。