2020. 1. 23 (木) 19 : 00 ~ 福岡シンフォニーホールにて
<第381回 定期演奏会>
ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」 Op.92
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ドヴォルザーク:交響曲 第7番 二短調 Op.70
ヴァイオリン:扇谷泰朋
指揮:小泉和裕
九州交響楽団
(コンサートマスター:西本幸弘)
*ロビーコンサート:
ドヴォルザーク/神田貴明編:交響曲第8番より 第3楽章、スラヴ舞曲 Op.46-3
(フルート:大村友樹、山下浩二、八木ちはる ヴィオラ:矢島千愛)
(月刊「九響」の巻頭ページより)
今年初の九響の定期演奏会。今日はすべてドヴォルザークプログラム! しかも生で聴いたことない曲ばっかだったので楽しみだった![]()
いつもより少し早めに到着したのでロビーコンサートの1曲目の途中あたりから聴くことができた。
フルート3本にヴィオラって初めて聴いた!フルート首席の大村さんは黒子役(伴奏役?)に徹していて、最近入団したばかりの八木ちはるさんが主旋律を吹いていたように思うがとてもうまかった。フルートの音色はいいですね~
聴いてるこっちもサロンかどっかで紅茶片手にオホホホ(´0ノ`*)と言ってる気分になるw
定演の1曲目は序曲「謝肉祭」。
私はまたまた勘違いしていてベルリオーズの「ローマの謝肉祭」の方と思っていたので、曲が始まってあれ??と思ってしまった・・・
(ドヴォルザークプログラムって言ってんのに。) この曲は記録を見たら2018年11月にメスト&VPOで聴いてたみたいで何となく聴き覚えがあった。
(以下の豆知識は中村滋延氏の解説による
)
この曲は、元々序曲三部作『自然と人生と愛』の中の1曲で、他の2曲は「自然の中で」と「オセロ」。
初演は三部作として同時に演奏されたが、今日ではこの「謝肉祭」が最も頻繁に演奏される。
「序曲」とはいうものの、歌劇などの序曲ではなく、単一楽章の管弦楽曲を指す。交響詩が標題(物語や想念)を具体的に描こうとするのに対し、序曲は絶対音楽の流れに沿った管弦楽曲。→そうなんだ~![]()
「謝肉祭」とは復活祭前の断食期間に備えて肉を食べこむ期間が春を迎える時期と重なることで、その喜びとして飲み食いで羽目をはずして騒ぐ祭りのこと。→謝肉祭ってそういうもんだったのか!初めて知った![]()
確かに「謝肉祭」という通り、この曲はにぎやかで華々しい。しょっぱなから金管の煌びやかな音に圧倒された。 ゆったりとなる中間部では西本さんのヴァイオリンのソロがとても美しかった。
そして最後再び盛り上がるところでの、伊藤拓也さんのタンバリン
が秀逸
大音量で鳴らしているオケに全然ひけをとらず、むしろ一番目立っていたかも!? 伊藤さんは関修一郎さんが定年で退団したあとの昨年10月に入団したばかり。これからも楽しみです![]()
「今日は皆さん1曲目から気合入ってるな~
」と思いながら聴いた。
次はヴァイオリン協奏曲 Op.53。ソリストは九響のソロコンサートマスターの扇谷泰朋氏。
私は生では初聴き。 ドヴォルザーク (1841-1904)にはピアノ(1876年作曲)、ヴァイオリン(1880年作曲)、チェロ(1895年作曲)の3つの協奏曲があるが、このうちチェロ協奏曲が最も有名で演奏機会も多いと思う。
でも今回CDで予習、生で聴いてみて、このヴァイオリン協奏曲も名曲だと思った。どうしてもっと演奏されないんだろう? メンコンやチャイコンだけでなく、このドヴォコンももっともっと聴く機会があるといいと思う。
この曲は名ヴァイオリニストのヨアヒムが勧めたことで作曲された。作曲中にもドヴォルザークはヨアヒムに意見や批評を求めて修正し、完成後には献辞とともにヨアヒムに捧げた。なのに、なぜか結局ヨアヒムはこの曲を演奏することはなかったらしい(できあがった作品に不満があったともいわれているようだ)。
実際の扇谷さんの演奏は、端正で淡々と弾いていた。一音一音を着実に誠実に弾いている感じだった。この曲聴いててすごく難しいんだろうなと思うのだが、技巧的にも全くブレていなくて安定感はさすが。
ただ見方を変えれば、アグレッシブさがなく単調に聴こえなくもない。
例えば曲の出だし、オケ全体のユニゾンで力強く始まったあとすぐにヴァイオリンのソロが第1主題を奏でるのだが、![]()
私が予習として好んで聴いていた、イリヤ・カーラーなどはこの出だしから「ギュイーーン!
」とアクセル全開!という風にとても情熱的に弾いている。
それに比べると扇谷さんはフォルテというよりはやや弱めで、「あれ?」と思った。
わかりやすく言えば、自己主張するソリスト、というよりも、オケの一員であるコンマスのコンツェルト、という感じだった。 ただこれはこれでありだと思った。なぜかというと、扇谷さんのソロとオケとがいい感じにとても溶け合っていたからだ。
第1楽章からそのまま突入する第2楽章はとても美しかった。余談だが、この楽章の中ででヴァイオリンがちょっとお休みの間に、トランペットがしばらくずっとパパー、パパーと同じ音程をずっと繰り返すんだけど、作曲者はどうしてこれを入れたんだろうな~といつも興味深い。
曲が終わったら、客席よりも(?) 楽団員の皆さんの方が満面の笑みで両手を高くあげて(弦のひとたちは足を鳴らして)すんごく拍手![]()
を送っていたのがとても印象的だった。扇谷さんは団員の皆さんたちにすごく愛されてるんだなぁ
カーテンコールに応えるホッとした表情 (?)の扇谷さん(写真は九響のツイッターよりお借りしました)
後半は交響曲第7番 Op.70。
ドヴォルザークの交響曲といえば、なんといっても第9番「新世界より」、そして第8番がよく演奏されると思う。
でも今日の第7番も、ヴァイオリン協奏曲と同じく名曲ではないだろうか。実演を初めて聴いてそう思った。
どうしてもっと演奏されないのかな~。 そういう意味では隠れた名曲を取り上げてくれた小泉さんに感謝!
CDで聴いていたときとは違って、最も印象に残ったのは第3楽章のスケルツォだった。
ワルツぽく始まり、途中から弦全体が力強くユニゾンでジャン!ジャン!と(後列に至るまで全員が)弾いている様は観ていても鬼気迫るものがあった。そんな中ティンパニが炸裂!カッコよかった![]()
それから曲全体を通して、いいな~と思ったのがチェロ。特に8挺のチェロのピチカートでの伴奏がすごく響いてきた。随所に渡ってこのピチカートがあったので、脇役ながらも曲のスパイスとなってとてもよかった。
最終楽章のコーダのあたりになると、小泉さんも両腕をさらに大きく上下させていて、オランウータンぶり
がさらに発揮されていたw (これ悪い意味ではないです。オランウータンぶり
が増すほど鬼気迫るものがあります) 最後の一音がジャン!と鳴ったあとの間髪入れずのバカ者ブラボー
があったものの(これは複数の方がツイートしてたみたいなので深くツッコむのはやめときます)、とても感動した。 小泉さんは傍から見ていても分かるほど精根尽き果ててぐったりとなっていた。
うーん、今年一発目から九響すごいじゃん!![]()
![]()
この日はクラリネットの客演首席(九響は現在首席は欠員)に京響首席の小谷口直子さんが来られていた。
それから、昨年7月27日に定期演奏会で演奏されたマーラーの交響曲第3番のライブ録音が2月5日(水)の一般発売に先がけて先行発売されていた。300円引きの会員価格でゲットしました
聴くのが楽しみ![]()
小泉和裕&九州交響楽団、アルト:清水華澄 「マーラー交響曲第3番」 (株)フォンテック
2枚組 (定価:3,500円+税)




