ちょっと待って。その鉄サプリ、本当に必要ですか? | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

先日、患者さんが診察室にサプリメントを持って来られました。

「これを飲んでいるんです」

見せてもらったのが「vor(ヴォア)天然鉄」という鉄のサプリメント。

どうやら結構人気がある商品のようです。

私は鉄の補充そのものを否定しているわけではありません。

むしろ診療では、鉄不足の患者さんには鉄を補充します。

ただし私たちが使っているのは主に「ヘム鉄」

そして当然ですが、血液検査をして、その人に本当に鉄が必要なのかを確認しながら使います。

ところが、この商品について調べてみて、医師としてちょっと気になることがありました。

今日はそのことを書きたいと思います。
 

 

 

「天然鉄」という言葉に安心していませんか?

 

この商品の主原料は、阿蘇カルデラの湧水に含まれる「リモナイト」。

リモナイトとは褐鉄鉱と呼ばれる鉄を含んだ鉱物です。

公式サイトでは、この商品に含まれる鉄を「天然の水酸化鉄」と説明し、1粒に含まれる鉄のうち約35%が二価鉄(Fe²⁺)だとしています。

「天然」
「阿蘇の大自然」
「天然ミネラル」

こんな言葉が並ぶと、なんとなく体に優しくて安全そうに感じますよね。

でも、

天然=安全

ではありません。

鉄は鉄です。

体に必要不可欠なミネラルであると同時に、必要以上に摂れば問題になる可能性のあるミネラルでもあります。
 

 

 

「ヘム鉄でもノンヘム鉄でもない」?

 

公式サイトには、この鉄について、

動物性のヘム鉄でも植物性のノンヘム鉄でもない「天然の水酸化鉄」

という趣旨の説明があります。

ここは一般の人には少し誤解を招きやすいところだと思います。

栄養学的に鉄は大きく、

・ヘム鉄
・非ヘム鉄

として考えます。

ヘム鉄は、鉄がポルフィリン環の中に入った「ヘム」という構造を持っています。

肉や魚など動物性食品に含まれ、比較的吸収されやすく、食事の影響を受けにくいのが特徴です。

一方、ヘム構造を持たない鉄は基本的に非ヘム鉄として扱われます。

水酸化鉄だから「ヘムでも非ヘムでもない第3の鉄」というわけではありません。

非ヘム鉄は腸管で主に二価鉄(Fe²⁺)の形になってDMT1という輸送体から吸収されます。

 

三価鉄(Fe³⁺)であっても、二価鉄に還元されてから吸収されます。

一方、ヘム鉄はこれとは異なる経路で取り込まれるため、一般に非ヘム鉄より利用されやすいことが知られています。

 

NIHも、ヘム鉄は非ヘム鉄より生体利用率が高いと説明しています。
 

 

 

「二価鉄だから特別」というわけでもありません

 

商品説明では二価鉄であることが強調されています。

確かに、非ヘム鉄が腸から吸収される際にはFe²⁺の形が重要です。

ですが、

「二価鉄だから体内ですぐヘモグロビンになる」

というほど単純ではありません。

食べた鉄がそのまま赤血球のヘモグロビンになるわけではありません。

腸管から吸収され、血液中ではトランスフェリンに結合して運ばれ、
骨髄で赤血球産生に利用される。

そしてその一連の過程は、ヘプシジンなどによって厳密に調節されています。

 

 

私が一番気になったのはここ

 

公式ページには、

「体に必要な分だけ吸収され、不要な分は便として排出される」

という趣旨の説明があります。

さらに商品の飲み方の説明には、

「多めに飲まれても問題はございません」

との記載があります。

私はここには注意が必要だと思います。

確かに、鉄の吸収量は体内の鉄の状態によって調節されています。

鉄が十分にあるとヘプシジンが上昇し、腸からの鉄吸収を抑える方向に働きます。

でも、だから、「鉄はいくら摂っても大丈夫」にはなりません。

人間の体には鉄を積極的に大量排泄する仕組みがほとんどありません。

NIHも、過剰な鉄摂取は有害になり得ると明記しています。

 

高用量の鉄サプリでは、胃腸障害、便秘、吐き気、腹痛、嘔吐、下痢などが生じることがあります。

 

成人の鉄の耐容上限量は1日45mgとされています。

もちろん、鉄欠乏性貧血の治療では医師の管理下でこれを超える量を使用することがあります。

問題は、

「検査もせず」
「鉄不足かどうかも分からず」
「天然だから大丈夫と思って」
「自己判断で長期間飲み続けること」

なのです。

 

 

実際、こんなレビューまでありました

 

さらに公式サイトのレビューを読んで驚きました。

この商品を親子で摂取したところ、

「フェリチン値が爆上げ」

したという趣旨の投稿があります。

もちろんこれは個人の体験談です。

このレビューだけで、このサプリメントに問題があるとは言えません。

でも逆に考えてください。

フェリチンが大きく上昇するほど鉄が体内に取り込まれる可能性があるのであれば、

「余ったものは出ていくから、たくさん飲んでも大丈夫」

と思って飲み続けていいのでしょうか?

私はそこに疑問を感じます。
 

 

 

フェリチンは「高ければ高いほどいい」わけではありません

 

最近、

「フェリチンを上げましょう」

という情報をSNSなどで見かけることがあります。

確かに鉄欠乏ではフェリチンが低下します。

でもフェリチンは高ければ高いほど健康になる数字ではありません。

しかもフェリチンは鉄貯蔵の指標であると同時に、炎症などでも上昇するため、フェリチンだけを見て鉄の状態を判断することもできません。

私は鉄を補充する場合、

ヘモグロビン
MCV
MCH
血清鉄
フェリチン
TIBC・UIBC
トランスフェリン飽和度(TSAT)

などを合わせて見ています。

つまり、

「疲れる」
「朝起きられない」
「イライラする」

というだけで、

「きっと鉄不足だ」

と決めつけて鉄を飲むべきではないのです。

疲労感の原因は鉄不足以外にもたくさんあります。

 

 

鉄不足は治す。でも鉄は「とりあえず飲むサプリ」ではない

 

誤解してほしくないのですが、鉄不足を放置していいと言っているわけではありません。

鉄は非常に重要です。

鉄欠乏があれば、きちんと補うべきです。

特に月経のある女性では鉄不足は珍しくありません。

だからこそ、

まず自分が本当に鉄不足なのかを調べてほしい。

そして必要なら、適切な種類と量の鉄を補ってほしいのです。

「天然だから安心」
「ミネラルだから安全」
「余った分は全部排泄される」
「たくさん飲んでも大丈夫」

こういった言葉だけで判断してほしくありません。
 

 

 

サプリメントも「何を飲むか」より「なぜ飲むか」

 

私は患者さんにいつも言っています。

サプリメントは薬とは違いますが、

体に作用するものだから飲むわけです。

作用があるものなら、

当然、

誰にでも必要とは限りません。

鉄も同じです。

必要な人には、とても大切。

でも必要のない人が漫然と摂り続けるものではありません。

 

鉄サプリを飲んでいる方。

一度、

「私は本当に鉄が不足しているの?」

と立ち止まって考えてみてください。


 

できれば血液検査で確認してください。

サプリメントは、

「人気だから」
「天然だから」
「みんなが飲んでいるから」

ではなく、

自分の体に本当に必要かどうかで選びましょう。

それが一番大切だと私は思います。

 

こちらの記事も是非お読み頂きたい↓

 

 

 

 

 

患者さんにも何度も説明していますが、鉄が過剰になるとフェントン反応が起こり悪玉の活性酸素ができます。

 

これが癌の原因になるので、鉄過剰は発癌だと言われているゆえんなのです。

 

鉄の取りすぎに注意してくださいね。

 

栄養療法でも鉄の扱いには注意を払っています。

 

だから私たちが処方するマルチビタミン&ミネラルには鉄が入っていないのです。

 

鉄は不足している人が補うべきものであって、足りている人が摂り過ぎても大丈夫なものではありません。

 

とても微妙な調節が必要なものであることを覚えておいて下さい。

 

 

クリックお願いしますお願い

にほんブログ村 病気ブログ 痔(ぢ)へ
にほんブログ村

 


痔ランキング
 

患者さんのリクエストで復活させた

化粧品と発酵素するりの記事は

コチラ下差し

 

便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術

 

2020年12月25日に出版し、おかげさまで11刷目となり累計発行部数が約4万部のベストセラーになりましたキラキラ

 

オシリを洗っている全ての人に届けたい。

 

お読み頂けると幸いです。

 

お尻の悩み解決セルフケア方法

 

そして2冊目も出版しました↓

 

手に取って頂けると幸いですキラキラ

 

便秘の8割は腸活で解決しない

 

 

公式LINEでも情報発信中

 


LINE QRコードで友達追加

敏感肌の私でも

かぶれずに使えて

なおかつ

美容効果を実感できるキラキラ

自分のために作った

オリジナルコスメはコチラ↓

 

 

ドクターズコスメならではの技術がぎっしり詰まってますキラキラ