溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
数年分のアンケートを書き終え、やっと今年に入ってから受診された患者さんのアンケートになります。
今日ご紹介する患者さんは40代女性。
肛門のかゆみに悩み遠方から受診されました。
この患者さんはウォシュレットは使っていませんでしたが、お風呂のシャワーで肛門を洗っておられました。
手段は違えど洗い過ぎると温水便座症候群と同じことが起こります。
皮膚は洗い過ぎでボロボロになり、色素脱失を伴って炎症で浮腫状に盛り上がっていました。
掻き傷もあります。
こうなると痒みだけでなく痛みも出て来ます。
まさしく「痛がゆい」という状態ですね。
皮膚がボロボロになると、ちょっとしたことで痛くなります。
これくらいで切れてしまうなんて、皮膚がそれだけ弱くなっているんだなと思いました。
皮膚が炎症で硬くなり、つっぱって伸びにくい肛門になるとオナラが出るだけで皮膚が裂けてしまうこともあります。
昼間はムズムズとかゆく、入浴後は強烈な痒みで市販の塗り薬などを色々と塗っていましたが、気休め程度で全く良くなりませんでした。
と書かれているように、入浴後から夜間にかけて痒みが強くなることが多いです。
掻きむしってしまうと掻き傷とともに湿疹病変が形成され、そうなると湿疹そのものがかゆくなります。
この湿疹はアトピーとか蕁麻疹のように体の内側から吹き出して出てきた湿疹ではなく、自分で掻いたりこすったり洗い過ぎたりして人工的に作り上げた湿疹。
最初は便の刺激でかゆかっただけだったのに、湿疹ができると「湿疹そのものがかゆい」。
こうなったら便を出し切るだけでは治りません。
湿疹の治療が必要となります。
湿疹の治療にはステロイド外用剤を使います。
ステロイドというと副作用を気にする人がいるのですが、正しく使えば副作用は出ません。
皆さん、間違った使い方をして副作用に苦しんでるんです。
ちょこちょこ塗ってダラダラ続けるとダメ。
かゆいときだけ塗って、かゆみが無くなったらやめる。
それをちょこちょこダラダラ繰り返す。
そうすると最初は2〜3日で治っていたものが1週間塗らないと治らなくなり、塗ってない期間がどんどん短くなっていきます。
そのうち塗っている間は痒みがなくて調子いいけど、塗るのをやめると途端にかゆい、だから毎日塗っておこう・・・となっていく。
気付けば毎日塗っている状態に・・・。
アトピーの人なら一度や二度は経験あると思います。
ステロイドは急にやめるとリバウンドが起こるので、やめる時は皮膚を慣らしながらフェイドアウトするように徐々にやめていく。
そうすればリバウンドは起こりません。
クセにもなりません。
長期間ずっと塗ることにもなりません。
肛門そう痒症に対するステロイド外用剤漸減療法については原著論文として記しました。
この患者さんはステロイドを塗って2週間後に受診してもらったのですが、皮疹はキレイになっていたのでステロイドをやめてSザルベに切り替えです。
そして次の診察は1か月後。
ここでかゆみもなく皮疹も無ければ完治終了となります。
この患者さんは完治終了となりました。
もちろん痒みの原因は便なので出残り便秘の治療は必須となります。
出始めの便が硬いことや、スッキリと便が出たのにシャワーで洗っていると便が出て来たことがあった
と書かれていますが、これはまさしく便が残っている証拠![]()
この便通を治さなければ、いくらステロイドで湿疹を治療しても、またかゆみはぶり返します。
だから治療が終わったあともずっと排便管理は続けて下さいね![]()
ウンコが肛門に挟まってるとまたかゆくなりますよ。
肛門は便の通り道。
便が通過していく所であって便をためておく場所ではありません。
いつも空っぽ。
そこに便はないんです。
そんなところに便を溜めたから肛門にトラブルが起こった。
肛門のトラブルの背景には必ずと言っていいほど出口の便秘があるので、排便管理はとても大切。
しっかり排便管理をやって来年のオシリ健診に是非いらしてくださいね![]()
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