今日も診療所の問い合わせフォームに舞い込んだ相談メールにコメントしたいと思います。
診療所の患者さんではありません。
受診したことのない知らない方からの相談です。
肛門の写真を添付して相談してこられたのですが、写真では正確な診断が出来ません。
肛門の中を見ることが出来ないため不確実要素が残ります。
あくまでも一意見として捉えてくださいね。
メールを頂いたのが4月10日。
コロナ禍真っ只中。
コロナ対応でてんやわんやしている最中で、診療所の患者さんへの対応だけで手一杯で、患者ではない人への対応をしている余裕は全くありませんでした。
もう既にどこかの医療機関で治療されているでしょうか・・・。
本当に相談されたいのであれば受診をお願いします。
(相談者は東京の方ですが、東京からも大勢来られています。)
また東京には私たちが勉強させて頂いた肛門専門施設があります。
いつもそちらを紹介させて頂いております。
相談内容は・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
はじめまして。
ご相談させていただきます。
便秘と下痢と痔についてです。
まず便秘と下痢についてお話しさせて頂きます。
私は昔から便秘に悩まされていました。
ですが、全く下痢になるということは無く、お腹は強かったです。
ですが、出産をしてから体質やストレスのせいなのか便秘が酷くなり、3、4日は出ないです。
そして出たと思ったら、酷い下痢になり何度もトイレに駆け込まないといけない感じでとても辛いです。
そして次に痔についてお話しさせて頂きます。
痔は出産する前から小さく出来ていたのですが、2018年と2019年に出産をしてから余計に大きくなり悪化してしまいました。
排便時にボッコリと出てきて指で押し込むと中に戻ります。
変な透明な液体もつきますし、痒みが凄くあり、掻いてしまい出血して痛いです。
不安になり2月に○○市民病院の外科に診察しに行ったのですが、痔が見当たらないと言われました。
ヘモポリゾン軟膏、ヘモクロンカプセル200mg、マグミット錠250mgを処方していただいて投与しているのですが、痔に関してはなにもよくなりません。
逆に前よりも痔の痒みが増したようにも思えます。
痔ではないのでしょうか?
それとも病院を変えた方がいいのでしょうか?
写真を撮ってみたの見ていただきたいのですが、返信メールをいただき、そのアドレス宛に写真を添付いたします。
お忙しいと思いますがよろしくお願いします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(私が気になった部分を太字・大文字にしました。また病院名を書いておられましたがブログでは〇〇という形で伏せてあります。)
写真を見ると立派な脱肛でした・・・。
ほぼ全周性で内痔核部分が外側に脱出している状態でした。
それなのに何故、〇〇市民病院外科では「痔が見当たらない」と言われたのでしょうか![]()
考えられることは3つあります。
- 診察を受けたときは脱肛していなかった
- 肛門鏡診察を受けていない
- 外科の先生なので肛門は専門外で知識や経験が無かった
関東地方の方に紹介するのは以下の施設。
東京山手メディカル 大腸肛門病センター(東京、新大久保)
牧田病院 佐原力三郎先生(東京)
松島病院(神奈川)
所沢肛門病院(埼玉)
亀田総合病院(千葉)
辻仲病院(千葉)
以上の施設以外にも肛門を専門にしている先生はたくさんおられます。
上記の施設で研修や勤務を経験されてから開業されている先生も多いです。
開業医の先生にかかる際は肛門専門施設での研修・勤務経験のある先生を探してみて下さい。(見学ではなく勤務実態のあることが大切)
痔でないものを痔と診断したり、必要のない手術をされることはないと思います。
次にこの相談者の便通についてです。
「3〜4日出ない、出たと思ったらひどい下痢で何度もトイレに駆け込む」ということですが、糞詰まり(便栓塞といいます)になっている可能性があります。
出口には3〜4日分の便が大量に溜まっていた可能性が高いです。
出始めの便ほど古いので、4日前の便だと、かなり固まっていたはず。
出始め硬い便が出て、その「詰まり」「栓」が取れたら、奥の便がドドーッと押し寄せて出てくるという現象です。
「3,4日便が出ない」のではなく「3〜4日分の便が溜まらないと便意が来ない肛門」になってしまっているのでしょう。
そうして肛門にたくさん便を溜めこんで生きてきた結果が、今ある痔なのです。
その便通を治さずに薬だけ使っても痔は治りません。
マグミットは「便を出す」薬ではなく「やわらかい便を作る」薬です。
これを飲んだからと言って便が出るわけではないのですが、便がやわらかくなると「出しやすい」と感じる人もいるでしょう。
ただマグミットの便は「ねちょっとしたやわらかい便」なので、かえって肛門に残りやすく、痔が悪化してしまう人も少なくありません。
またどんな下剤も飲み薬も「お腹(腸)」に効きます。
「出口(肛門)」には効きません。
下剤で便が出ていても、スッキリ出ずに中に残っていると肛門にトラブルを引き起こしやすいです。
肛門の痒みもあるようですが、かゆみの原因は便である可能性が高いです。
「痔のせいでかゆい」と思っている人が多いのですが、どんなに立派な脱肛があっても、スッキリ便を出し切れば痒みは消失することが多いです。
また外科で処方された痔疾薬を使用して「逆に前よりも痒みが増した」という場合、その薬でかぶれた、合わない可能性もあります。
肛門の中に注入する軟膏なのに、外側に塗ってかゆくなったというケースも多いです。
使い方も大切ですね。
脱肛という診断も、かゆみの原因の特定も、メール相談と写真では難しいです。
そして指診(直腸診、内診)をしないと排便の状態も確認出来ませんし、肛門鏡で肛門の中を見ないと脱肛の状態や程度も分かりません。
どのような痔であれ、痔になった背景には必ずと言っていいほど、肛門に負担となっている排便習慣が存在します![]()
痒みも排便と関係していることが多いです![]()
肛門のかゆみ 〜肛門そう痒症、痔のかゆみ、肛門の皮膚病について〜
だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を治すこと。
そう考えて当院では最初から手術ではなく、まずは便通を治すことから始めてもらいます。
治療の第一歩は正しい排泄からなのです。
2週間ほどで痔が改善する方が多いため、ひどい脱肛であっても初診時に手術の話をすることはまずありません。
多くの患者さんが手術せずに痔とうまく付き合っておられます。
中には20年近く立派な脱肛を手術せずに、もたせている患者さんもおられます。
ご本人が何も困ってない、不便を感じていないのであれば、どんなに痔がひどくても手術する必要はないと思うのです。
何よりも一番大切なのは患者さんの気持ちです。
どうしたいのか![]()
手術したいのか、したくないのか。
その希望を必ず聞きます。
そしてその希望に出来るだけそえるよう治療方針を立てます。
手術は焦らなくても、今決めなくても、今日受けなくても、いつでも受けられます。
受けたいと思ったときが手術のタイミング。
そういう気持ちになるのを待って、患者さんが希望された手術のみ、当院では行っています。
相談者さんは立派な脱肛なので、きっと手術適応だと言われるでしょう。
後悔のない選択をされることを祈ります。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした![]()
治療の参考になれば幸いです。
1日1花![]()
今日の花は
診療所のセラピードッグ「ラブ」![]()
左端がラブです![]()
毛は薄いですが元気です![]()
体もとっても健康です![]()
犬のようちえんが
やっと再開しました![]()
クリックお願いします![]()
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ![]()


