山田太一原作のテレビドラマ「岸辺のアルバム」は、中流階級の家族の崩壊を描いたもので、家族それぞれが隠している悩みや秘密が家族の絆を徐々に蝕んでいき、最後には水害で家が流され、マイホームが崩れ去っていくというショッキングなストーリーだった。
家が流される直前に持ち出したものは、皮肉にも「家族のアルバム」だけだった。
オープニングだったかエンディングだったかの映像は、多摩川の堤防が決壊し家が流されていく実際の衝撃的な映像が家族崩壊の象徴のように使用されていた。
そんな映像をバックに流れていた曲は、ジャニス・イアンの「Will You Dance?」で、その絶望的な災害の映像とはアン・マッチな、優しく物憂げな声とピアノの音色が逆に印象的だった。
彼女の歌は、『Between the Lines』というアルバムで既に知っていた。
これがデヴュー・アルバムかと勝手に思っていたが、実は、15歳でデヴューしていて、このアルバムは8枚目くらいらしい。
このアルバムは、その後のポップな楽曲を含むアルバムと違って、アルバム全体を通してしっとりした曲調で淡々とした統一感があって、好きな作品である。
アルバムのタイトル曲「Between the Lines」やヒットした「At Seventeen」、「In The Winter」、「Water Colors」、「Light A Light」「Tea & Sympathy」、「Lover’s Lullaby」など、名曲が揃っている。
このアルバムには入っていないが、ロバータ・フラックを始め、色々なシンガーがカヴァーしている「ジェシー」という曲も同じような路線のしっとりした名曲である。
持っている他のアルバムは、「Will You Dance?」や後にヒットする「Love is Blind」などを含んでいるが、ポップな曲も歌っていて、彼女の印象が少し変わった。



