ミュージシャンやバンドを知るきっかけや好きになるタイミングは、自分の中でも実にさまざまである。
このリトル・フィートの『ディキシー・チキン』を初めて聞いたときがいつだったかは覚えていないが、そのときは特に響くものがなかった。
その後、しばらく経った数年前、あるミュージシャン(おそらく日本人)のライヴを見に行ったときに、開演前の会場に流されていたBGMに突然びびっときたのである。
ドームだったかアリーナであったか、広々とした空間に鳴り響くボトルネックギターの独特な音色、ファンキーなキーボード、渋くて伸びのあるボーカル、全体的にアメリカ南部的なサウンドが私の心をとらえた。
「誰だろう?」
「なんかいいなあ、これ」
「ひょっとして・・」と、これまでまったく気にしてこなかったのに、ふと浮かんだのが「リトル・フィートかも?」だった。
「ディキシー・チキン」であれば、その特徴からすぐにわかったであろうが、残念ながらそれ以外の曲が流されていたので確信が持てなかった。
気になって、帰宅後すぐにいろいろ調べてみたところ、想像どおりというかおそらく「リトル・フィート」であろうことを確認した。
改めて、『ディキシー・チキン』を聴いてみると、冒頭のタイトル曲などは、ビル・ペインの跳ねるようなファンキーなピアノのイントロが特徴的で、ローウェル・ジョージのスライドギターとヴォーカルも実にいい味を出している。
ゆったりとして渋みがあって、自分の好みのスタイルではないか。
初めて聞いた時になぜ好きにならなかったのか、今となっては不思議でならない。

