
懐旧メシ「美安土のじゅうじゅう焼き」
食いたくなると朝から居ても立ってもいられない.
これは私にとって青春の懐旧メシなのです,よほほい.
美安土のじゅうじゅう焼きセットです,いかがでしょうか.
美安土「びあんど」と読みます.
かつて1980年頃,都内某私鉄沿線にあった焼肉店です.
焼肉いうても,お好み焼きもありの盛大にボロっちいお店でした.
大学生時代,体育会系男子だった私がアレです.
部活帰りにはらぺこで駆け込んだのを今でも思い出す.
金がないので焼肉は食わずにもっぱらアレでした.
じゅうじゅう焼きセットばかりを目当てに訪れておりました.
とはいえ,当時として450円は高額商品,週1通うのが限度でした.
肉もこんなに入っていなかったのよね.
モヤシと野菜ばかりがどっさりで,肉は切れっぱし程度.
それでも欠食男子が大盛り飯をかき込むには御馳走でした.
美安土オリジナルは卵が1個だったのですが,おほほい.
今は当時より少しはお金があるので2個に奮発しました(笑)
焼肉のタレをじょわわーとかけ回せば完成です.
本来は鉄板皿ですが,すき焼き鍋としたのも奮発の一つです.
これはこぎったねえ店内で食べるのが雰囲気です.
出来ればテーブルもべっとべとに油ギッシュなのが望ましい.
なぜか丼メシには必ずや白ゴマがふりかけてあった.
店主オヤジさんの機嫌がいいとそれに福神漬けが添えられた.
若かりし頃は酒というよりもアレでしたね.
ひたすら丼メシをおかわりするのに没頭してたのよね.
汁物は具なしの味噌汁か中華スープ.
店主はいきあたりばったりの安直なオヤジだったのです.
さて,じゅうじゅう焼きですが,よろしいか.
当初よりいきなり卵黄を割礼するのはご遠慮ください.
まずはこうして,肉野菜で卵を包埋して.
地中深くにしばらく安置していただく必要があります.
なんとなれば,余熱で半熟に変性したのを,こうして.
こうして発掘して賞翫するのが無上の悦びとなるからです.
これは半世紀近くも踏襲する一連の作法なのです.
こういうのをゆるがせに出来ない部分が私にはあるのです.
ざっくざくといくらでも野菜が食えちゃうのです.
スーパーで売ってる1袋分くらいじゃ足りません,足りません.
美安土の店主,その後お店を突然に閉めたのですが.
競馬の借金で夜逃げしたんだと部活の先輩に聞きました.
じゅうじゅう焼きに滲む半熟卵の叙景にアレです.
私は憂悶と憧憬の青春時代を託すのです,なんのこっちゃ.
戸越銀座にじゅうじゅう焼きのお店がありますが.
美安土のとは一線を画す上等な風味となっちょります.
あの油まみれの店内で食べないとあの雑駁な味は出ない.
こちらも青春時代の懐古酒です.
美安土の近くにあった「フレンズ」の思ひ出です.
あの頃は本当によく呑んでよく食べた,懐かしいなあ.



















