わたしは昔から、
人がどうやってその人になったのかを知るのが好きです。

どんな仕事をしているのか。
どんな実績があるのか。
そういうことにも興味はあります。
でも、
それ以上に気になることがあります。
その人は、
何を経験してきたのだろう。
何に迷ったのだろう。
何を選び、
何を諦め、
何を大切にしてきたのだろう。
何が、その人をそのひとたらしめてきたのだろう。
わたしは勝手に、
それを「秘伝のタレ」と呼んでいます。
同じ出来事を経験しても、
人によって受け取り方は違います。
同じ言葉でも、
同じ意味で捉えていないこともあれば
言葉そのものに対する印象も違います。
同じ家庭で育っても、
兄弟姉妹で価値観が違うこともあります。
同じ失敗をしても、
そこから何を学ぶかは人それぞれです。
その人だけの経験。
その人だけの解釈。
その人だけの選択。
そうしたものが少しずつ混ざり合って、
今のその人ができている。
わたしはその成分や過程に興味があります。
だから昔から、
友人や恋人の半生を聞くのが好きでした。
どうしてその仕事を選んだの?
どうしてそう考えるようになったの?
ものすごく、気になる。
成功している人を見たいというより、
どうやってそこに辿り着いたのかを知りたい。
その人だけの秘伝のタレを見たい。
そんな感覚です。
面白いことに、
自分自身にも同じことを思います。
今のわたしは、
どこから来たんだろう。
何が今の価値観を作ったんだろう。
何を繰り返しているんだろう。
そうやって振り返っていると、
時々、
ふと見えてくるものがあります。
「ああ、だからわたしはこうだったのか」
その瞬間が好きです。
もしかしたら、
人生を振り返るというのは、
新しい自分を見つけることではなく、
自分の秘伝のタレを知ることなのかもしれません。
だからわたしは、
人の話を聞くことが好きです。
そして、
自分の話を振り返ることも好きです。
結局ずっと、
人はどうやってその人になるのだろう、
ということを考えています。
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