こんにちは。
イケメンです。
世の中には、0か100か。
白か黒か。
そんなふうに、物事を両極端に考える方がいます。
もちろん、はっきりした基準を持つことは大切です。
何を選ぶのか。
何を選ばないのか。
そこに軸がなければ、人は簡単に流されてしまいます。
ただ、人生には真ん中の50もあります。
白でも黒でもない、中間色のグレーがあってもいい。
むしろ、グレーを許すこと。
曖昧さを受け入れること。
そこに、人のやさしさや深みが出るのではないかと思うのです。
以前、農薬が危険だと強く話す方に出会ったことがあります。
その方が言うには、自然栽培が一番。
有機栽培だって、一部の農薬を使うことがある。
だから、本当は自然栽培でなければいけない。
とても熱心に話されていました。
もちろん、自然栽培には素晴らしい価値があります。
農薬や肥料に頼らず、土や作物の力を引き出す農業には、すごい技術と根気が必要です。
情熱弁当でも、自然栽培や有機栽培、無農薬無化学肥料の野菜を大切にしています。
でも、少し気になったことがありました。
その方自身は、農業をしたことがないそうです。
日焼けが嫌だから、畑には出たくないとのこと。
それはそれで自由です。笑
ただ、自分では作らない。
でも、農薬は危険だと強く言う。
自然栽培でなければダメだと言い切る。
ここに、少し危うさを感じるのです。
さらに、その方はこう言っていました。
「どうしても自然栽培の野菜が手に入らない時は、ホタテパウダーを溶かした水で野菜を洗っているのよ」と。
いわゆる、ホタテ貝殻焼成カルシウムのようなものですね。
水に溶かすと強いアルカリ性になります。
トマトを洗ったら色が落ちた。
油のようなものが浮いてきた。
だから、これは危険な農薬に違いない。
そういう話でした。
でも、ここも少し立ち止まって考えたいところです。
浮いてきたものを見ただけで、それが農薬だと断定できるのでしょうか。
色が落ちたからといって、それがすべて危険なものなのでしょうか。
農薬は怖いと言いながら、強いアルカリ性の水溶液を素手で扱うことには、なぜあまり疑問を持たないのでしょうか。
大切なのは、怖がることではありません。
ちゃんと知ることです。
農薬という言葉だけで、すべてを悪者にする。
自然という言葉だけで、すべてを正しいものにする。
そうやって白黒をつけてしまうと、かえって物事が見えにくくなります。
情熱弁当は、無農薬無化学肥料の野菜を使っています。
端境期など、どうしても難しい時でも、基本的には特別栽培までを基準にしています。
これは、情熱弁当としての大切な軸です。
薬品に頼らない農業は、その分、別の技術が必要です。
手間もかかりますし、収量が少ないこともあります。
それでも、生産者さんたちは、それぞれの信念と技術で野菜を作っています。
情熱弁当は、そういう生産者さんたちのおかげで成り立っています。
本当にありがたいことです。
だからこそ、農業を簡単に語りたくありません。
自然栽培だから偉い。
有機栽培だから正しい。
慣行栽培だから悪い。
そんな単純な話ではないと思うのです。
慣行栽培の農家さんにも、事情があります。
安定して収穫する必要があります。
市場に出荷する規格もあります。
家族を養い、地域の食を支える責任もあります。
規定の農薬を、決められた方法で使う。
収穫までの日数を守る。
そうやって安全性を確保しながら、野菜を作っている農家さんもたくさんいます。
どの農法を選ぶかは、作り手の自由です。
そして、どの野菜を買うかは、買い手の自由です。
嫌なら、他の生産者さんから買えばいい。
自分の考えに合う野菜を選べばいい。
でも、だからといって、自分と違う農法を選んでいる人を、簡単に見下したり、悪者にしたりする必要はないと思うのです。
なんなら、一度自分で野菜を作ってみるといい。
土を耕す。
草を取る。
虫と向き合う。
天候に振り回される。
思ったように育たない。
そういう経験をすると、農家さんへの見方はかなり変わります。
買った方が安い。早い。きれい。
そう感じることも、きっとあるはずです。
食の世界では、どうしても白黒つけたくなる場面があります。
無添加か、添加物入りか。
自然栽培か、慣行栽培か。
手作りか、加工品か。
安全か、危険か。
でも、現実の暮らしは、そんなに単純ではありません。
毎日完璧な食事を作れる人ばかりではありません。
すべての食材を、自然栽培でそろえられる人ばかりでもありません。
価格や距離や時間の問題もあります。
だからこそ、グレーを受け入れることが大切なのだと思います。
情熱弁当には、情熱弁当の基準があります。
そこは簡単には曲げません。
でも、その基準を使って、人を裁くことはしたくありません。
正しさを振りかざすと、人は離れていきます。
不安をあおれば、一時的には注目されるかもしれません。
でも、それは食べる人を賢くすることにはつながりません。
白黒つけるよりも、まず知ること。
怖がるよりも、学ぶこと。
否定するよりも、選ぶこと。
自分の軸は持つ。
でも、他人の選択まで裁かない。
グレーを受け入れてこそ、人はやさしくなれる。
情熱弁当も、そんな考え方を大切にしていきたいと思っています。
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