
マクロ経済学の視点では、通貨供給量が物価と雇用に影響を持つ最大因子であることが“常識”であるとして説明されている。この本が出版されたのは民主党政権の末期。2012年10月初版。
【「雇用」に責任を負わない日銀】
日本銀行には「物価の安定」だけが課せられており、雇用を増やすといった義務はない。このほか、日銀法のどの条文を読んでも、「雇用」については一切触れられていないのだ。
しかし世界では、「雇用」について中央銀行が責任を負うのはむしろ一般的である。日本銀行は、「雇用」についてまったくなんの責任もない、世界でも珍しい中央銀行なのだ。(p.20)
だから意図的に、貨幣供給量を絞って円高にし、日本企業を倒産ないし海外移転させて、日本国内の雇用を失わせていたとしても、何の責任も負わなくて済む。それはまさに予定通りだったのだろう。しかし世界では、「雇用」について中央銀行が責任を負うのはむしろ一般的である。日本銀行は、「雇用」についてまったくなんの責任もない、世界でも珍しい中央銀行なのだ。(p.20)
【日本は世界で最悪のデフレ国】
では、世界を見てみよう。物価が下がっている国、つまりデフレの国は、いったいどれくらいあるのだろうか。データを見て確認してみよう。 ・・・(中略)・・・ 「世界経済のネタ帳」 というサイトが便利だ。 ・・・(中略)・・・ 。2011年、日本のインフレ率はマイナス0.28%であった。これは世界ランキング何位だと思われるだろうか。
驚くなかれ。その答えはなんと、183カ国中183位。最下位である。(p.28-29)
さらに ・・・(中略)・・・ 世界でただ1カ国、日本だけが世界同時不況以降、3年間ずっとデフレを続けているのである。(p.31)
ここまでの記述を読んでも、それほど驚きを感じないかもしれない。しかし、リーマン・ショックを引き起こした当事国や、その激震に見舞われた先進諸国でさえ、一様に3~4%の成長を続けていたという事実を知れば、少しは目が覚めるかもしれない。
驚くなかれ。その答えはなんと、183カ国中183位。最下位である。(p.28-29)
さらに ・・・(中略)・・・ 世界でただ1カ国、日本だけが世界同時不況以降、3年間ずっとデフレを続けているのである。(p.31)
仮に、91年以降G7ほかの先進国と同じ経済成長を遂げていたら、2011年度の名目GDPは1120兆円程度になっていたはずである(実際は468兆円)。
そうなると、日本の名目GDPは中国の2倍近い数字であり、まだしばらくは世界第2位の経済大国でいられたはずだ。(2011年の中国の名目GDPは日本円で約583兆円)。給料も今の2倍以上になっていただろう。
この話は単なる “タラレバ” だが、日本にとって名目4~5%の成長が不可能だったかというと、そうではない。インフレターゲット政策で2~3%程度のマイルドインフレにすれば、名目GDPは4~5%程度成長する。
ただ、日本がそういう政策をとらなかったというだけの話である。(p.48)
“タラレバ” であるにせよ、かなりショッキングな話である。そうなると、日本の名目GDPは中国の2倍近い数字であり、まだしばらくは世界第2位の経済大国でいられたはずだ。(2011年の中国の名目GDPは日本円で約583兆円)。給料も今の2倍以上になっていただろう。
この話は単なる “タラレバ” だが、日本にとって名目4~5%の成長が不可能だったかというと、そうではない。インフレターゲット政策で2~3%程度のマイルドインフレにすれば、名目GDPは4~5%程度成長する。
ただ、日本がそういう政策をとらなかったというだけの話である。(p.48)
【生活保護受給者の国際比較】
このまま順調に推移すると仮定しても、効果が出るまでには2年近くかかるだろう。
戦後の混迷期より生活保護受給の適用基準が厳しいにもかかわらず、いまの日本の受給者数は戦後の混迷期の数字を超えているのだ。(p.66)
であるにもかかわらず、総人口に占める公的扶助を与えられている人の比率は、英:15.9%、仏:2.3%、独:5.2%、米:10%、OECD平均:7.4% に対し、日本は1.4% で最少。
ただし、生活保護者1人当たりの給付金額は先進国の中でも高い。(p.66)
アベノミクスが始まって、現時点で約半年。このまま順調に推移すると仮定しても、効果が出るまでには2年近くかかるだろう。
【円高の本当の理由】
この単純で明快なセンテンスを、チャンとニャンとワンと認識しておこう。
4月19日には1ドル79円75銭の史上最高値をつけた。この現象は、日本企業が海外で稼いだ外貨を円に戻すために円が買われたことや、自動車の日米貿易摩擦、アメリカ側のさまざまな事情によるドルの暴落などが重なったなどと当時解説された。
じつはこれらは本当の原因ではない。為替は、両国マネーの比率でだいたい決まるという、国際金融の基礎理論(マネタリーアプローチ。実務的にはソロス・チャート)で説明できる。はっきり言って、それ以外の説明は後講釈くらいの意味しかない。「外貨で円が買われているから円高」という説明は、同義反復(トートロジー)のようなもので何の意味もない。そういう人がいたら、その理由をさらに聞いてみよう。おそらく答えられないはずだ(日本はそういう経済評論家ばかりだが)。(p.78-79)
「為替は、両国マネーの比率で決まる」じつはこれらは本当の原因ではない。為替は、両国マネーの比率でだいたい決まるという、国際金融の基礎理論(マネタリーアプローチ。実務的にはソロス・チャート)で説明できる。はっきり言って、それ以外の説明は後講釈くらいの意味しかない。「外貨で円が買われているから円高」という説明は、同義反復(トートロジー)のようなもので何の意味もない。そういう人がいたら、その理由をさらに聞いてみよう。おそらく答えられないはずだ(日本はそういう経済評論家ばかりだが)。(p.78-79)
この単純で明快なセンテンスを、チャンとニャンとワンと認識しておこう。
【為替は国力の反映か?】
《参照》 『アメリカは日本経済の復活を知っている』 浜田宏一 (講談社) 《後編》
例えば、速見優・元日銀総裁は自身の著書で「その国の通貨の強いことがその国の国力や発言力に直接、間接に影響を持つ」(『強い円 強い経済』東洋経済新報社)と言っていた。
この言葉を信じれば、「日本が円高であることで、日本の国力や発言力を高めている」ということになる。
とんでもない妄言と言わざるを得ない。いま国民の誰もが実感していると思うが、対外的な日本の発言力は低下し続けている、それは長期不況により国力が低下しているからであり、その最大の要因はデフレと円高である。(p.86-87)
リーマンショック以前は、「為替は国力の反映である」という考え方にむしろ靡きやすかった。しかし、リーマンショック後の各国の桁外れなジャブジャブ供給による通貨間の量的相対差による円高となれば、それはもうまるで国力の問題ではないことが納得できる。
この言葉を信じれば、「日本が円高であることで、日本の国力や発言力を高めている」ということになる。
とんでもない妄言と言わざるを得ない。いま国民の誰もが実感していると思うが、対外的な日本の発言力は低下し続けている、それは長期不況により国力が低下しているからであり、その最大の要因はデフレと円高である。(p.86-87)
実質金利は、通貨供給量(マネーサプライ)と裏表の関係がある。マネーサプライが大きくなればインフレ予想率が上がって金利が下がり、金利差によって自国通貨安になるからだ。したがって、マネーサプライだけでも為替をよく説明できる。(p.89)
さらに、誤解しやすい点として、ちょっと前までは実需取引つまり貿易量を為替変動要因と見ることができたけれど、リーマンショック以降、バランスシートが拡大した現在の世界経済の実体は大きく変わっている。
世界の為替取引額は全世界の総輸出額の125倍の規模である。実需の125倍もの為替取引が動いているわけだ。(p.90)
結論。
つまり、貨幣の価値は両国の通貨供給量(マネーサプライ)のバランスによって決まる。今の日本が円高なのは、通貨の供給量が少なく市場で円が不足しているからにすぎない。ほかに理由はほとんどない。これに尽きる。(p.93)
現在は為替市場が大きくなりすぎていて、為替介入はほぼ無駄である。だからアメリカは2000年以降、まったく介入を実施していない。効果があるのは、各国の通貨供給量に比例してバランスするだけのマネーサプライをきちんと実施することだけである。だのに財務省は、野田政権下でしょぼい介入を何度か行っていた。《参照》 『アメリカは日本経済の復活を知っている』 浜田宏一 (講談社) 《後編》
【金融緩和を拒む財務省利権】
【財務省と日銀の力関係】
財務省が上で日銀は下。日銀の裁量に自由はない。
《参照》 『日本中枢の崩壊』 古賀茂明 (講談社) 《後編》
《参照》 『日本に仕掛けられた最後のバブル』 ベンジャミン・フルフォード (青春出版社) 《前編》
国債を出すのは財務省。それを買うのが日銀。逆ではない。(p.189)
高橋洋一は日銀も財務省も受かっている。で、財務省に「日銀も受かっているんだけど」って言ったら 「ああ、財務省においで。いつでも日銀に出向させてあげるから」。その逆はない。(p.190)
3・11以降、政治家も官僚もほぼ完全にアメリカに完全支配されている。高橋洋一は日銀も財務省も受かっている。で、財務省に「日銀も受かっているんだけど」って言ったら 「ああ、財務省においで。いつでも日銀に出向させてあげるから」。その逆はない。(p.190)
財務省が上で日銀は下。日銀の裁量に自由はない。
《参照》 『日本中枢の崩壊』 古賀茂明 (講談社) 《後編》
【絶滅危惧種】
個人株主によっても、日銀の裁量は制限される。《参照》 『日本に仕掛けられた最後のバブル』 ベンジャミン・フルフォード (青春出版社) 《前編》
【日銀をコントロールする個人株主】
【魔界・財務省】
《参照》 『宇宙人と闇の権力の闘いが始まりました』 田村珠芳 (ヒカルランド) 《前編》
《参照》 『新たなる金融危機に向かう世界』 副島隆彦 (徳間書店) 《後編》
【日本の将来を潰した者達】
財務省が日銀に何もいわない理由は、消費税の増税(税率の引き上げであり、税収を増やすことではない)を何としても達成したいからだ。これこそが財務省の悲願。増税するには財政が悪いほうがいいからである。(p.197)
これはアメリカの指示でもあり、財務省自体の利権拡張という省益に重なる。《参照》 『宇宙人と闇の権力の闘いが始まりました』 田村珠芳 (ヒカルランド) 《前編》
【消費税の行き先】
リーマンショックと政権交代、東日本大震災を経て、現在に至るまでの財務省の振る舞いは実に見事だった。リーマンショックで税収がガタ落ちになっても動揺せず、デフレと円高を放置したまま、国債を大量発行し、反増税の小沢一郎氏を政権の中枢から外した。そして財源確保のために民主党のマニフェストをことごとく潰し、震災を利用して復興増税をはじめとする増税メニューを次々と成立させていった。(p.201)
財務省は景気を回復させる必要などまったく感じていない。増税と国債発行のいずれであっても財務省の権益がジャンジャン増えるからである。それこそが目的なのである。その目的に沿わない邪魔者は容赦なく排除する。《参照》 『新たなる金融危機に向かう世界』 副島隆彦 (徳間書店) 《後編》
【日本の将来を潰した者達】
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