私が考える抗がん剤の三つ目の問題点は、前々回のブログ『化学療法に使われる薬物についての問題点 キャットクリニック 8』に書いたことです。つまり、身体に入った薬物はそのまま、あるいは代謝されて少し形を変えて、尿や便、汗、涎となって体外に排出されます。これは、抗がん剤あるいはその代謝産物が環境にばらまかれているということです。これは環境汚染です。
従って、化学療法の薬物を投与された動物のお世話をする人は、非常に微量ではありますが、これらに曝される危険があります。加えて、その薬剤を取り扱う病院のスタッフも、少なからずその薬物や代謝物に曝される(曝露と言います)可能性があります。
曝露された後、それが原因でがんになるかどうかは不明ですし、調べようもありません。それに、人や動物ががんに罹る原因はひとつではありませんのでより複雑です。でも、がんに罹っていない健常者は、これらの化学療法の薬物に曝露されないに越したことはありません。
人間の医療現場では、
https://jscn.or.jp/kanko/book/gl_book01.pdf
という100ページにも及ぶ詳細なガイドラインが出来たようです。でも、残念ながら、動物病院では未だに抗がん剤の扱いがきちんとしているとは言えないのではないかと思います。もちろん、そうでない病院もある(と思いたいです。)でしょう。
犬猫が抗がん剤を投与された後、入院せずに日帰りするとします。そうすると、その犬や猫が散歩に行って、あるいは自宅のペットシーツなどに糞や尿を排泄します。
例えばシクロフォスファミドは投与された後、しばらくは糞や尿といった排泄物にそのまま排泄されます。ペットシーツについたそれらは、家庭内から出たゴミということで、ゴミ処理場に行くのでしょう。道路脇にした尿は、そのままですね。いずれにしても、投与された動物から排泄された後の抗がん剤の行方には、誰も責任を負いません。あとはどうなるのかは、誰も知らないという状況です。
