渇水のダム湖 1日目
無断転用禁止
毎日、天気予報とにらめっこしながら撮影行きの機会を窺っているのじゃがのう。
しかしなかなかワシが思うような天候になってくれぬのじゃよ。
あれやこれや考えてばかりいると、どこへも行けなくなってしまうわい。
そこで今日は意を決してとにかく外へ出かけてみることにしたのじゃ。
しかしどこへ行ったらよいのじゃ。
雪はないし、ワシの住処あたりでは桜もまだじゃ。
季節に関係なく撮影を楽しめるところはないものかのう。
待てよ・・・。
そう言えば春や夏には行ったことがあるが、今のこの季節には一度も行っていないところがあったわい。
ワシの住処から2~3時間の山あいにあるダム湖へでも行って、冬の様子でも見てくるとしようか。
よ~し。早速出陣じゃ。
幹線道路を外れて坂道を登り、峠を越えるころになると、
何と! ちらちらと雪が!
ワシの近所では今冬一度も降らなかった雪に、ここでこの時期にお目に掛かるとは思ってもみなかったわい。
さらに車を進めると、雪はますます本降りに!
どこかこの辺りに梅か桜でも咲いているところはないかのう。
桜や梅に雪を絡めると面白い写真が出来るかもしれぬのじゃが・・・
辺りをキョロキョロ見回しながら車を進めたのじゃが、それらしきものは一向に見当たらぬ。
そのうちに雪もピタリとやんでしまったわい。
そして・・・
村へ入った途端に梅が!
何じゃい!
今ごろ咲いていてももう手遅れじゃわい。
さて、ダム湖へ着いてみると、
むむむ?
いつもは満々と湛えている湖水が、今日は申し訳程度に残っているだけじゃ。
所によっては湖底がむき出しになっているではないかえ。
近づいてみるとこんな具合じゃ。
以前来た時はこんな具合じゃったのに・・・ (2014年5月撮影)
変われば変わるものじゃのう。
そうじゃ!
いい機会じゃ。思い切って湖底まで降りて行ってみようわい。
湖底を歩くなんぞ、そうそう体験できることではないからのう。
なかなか出会えぬ絶好のチャンスじゃ。
と、恐る恐る湖底に足を踏み入れた。
かなり広い平地になっているが、水没前はどんなところじゃったかのう。
このダムを造るにあたっては、数十軒の集落が水没したと聞いている。
これはワシの勝手な想像じゃが、ここは以前は河川敷の公園で、村民の憩いの場になっていた場所かもしれぬわい。
何か建造物の跡もある。
ここにも。
この辺りは林だったのかのう。
……などと勝手なことを想像しながらヨタヨタと歩いて行った。
ふと振り向くと、遠くの山がやけに霞んでいる。
と思う間もなく、チラチラと雪が舞ってきたのじゃ。
しめしめ、もっと降ってくれ!
と願ったのもつかの間、
ダメじゃ。
すぐ止んでしまったわい。
それどころか陽が差してきたのじゃよ。
ところがそれも束の間……
しばらくすると日が陰ってしまったわい。
曇ったわけではなくもう日没なのじゃ。
まだ午後3時だというのにのう。
というのは、周囲は高い山に囲まれているからのう。
お天道様がお隠れ遊ばすのが早いのじゃよ。
日の出は遅くて日没は早い。
要するに日照時間が短いのじゃのう。
むき出しになった湖底ももう薄暗い。
こうなってしまえば否も応もなくもうおしまいじゃ。
今日は道路沿いから満々と水を湛えた湖を撮影するつもりでいたのに、思いがけなくも渇水のお陰で湖底を歩き回ってしまったわい。
ちょいとばかり面白い体験ではあったがのう。
それではわが‟動くホテル”へチェックインして、体を休めながら一杯ヤルとしようわい
🍶
つづく
無断転用禁止























