7月中旬、長野&新潟上越を旅しました。
メインは11年振りの直江津と初の糸魚川。
北陸新幹線で上越入りの前に、新潟県との県境の町に寄りました。
<旅の行程>
1日目:信濃町→関山→上越妙高
2日目:上越妙高→髙田→直江津
3日目:直江津→糸魚川
4日目:糸魚川
長野駅から信濃鉄道で30分の黒姫駅で下車をして、予約していたレンタサイクルで町を巡ります。
ここ信濃町は野尻湖や黒姫高原などの自然豊かな地で、俳人・小林一茶の生誕地として知られる町。
まずは、駅からすぐの記念館へ向かいます。
◆一茶記念館◆
*入館料¥700
昭和35年(1960)、小林一茶の墓がある高台に開館した記念館です。
設計は東大教授だった太田博太郎。
記念館前からは信濃の山並み一望です。
エントランスを飾る、小林一茶の俳句と四季の風景の装飾。
壁の小窓を覗き込むと、四季それぞれの自然の音色が聞こえてくる仕掛けです。
こういう想像力で没入できる感じが大好き。
子供の頃、絵本や空を見て、空想や妄想の世界に没入する子だった私です。
ここ信濃町は特別豪雪地帯に指定されていて、冬は雪に埋もれ、夏は30℃超えの真夏日も多々ある、四季の変化が大きい土地です。
そんな気候だからこそ、四季それぞれが一層美しいのでしょうね。
小林一茶、本名・弥太郎は宝暦13年(1763)、北国街道の宿場町だった柏原の農家に生まれます。
実の母親を幼い頃に亡くし、継母との仲が悪かった事もあって、15歳で江戸に奉公に出ます。
その10年後、俳諧師として頭角を表します。
一瓢と一茶
一瓢は日暮里の本行寺の住職で、若き頃の一茶の生活を援助していたそうです。
木像は一茶の没後、一茶を偲んで作られたもの。
(展示は模刻)
一茶が愛用した品々が展示されています。
その作風は、自然や草花、小動物への慈愛をユーモアを交えて表現するもので、"一茶調"と呼ばれました。
文化13年(1816)の「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」はその作風がよく出ている代表作。
生涯に残した俳句は2万に及ぶそうです。
詠草「秦平民」
文化9年(1812)に詠んだ「松蔭に 寝てくふ 六十余州かな」は、"全国どこでも松の木陰で寝て食べてくらせていける"、天下泰平の世を称えた作品。
"松の木陰"は徳川="松"平幕府を示しています。
おらが春
一茶が文政2年(1819)に詠んだ俳句を、没後に編纂したもので、代表作として知られます。
有名な「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」も収録されています。
一茶かるた
身近なモノをわかり易く詠った一茶の俳句は、子供の感性の育成に最適ですね。
俳諧寺記
千曲市出身の版画家・森貘郎が描いた一茶。
*読みは"モリバクロウ"
棟方志功に感化されて版画家になったのだとか。
どうりで作風が似ている。
なの花にまぶれてきたり猫の恋
文化10年(1813)に詠まれた俳句をモチーフにした切り絵作品です。
なんとも微笑ましい風景ですね。
数々の温かい俳句を残した一茶ですが、幼少期からの継母との確執、そして、父の遺産を巡った継母や弟との長年に渡る争いが人生に暗い影を落とします。
晩年に故郷に定住するも、妻子を病で失い、家も火事で焼失、失意のままに亡くなるという、辛い生涯を送ったようです…
「故郷や よるも障るも 茨の花」
刺々しい故郷の親族の事を詠ったものです。
記念館を出て、裏手へ向かいます。
俳諧寺(一茶佛堂)
明治43年(1910)、一茶を慕う地元民が建てたお堂です。
天井に著名な俳人らの作品が掲げられています。
一茶像
その傍に佇む小林一茶の銅像。
小林家一族の墓
一茶は文政10年(1828)、65歳で亡くなりました。
記念館を後にして、チャリで5分程、一茶が晩年を過ごした旧宅が保存されています。
小林一茶旧宅
(国指定史跡)
文政10年(1827)の大火により自宅が類焼し、一茶は残されたこの土蔵を住まいとしました。
この時に詠われたのが、「やけ土の ほかりほかりや 蚤騒ぐ」です。
焼けた土の臭いの中、飛び跳ねるノミの様子を詠ったものです。
狭く質素な土蔵住まい…
松尾芭蕉や与謝蕪村と並び称される、江戸時代を代表する俳人だった小林一茶。
その俳人としての栄光とは裏腹に、切ない人生。
だからこそ、温かい眼差しを失わなぬように生きてきたのかもしれませんね。
ついでに、周辺の歴史的建造物たち。
旧中村家(信濃町の野鍛治住宅)
(長野県指定有形民俗文化財)
藤野屋旅館(ふじのや)
(国登録有形文化財)
黒姫駅前に建つ老舗旅館。
ここだけ時代が止まっているかのようです。
明治43年(1910)の築造で、今も現役の旅館。
今回、ここに泊まる事も検討したのですが、旅の行程上、断念しました。
ご当地マンホール
名峰・黒姫山を背景に、「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」のイメージが描かれたデザイン。
牧歌的でほんわかしますね。
雀大好き。
チャリで野尻湖へ向かいます。




















