神宮には別宮というものがあります。

 

正宮の別け宮の意味で、正宮に次ぐお宮。

 

内宮には10宮(6箇所)、外宮には4宮が存在し、外宮の別宮は境内に3宮、残り1宮が境外にあります。

 

内宮と外宮の月読見尊を祀る2つの別宮をまとめて送ります。

 

<旅の行程>

1日目:伊勢

2日目:伊勢→二見→鳥羽

3日目:伊勢→度会→志摩→鳥羽

4日目:伊勢→鈴鹿

 

まずは、外宮の北に伸びる神路通りの先、300m程の地に鎮座する別宮へ。

 

◆月夜見宮◆

 

豊受大神宮(外宮)別宮、月読見宮です。

 

 

駅近くの市街地に社叢が広がっていて、一歩境内に足を踏み入れれば、そこはまるで古代の森。

 

手水舎

 

手水舎の後ろの建物は祓所です。

 

 

樹齢数百年の楠を始め、境内は緑萌える巨木に囲まれています。

 

社殿

<御祭神>

月読見尊

月読見尊荒御魂

 

月読見尊は月を神格化した、夜を司る神様で、太陽神・天照大御神の弟神に当たります。

*読みは"ツキヨミノミコト"

 

太陽神の姉神に対する、月と夜の弟神。

 

「記紀」の記述も殆ど無いこともあって、どこかミステリアスな夜の神様。

 

そんなイメージが私を惹きつけます。

 

 

創建年代は不詳ですが、古くは高河原と呼ばれ、川と農耕との繋がりが深いお宮と考えられています。

 

古来、月の満ち欠けで暦や動植物の生死のサイクルを読んできた人類。

 

食を司る外宮の別宮にふさわしいですね。

 

御敷地(古殿地)

 

正宮同様に式年遷宮が行われます。

 

高河原神社

(御祭神:月読見尊荒御魂)

 

土地開拓の守護神として崇敬を集めるお社。

 

稲荷社

(御祭神:倉稲魂命)

 

枯れた古木に祀られたお稲荷さん。

 

農耕に深い繋がりがある別宮を、陰で支える農耕神といった感じですね。

 

 

外から見ても、ここだけ異空間。

 

続いて、内宮の別宮である月讀宮へ。

 

伊勢市駅から内宮に向かうバスで15分程、五十鈴川にも程近い中村町バス停下車すぐ。

 

◆月讀宮◆

 

皇大神宮(内宮)別宮、月讀宮です。

 

 

まるで異空間へ迷い込んだかのような錯覚…

 

 

美しい自然と木漏れ日に導かれて。

 

 

緩やかな坂の参道を上ると、正面に手水舎が見えてきます。

 

 

ここ月讀宮には4宮が鎮座していて、参拝順の慣わしがあります。

 

まずは中央右の月讀宮から。

 

月讀宮

<御祭神>

月讀尊

 

創建年代は不詳ですが、延暦23年(804)の大神宮儀式帳に4宮合わせて"月讀宮"と表記されていて、当時はひとつの瑞垣に囲まれて4つで1つのお宮だったそうです。

 

月讀荒御魂宮

<御祭神>

月讀尊荒御魂

 

月讀尊の荒ぶる御魂が祀られています。

 

自然災害と関連性があるとされる月の満ち欠け。

 

神なる自然に二面性を見出し、そのいずれをも崇敬してきた日本人。

 

そんな日本人の感性が大好きです。

 

 

月讀2宮を望む。

 

月讀宮は他の3宮より少し大きく、鳥居も高くなっています。

 

古代感溢れる神明造りが放つ荘厳な雰囲気に浸る、贅沢なひと時。

 

伊佐奈岐宮

<御祭神>

伊弉諾尊

 

三貴神(天照大御神・月夜見尊・素戔嗚尊)を産んだ伊弉諾尊・伊奘冉尊の夫婦の2柱。

 

父神である伊弉諾尊が祀られています。

 

伊佐奈彌宮

<御祭神>

伊弉冉尊

 

こちらは母神の伊奘冉尊を祀っています。

 

 

伊佐奈岐宮と伊佐奈彌宮を正面から。

 

この後方に古殿地があります。

 

葭原神社

(御祭神:佐佐津比古命・宇加乃御玉御祖命・伊加利比賣命)

*読みは"アシハラジンジャ"

 

田畑を守護する五穀の神が祀られています。

 

食、特に米が命の糧だった古代。

 

月の満ち欠けに合わせて苗を植え育て、そして食糧にして命を繋いできた古代の人々。

 

だからこそ、月を司る神様を別宮の上位に位置付けて崇敬してきたのでしょう。

 

月の神秘を改めて感じたお参りでした。

 

御朱印(月夜見宮)

 

御朱印(月讀宮)

 

時刻は14時半。

 

月讀宮を後にして、内宮方面へ向かいます。