中目黒駅から徒歩5分程。
桜の名所、目黒川から一本路地を入った所に佇む、会員制のどぐろ専門店。
年に数回通っていましたが、昨春、新宿から茅ヶ崎に人事異動してからはあまり伺えずでした。
そんなある日、3年前の開業からお店を切り盛りしていた料理長が退職するとの連絡があり…慌てて予約をして伺ったのでした。
◆のどぐろ専門 紡庵◆
平日19:30の枠は私の貸切でした。
曰く、予約枠を少し絞っていたそうです。
元はガレージだったという、カウンター4席の小さな空間。
天井には梅の枝が飾られ、調度品や小物が醸すミニ割烹屋の風情。
まだ30代の料理長と酒や食、世間話をするのも楽しみでした。
中央の鉢でのどぐろが原始焼きにされます。
1代目の鉢は熱で割れてしまったそうです。
開業時は土台がモーターで回転する仕様だったのが、数十kgの重さですぐにモーターが壊れて固定式になったとか、思い出話も多い紡庵の主役。
お店は存続するものの、辞めてしまう料理長の紡庵はこれが最後…
そんな少し寂しい宴。
先付
(潤菜・穴子白焼・青とまと・焼き茄子・生姜・土佐酢ジュレ)
蓮の葉に乗った潤菜を器に落として完成。
味だけでなく、演出でも魅了する紡庵。
穴子の香ばしさ、茄子やとまとの初夏の味、それをすっきりまとめる土佐酢ジュレ。
ジュレと潤菜が食感でも楽しませてくれます。
農口尚彦研究所 山廃 雄町
紡庵で飲んで、味の虜になった農口さんのお酒。
山廃仕込みが雄町のコクと円やかさを最大限引き出した銘酒です。
"日本酒の神様"の異名を取る匠ならでは。
お凌ぎ
(鮎素麺・胡瓜玉・酢橘・薬味・花穂)
初夏の味、鮎。
ガラスのお皿と青もみじが涼やか。
鮎の香りと苦味が爽やかな素麺に合います。
農口尚彦研究所 山廃 純米大吟醸 山田錦
雄町の次は山田錦の山廃純米大吟醸。
コクの雄町に対して、キレの山田錦。
最高に贅沢な飲み比べ。
八寸
(喉黒寿司・ガス海老いしる漬け・パプリカ焼浸し・どじょう山椒焼き・とまと寒天・玉蜀黍擦り流し・煮バイ貝・無花果田楽)
毎回楽しみな八寸。
味覚だけでなく、飾り付けも楽しく美しい。
全て調理長のお手製です。
そのセンスと細かい作業に毎回感動します。
季節の味覚を目と舌と心で堪能。
バイ貝もなかなかの大振りでした。
お造り
(炙りのどぐろ姿造り・岩もずく・薬味・山葵)
淡い桃色の美しいのどぐろ。
"白身のトロ"と称されるとろりとした味わいを楽しみます。
紡庵で出されるのは、島根県浜田のブランド"どんちっち"のどぐろ。
正式名称はアカムツ、喉の中が黒いので、のどぐろと呼ばれます。
コリコリ食感の石川県の海蘊もお気に入り。
天狗舞 純米大吟醸
石川県の日本酒らしい、強いキレと旨味の一杯。
焼物
(島根県浜田漁港のどぐろ原始焼き・大根おろし・酢橘)
山陰地方では旬は産卵前の夏秋、北陸〜新潟は海水温が下がる秋冬とされています。
初夏のどんちっちのどぐろは身の味がしっかりしていて、炭火でじっくり焼かれて、旨味凝縮。
農口尚彦研究所 山廃 純米吟醸 五百万石 2024vintage
最後に入手困難な限定酒をいただきました。
石川県の酒米、五百万石で醸した吟醸酒です。
コク、円やかさ、キレ…それが素晴らしいバランスで同居した素晴らしい味わいでした。
お食事
(山女・新生姜かまどご飯・吸い物・香物)
香りと味を楽しむ竈炊きご飯。
あっという間の2時間。
楽しい最後の宴もそろそろお終い。
甘味
(自家製黒糖プリン・旬果実)
料理長こだわりの黒糖プリン。
以前、一度だけ開催された、黒糖プリン作り教室も大好評だったそうです。
原始焼きに数々の季節の会席メニューからプリンまで、味は勿論、その飾り付けにも魅了された3年。
料理、空間、料理人。
その全てが最高に好きだった紡庵。
一先ずはお別れです…
7/7から新体制で始まっているようなので、のどぐろの脂が乗る秋頃に伺ってみようかな。
料理長も今頃は新天地でしょう。
落ち着いたら連絡をくれるそうなので、そちらも楽しみです。
ありがとう紡庵、ありがとう津留料理長。
のどぐろ専門 紡庵 2024.3〜2025.8
のどぐろ専門 紡庵 2023.11


















