夏の庄内漫遊記の残り数話。

 

最終日は酒田の町並み散策です。

 

相馬楼と並ぶ旧料亭建築を見学しました。

 

◆山王くらぶ◆

(国登録有形文化財)

*入館料¥490/展示イベント期間¥1,000

 

ベンガラ色の外壁に扇型の装飾窓など、惚れ惚れする外観。

 

16年前に初めて見た時の感動を思い出しながら、3度目の酒田で初めて中に入ります。

 

感動もひと塩。

 

 

山王くらぶは明治28年(1895)に建てられた料亭で、竹下夢二も度々訪れたそうです。

 

平成20年(2008)に改装を経て観光施設に生まれ変わりました。

 

玄関

 

館内は酒田の料亭文化や歴史を今に伝える展示がされています。

 

まずは2階からどうぞとの事だったので、階段を上がって大広間へ。

 

傘福の間

 

106畳の大広間に酒田の伝統工芸品、傘福が飾られています。

 

 

広間を埋める壮観な光景がそこに。

 

傘福の歴史は江戸時代後期に遡り、寺院に奉納祈願されるものだったそうです。

 

 

それぞれのテーマに基づき、縁起物や庄内の特産物が吊るされています。

 

 

酒田の傘福は"日本三大つるし飾り"に数えられ、他の二大(福岡柳川・伊豆稲取)も展示中でした。

 

創作の間

 

広間の奥には、人形師・辻村寿三郎による"酒田の雛遊び"が展示されています。

 

花街としても栄えた酒田らしく、お雛様が花魁。

 

 

内裏の奥から望む。

 

 

床の間には見事な杉戸絵。

 

 

圧巻ですね。

 

 

縁起が良い金亀さん。

 

続いて1階を巡ります。

 

 

艶やかな板張りの廊下に雅なレッドカーペットがモダンな雰囲気。

 

おしん人形ギャラリー

 

山形を舞台にした「おしん」の原作者、橋田壽賀子の生誕100年記念の展示がされています。

 

 

主人公おしんが辿った人生を人形作家・大滝博子による人形たちが豊かに表現しています。

 

 

人間味と温もり溢れる人形たち。

 

料亭文化の間

 

湊から上方文化が入ってきた酒田では、商人がお茶や俳諧に親しみ、料亭文化も花開きました。

 

商人の密談にうってつけな?蔵座敷。

 

高い天井に小さな明かり取りの窓が雰囲気抜群です。

 

寺社めぐりの間

 

日和山公園の周辺には由緒ある寺社が連なり、寺町も形成されました。

 

付書院の細かい装飾が美しい。

 

酒田商人の間

 

京都へ物資を運ぶ湊町だった酒田では、その交易を担った廻船問屋が隆盛しました。

 

その繁栄振りが窺える雅な装飾の座敷です。

 

風景画のような書院が素晴らしい。

 

 

料亭時代の山王くらぶの賑わいを想像して…

 

北前船の間

 

河村瑞賢が整備した北前船の西廻航路により、酒田は日本有数の物流拠点となります。

 

酒田からは米・大豆・紅花が運ばれ、京都や伊勢の木綿、出雲の鉄、津軽や秋田の木材が入ってきました。

 

明治時代、鉄道の発展により輸送の主役が鉄道に取って代わり、通信手段の発展により、商品相場の情報伝達がされるようになり、北前船の時代も終わっていきました。

 

いつの時代も繰り返される経済の栄枯盛衰。

 

夢二の間

 

竹久夢二は生涯に3回酒田に訪れているそうで、ここが愛用の部屋だったそうです。

 

障子窓から芸妓さんを眺めていたのだとか。

 

 

1階の旧帳場は、民芸品やお土産の展示販売所になっています。

 

 

おしんの起き上がり小法師と、瓢箪のつるし飾り、盃を購入しました。

 

酒田の歴史と文化を今に伝える山王くらぶ。

 

外観だけでなく、中の展示も素晴らしく、とても有意義で幸せな時間を過ごせました。

 

そんな念願の訪問でした。

 

次回、本間家の旧宅の記事を送ります。