少し月日を遡って、今年の6月。

 

"ラーメンどんぶり展"なる、ラー好き垂涎の展示会が開催されました。

*開催期間:25/3/7〜6/15(終了済)

 

当然、足を運んだ私。

 

そんなラーメンと丼の美しき風景を送ります。

 

◆21_21 DESIGN SIGHT◆

ラーメンどんぶり展

*入場料¥1,600

 

舞台は六本木の21_21 DESIGN SIGHT。

*読みは"トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト"

 

平成19年(2007)、三宅一生(イッセイミヤケ)が創立したデザインミュージアムです。

 

英語で"20/20 vision"が"正常な視力"を意味する事に因み、それを超える視野を持つという想いを名称に込めたそうです。

 

 

ラーメンにまつわる漫画のひとコマ集。

 

Ramen is...?と、"あなたにとってのラーメンとは?"を問いかけてきます。

 

中国からその原型が伝わり、戦後の屋台文化を象徴したラーメン。

 

大衆食として普及した昭和期、変化と発掘が進んだ平成期、そして、世界へ広がり、ミシュランの星を獲得するお店も出現し、ひとつの料理としての地位を確立した昨今。

 

私にとってのラーメンは…

 

"一杯の丼の中のフルコース"であり、造り手の想いと技が込められた、無限の魅力と可能性を秘める丼の中の美味しい小宇宙。

 

 

歴史や消費量についてのコーナー。

 

山形&新潟、隣り合わせの2県がTOP2です。

 

 

日本のミシュランガイド記載ラーメン店は34店。

 

アメリカにも8店あるのですね。

 

それでは、

 

魅惑の丼世界へ足を踏み入れます。

 

山岸一雄記念

 

大勝軒を世に広めた"ラーメンの神様"、故・山岸一雄の喜寿とラーメン人生60周年の祝賀会に合わせて制作された丼が出迎えてくれます。

 

つけ麺文化があるのも山岸さんのお陰。

 

 

様々なラーメン丼が並ぶ展示室。

 

 

北海道のすみれ(純蓮)に蜂屋に味楽、日本最古級の來々軒、九州のふくちゃんラーメン…ラー博が発掘した銘店の数々。

 

ラー博出店を足がかりに全国区となったすみれですが、一族から出店を反対され、"純蓮"の屋号を使わせてもらえず、平仮名の"すみれ"で出店する事となったのは、ラー好きの間では有名な話。

 

多くの地方の名店を全国区にしたラー博も昨年、30周年を迎えました。

 

ラー博と共に歩んだ我が人生、これからも。

 

 

くじら軒、支那そばや、中村屋。

 

90年代にラーメンブームを巻き起こした神奈川三英傑の丼たち。

 

くじら軒にハマり、よく通ったものです。

 

佐野さん亡き後も、ご家族が支那そばやを存続させて、その弟子や志を継ぐ者たちが、数々の銘店を生み続けています。


アメリカに行ってしまった中村さん…またいつか神奈川に帰ってきて欲しい。

 

 

世界初のミシュランの星獲得ラーメン店となった、Japanese Soba Noodles 蔦。

 

若き天才オーナーが急逝した後も、その志を受け継ぐ匠たちが店を存続させています。

 

私も会員制の通称、夜蔦に毎月通って、その珠玉の一杯を頂いています。

 

奥のメイン会場へ進みます。

 

 

40人のデザイナーによる創作丼のコーナーです。

 

(左上・下)粟辻美早、アラン・チャン

(右)一乗ひかる

 

ラーメンにまつわる文字を刻んだり、織部インスパイヤの翡翠カラーリングやポップな作品たち。

 

丼が乗る台が自動回転していて、角度による見え方の違いも楽しめます。

 

糸井重里

 

TVでもお馴染み、糸井重里の作品。

 

素数と円周率が刻まれた無限を感じる丼。

 

(左)片桐仁

(右上・下)佐々木俊、佐藤卓

 

お笑いグループ"ラーメンズ"の元メンバー片桐仁の丼は自画像デフォルメ?なインパクト。

 

賑やかな覆面柄もあれば、正統派丼も。

 

空の状態とラーメンが入った状態で見え方やイメージが変わるのも面白い。

 

丼の底のデザインも大切ですね。

 

ジョナサン・バーンブルック

 

2000年代のデヴィッド・ボウイのアルバムジャケットのデザインを手掛けたJ・バーンブルック。

 

"全ては星の破片からできている"というテーマの下、ラーメンを食する事で物質がエネルギーに変換されるイメージを、星を表す円で表現。

 

丼の縁には星の組成を成す元素。

 

難解…

 

(左上・下)佐野研二郎、鈴木文女

(右上・下)渋谷克彦、塩川いづみ

 

金継ぎに着想を得た水玉柄や、イタリアに想いを馳せた柄など、カラフルな丼。

 

資生堂宣伝部で活躍した渋谷克彦の丼には、ラーメンを食べ終えた子供の顔が映っています。

 

干支が描かれた丼は年越しラーメンに合う?

 

田名網敬一

 

昨年逝去されたポップアートの先駆者、田名網敬一の作品は、食べているラーメンに天井から蜘蛛が落ちてきたという、学生時代のトラウマが元になったデザイン。

 

以来、ラーメンが食べられなくなったとか。

 

そんな悪夢な体験を見事にポップアートとして表現しています。

 

竹中直人

 

竹中直人らしい?派手でカオスな柄。

 

(左上・下)土井善晴、髙田唯

(右上・下)束芋、永井一正

 

日月国民麺鉢と題された輝く太陽と月の丼や、金色の涅槃像が描かれた丼。

 

麺と具が絡み合う男女と重なる丼、可愛い麒麟と鳳凰のデザインの丼。

 

造り手それぞれの着眼点が面白い。

 

細川護煕

 

肥後細川家18代当主で、元内閣総理大臣の細川護煕の作品はまるで襖絵に描かれた水墨画。

 

皆川明

 

一杯の丼に詰められている具材の色彩を、丼の中に散りばめたというデザイン。

 

食べ進めると、渦巻く色彩に吸い込まれる?

 

 

展示コーナーは屋台をイメージした造り。

 

 

前衛的デザインな屋台も。

 

(左上・下)仲條正義、深澤直人

(右)ヒグチユウコ

 

資生堂宣伝部を皮切りに、日本有数のグラフィックデザイナーとなった仲條正義の丼はシンプルながら、エッヂの効いたデザイン。

 

具材が描かれた丼には具無しラーメン。

 

猫デザインで人気のヒグチユウコの丼には、完食完飲しないと出会えない猫。

 

ラーメンが入り、デザインが完成する丼たち。

 

LiSA

 

歌手らしいポップ&キュートなデザイン。

 

丼の底には"今日もいい日だった"の文字。

 

全ては載せられませんでしたが、どの丼も個性豊かで、この丼でラーメンを食べたら?などと想像を掻き立てられて、とても楽しい展示でした。

 

 

奥には、織部などの伝統工芸による丼が展示されていました。

 

 

食器も丼も料理の要素のひとつ。

 

これから一層、丼に注目したいものです。


以上、


素晴らしきラーメン丼の風景でした。