飛騨古川。

 

司馬遼太郎も自著「街道をゆく」の中で"見事なほど気品と古格がある"と褒め称えた古川。

 

かつて、姉小路氏(三木氏)や金森氏が治めた城下町ですが、代官所が置かれなかった為、武士が少なく町人文化が栄え、それが今日の町作りに繋がっているそうです。

 

そんな飛騨の風流な古都を巡ります。

 

白壁土蔵街

 

町を流れる小川、瀬戸川。

 

白壁土蔵と寺院の隙間をゆったりと流れる、司馬遼太郎が"飛騨随一の町並み"と評した風景。

 

 

鯉が放流されている事でも知られます。

(冬場、鯉は他所に移されています)

 

*2011/10の写真

 

14年前は紅葉が始まりかけた頃でした。

 

 

瀬戸川を返り見る。

(奥に見えるのが飛騨の匠文化館)

 

円光寺 水呼びの亀

 

妻の蛙股に彫られた亀の装飾。

 

明治37年(1904)、古川大火により877戸が焼失しましたが、円光寺はこの水呼びの亀のお陰で類焼から免れたと言われています。

 

円光寺山門(旧増島城城門)

(飛騨市指定史跡)

 

金森氏が居城としていた増島城の城門を移築したものです。

 

楼の様な破風屋根が城や寺の門というよりも、茶室に通じる風情を感じます。

 

司馬遼太郎が"見飽きぬほど形が良い"と感嘆したのも納得。

 

 

瀬戸川はそのまま柳並木の通りへと流れていきます。

 

白壁土蔵街を出て、その隣の壱之町通りへ。

 

まずは、北側をゆきます。

 

渡辺酒造店

(国登録有形文化財)

 

創業明治3年(1870)、飛騨を代表する銘酒"蓬莱"の酒蔵です。

 

 

主屋は江戸時代後期の築造と伝わります。

 

 

目移りする限定酒や人気酒の数々。

 

色々試飲をさせてもらって、お土産に新酒と吟醸酒、自分用に"非売品"という名の、来客にだけ出していたという秘蔵酒を購入しました。

 

 

文化財の主屋も見所。

 

蕪水亭OHAKO

*読みは"ブスイテイオハコ"

 

十字路には気になる擬洋風レトロ建築。

 

老舗料亭旅館蕪水亭が営む薬膳カフェです。

 

元郵便局建築だろうか?

 

ここから通りの南側を進みます。

 

蒲酒造場

(国登録有形文化財)

 

"蓬莱"と並ぶ銘酒"白真弓"で知られる蒲酒造場は、宝永元年(1704)創業の老舗蔵。

 

鳳凰台屋台蔵

 

高山と同じく、屋台蔵が各所にあります。

 

三嶋和ろうそく店

 

江戸時代中期創業で、現在7代目。

 

240年を超える歴史を誇る和蝋燭店です。

 

看板の"生掛"とは、い草の燈芯に木蝋を塗って干してを繰り返す、日本の伝統製法。

 

 

中にお邪魔すると、時計の針が昭和かそれ以前に戻ったかのような雰囲気。

 

 

こちらは工房。

 

ご主人に和蝋燭の話を色々伺いました。

 

和蝋燭はその製法から、煙も出ず、自然と炎が揺らぐ美しい芸術品。

 

火を灯してその美しさを知ってもらいたいと、熱っぽく語るご主人。

 

 

奥の部屋も見学させてもらいました。

 

巨大な和蝋燭は浄土真宗の法事や法要の際に使われるそうです。

 

 

4種セットを購入しました。

 

情熱溢れる職人が後世に受け継ぐ伝統。

 

そんな世界がここ古川にはあります。

 

こういう素晴らしいひと時こそが、私が旅に魅了される所以だったりします。

 

 

通りを振り返る。

 

*2011/10の写真

 

その風景は14年前と変わらず。

(電線は地下化された模様)

 

変わらぬ事の素晴らしさ、変わらずにいる事の難しさ…刻の流れと共に見つめ続けていきたい、古川。

 

本光寺

(宗派:浄土真宗本願寺派)

 

天文年間(1532〜1555)の創建とされる寺院。

 

1月に行われる真宗寺・円光寺・本光寺の報恩講は、"三寺まいり"として知られています。

 

 

御本堂は飛騨地域最大の木造建築。

 

時刻は15時半。

 

 

私にとって特別過ぎる宿へ向かいます。

 

13年半振りの喜びを噛み締めて。