前回の続きです。

⑥ 周りに合わせすぎて本当の自分が分からない

 

「本当の自分が分からない」という悩みは、自分の本音が分からないという悩みと類似しているように思えます。


さておき、この悩みは、一体、いつから始まったのでしょうか?この悩みがあなたの体に根付いた起源をご存知でしょうか?

 

多くの人は、この悩みがあるのは「最近のことだ」と思い込んでいるかもしれません。仕事や人間関係のストレス、あるいは社会のスピードに翻弄されているうちに、“自分らしさ”が失われたのだ・・・確かにそういう一面もあります。

 

しかし、実際にはもっと早く、この問題の起源は、驚くほど幼い頃にさかのぼります。

 

物心がついた瞬間、あなたはすでに「周囲に合わせる」という学習を始めていました。


言葉を理解し、親の意図を読み取り、「良い子」として扱われるために必要な振る舞いを選択し始めた時、それはおそらく、一歳から三歳の頃、まだ世界の輪郭が曖昧で、自分自身という概念すら定まらない時期からです。

 

この段階で人間はまず、“周囲に合わせなければ生きられない”という原初のルールを身体に刻みます。これは生存戦略であり、環境への適応で、避けようのない発達上のプロセスです。

 

だから、素直な子は素直な子なりに、反抗的な子は反抗的な子なりに、結局は“他者に合わせて生きる方法”を選択せざるを得ません。

 

自分の意見が通らない経験を重ねるたびに「本当の声より、周囲にとって都合のよい声」を選ぶ術が洗練されていきます。

 

その積み重ねが十年、二十年、三十年と続くと、無意識の最深部にあるはずの「本当の自分」は、数えきれない“周囲の声”に覆われてしまいます。


親の期待、教師の価値観、社会の理想像、そして「こうあるべき」という匿名の圧力などに。

 

長い歳月を経るうちに、それらはまるで体の一部のように同化し、気づいたときには「自分」と「周囲」の境界線が見えません。だから本当の自分が分からなくなって当然なのです。

 

本当の自分とは、身体・感情・無意識の三つの回路のうち、もっとも深い“無意識の層”に存在しますが、社会はその場へのアクセスの仕方を教えてはくれません。

 

むしろ、見ないように教える場面は頻繁にあります。そのため、多くの人はその層に触れないまま一生を終えることも珍しくありません。私の感覚からすると、これは命の問題に等しい。

 

しかし、「周囲に合わせすぎて自分を見失う」という問題は、個人の弱さではなく、いまの社会が抱える「そういうものだ」という“人間のOSの老朽化”のサインです。

 

周囲の声で埋め尽くされたままで生きていくのか、それとも深層に眠る「本当の自分」の場所にアクセスして自分の人生を創造するのか。どちらも自由だとしたら、あなたはどちらを選ぶでしょうか?


ここまで知れば後は、選択の問題です。

 

 

 ⑦ 自分を変えたいけれど、どう変えたらいいか分からない

 

「自分を変えたい」この願いを口にする人もたくさんおられます。


この問いに答えるには、“どのように変わりたいのか”という理想の前に、“なぜ変わりたいのか?”、つまり変わりたいと思った理由が先に必要です。

 

ですので、まず問うべきは「あなたはなぜ変わりたいと思ったのか」という一点です。そこには、あなた自身も気づいていない“深い本音”が隠れています。


その本音が見えない限り、「どう変えるか」という具体的ステップは曖昧なままで、自分を変えた後の理想の姿さえ正しく描くことができません。

 

この「変わる理由」を掘り当てるには、ここでもまた無意識の回路が必要です。

 

次に、そこに付随する感情、例えば、現状の「悔しさ」「不足感」「希望」「憧れ」など、それらを感情の回路から動きを丁寧に拾う必要があります。

 

無意識と感情の回路が整理されて、はじめて「ではどう動くか?」という身体の回路に繋がります。

 

行動には順番があって、
無意識 → 感情 → 行動
この三層構造がそろわなければ、、人は自分を動かすことができません。

 

多くの人が変われないのは「行動だけ」で変わろうとするためです。


それでは、必要な最初のステップに手をつけるどころか、何から始めれば良いのかさえ分からなくなります。


昔から、現在もまた、「行動が大事」と言われてきました。しかし、もう時代は進んだのです。行動することは当然ながら「行動だけでは無理でしょう。では何が必要か?」にもう答えが出ているのです。

 

つまりこれも、問題の原因が見えていないOSの問題です。

 

(次回に続きます)

 

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