皆さん、こんばんは。
人の生きるに寄り添う寄り添い寺住職、南です。
早いもので2月になりましたね。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
私は、去る2月1日に叔母の舅(以下、下関のじいちゃん)を見送りました。
大正11年1月1日生まれ。
享年九十六歳の大往生でした。
しかし、その安らかな最期とは裏腹に、 その半生はまさに激動そのもの。
第二次世界大戦中にロシアの捕虜になるも、仲間25人と脱走。
北極星だけを手掛かりに、日本を目指してひたすら南下。
あるものはロシア軍の機関銃に倒れ、あるものは体が弱って脱落。
敗戦の約1年後、命からがら日本に帰ってこれたのは、 25人の仲間のうち下関のじいちゃんただ1人だけだったそうです。
「一度死んだも同然の命だからこそ、人の為に尽くす」
その言葉どおり、帰還後は お寺の住職や市議会議員として 世のため人のために全力を尽くした半生でした。
そんな下関のじいちゃんと私は、 下の名前が字もまったく同じ「健司」という因縁もあり、 事あるごとに大変可愛がってもらってきました。
そして、かれこれ5年ぐらい前になるでしょうか、、、、
その下関のじいちゃんが、こんなことを語ってくれたのです…。
「健ちゃん、生きてると嫌なことや辛いことがたくさんあるよな。
そんな時、『どうして自分がこんな目に遭わないといけないんだ!!』
って 誰でも思ってしまうやろ?
でもな、嫌なことや辛い出来事というのは『受取人指定配達』 なんや。
だから、
『こんな嫌なことや辛い出来事なんて受け取るもんか!!』
って、 どれだけ暴れても拒否できん。
そして、嫌なことや辛い出来事って、 そのままだとマイナスに過ぎんけど、 それを乗り越えて、それで人を勇気づけられたら、 それはプラスの贈り物に変わるんや。
マイナスの出来事をプラスにして、 人への贈り物に変えていく。
これを『逆縁福(ぎゃくえんふく)』って言うんや。
健ちゃん、これが出来るような人間になれよ !! 」
下関のじいちゃんが言いたかったことを、私になりに解釈してみるに、、、
嫌なことや辛い経験を乗り越えることで、 人間として優しくなれる。
そして、その経験を通じて、 同じように困ったり悩んでいる人の気持ちが分かるようになるし、 アドバイスも出来るようになる。
決して逃れることが出来ない「受取人指定配達」ならば、 受け取りを拒んだり逃げたりせず、 まずはその経験をしっかり味わい、 その後どうやったらこの経験をたくさんの人たちへの贈り物に変えられるかと 考えられる人間になるほうがいいですよね!!!
「逆縁転じて福となす」
激動の半生という逆縁を福に転じて人生を全うした下関のじいちゃんの生き様を胸に、
この「逆縁福」を体現できるよう私自身も精進したいと思います。

