CHIHARU SHIOTA I to EYE
会期 2024年9月14日~12月1日
*映像作品と一部絵画以外は撮影可
塩田千春 1972-
出身地である大阪で、16年ぶりに開催される大規模な個展です。現在、ベルリンを拠点として国際的に活躍する塩田は、「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」「存在とは何か」を問い続けています。
無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」としてとらえ、それらを糸で編みこむことで「不在の中の存在」というテーマに向き合うものです。
本展覧会は、全世界的な感染症の蔓延を経験した私たちが、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】ー「私/I」「目/EYE」「愛/ai」を通じてアプローチしようというものです。 展覧会リーフレットより抜粋引用
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《 巡る記憶 》2022/2024年
一転、赤色から白色の世界へ。
約13m×30mの広い部屋が、網目状の白い糸で覆われています。
水面があり海綿状の洞窟みたいで、包まれる安心感もありました。
《家から家》と《多様な現実》
《多様な現実》は、巨大な白いドレスがくるくる回ります。
海外で暮らしさまざまな現実が突きつけられ、感じた思考なのでしょう。
ドレスは「第2の皮膚」として、「空っぽの身体」を表現しているといいます。
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幼い頃から絵を描くのが大好きで、12歳で画家になりたいと思ったそうです。
《 無題 》1992年
しかし、美術大学では絵に疑問をもつようになって描けなくなり、1994年に塗料を自身の身体にかぶるパフォーマンス・アート《絵になること》を発表。
《バスルーム》1999年 リーフレット写真より引用
ひたすら泥をかぶるという映像でした。
1996年から渡独し、旧東ベルリンで「泥をかぶると呼吸ができる」と感じたといいます。
《ウォール》2010年
身体に巻きつけたチューブに、赤い液体が流れて行く映像。
こちら参照。
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展覧会のテーマは「つながり」で、わかりやすい作品もありました。
《宇宙とつながる》より 2023年
《宇宙とつながる》より 2023年
ヨン・フォッセ 戯曲『だれか、来る』(河合純枝 訳・白水社)をテーマにしたドローイング より 2024年
赤い糸、運命の糸。
見えないけれど結ばれている…
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《 つながる輪 》2024年
無数の長さ6mの赤いロープが巨大な立体をつくる作品。
1500枚以上の白い紙には、「あなたは何とつながっていますか?」という問いに、公募によって集められたメッセージや絵が描かれていました。
赤い線に絡まりとどまる「つながり」は、鳥のように舞っていました。
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塩田さんのことは、お名前と赤いインスタレーションのイメージしか知りませんでした。会場では、ご自身がこれまでの人生を作品とともに振りかえる映像が約30分流れ、どんな事を考えていたのかを知ることができてよかったです。
とても穏やかな語り口で、若い頃のパフォーマンスアート作品がもつ激しさを想像できませんでした。ご自身の病や近しい人の死などから、生命について、自身の存在意義について作品を通して表現し、これからも問い続けていくアーティストだと感じました。
インスタレーションって、行かなきゃわかりませんね。
とにかく圧倒されました!
会場の最後にあった、展示制作で訪れた塩田さんが最終日に描いたドローイング。
見慣れたはずのシップキャットも、赤色がシンクロしているように見えました。



















