「嫌い」を誰かと共有したくなるのは、まだ成長できるサインです。|あの原山|導きの法則|恋人目線マ | あの原山|導きの法則Ⓡ

あの原山|導きの法則Ⓡ

Mentor of Mentor
拠点:神戸 / 六甲道
商標登録:導きの法則Ⓡ 恋人目線マーケティングⓇ

 

木曜の夜、スマホを片手にソファに沈んでいる。

グループLINEに、長いメッセージを打ち込んでいた。

「ねえ聞いて、今日の佐藤さんの態度、ほんとありえなかったんだけど」

送信する前に、少し止まる。でも結局、送った。

既読がつく。「わかる」「ほんとそれ」「あの人いつもそうだよね」

スマホを置いて、少しすっきりした気がした。でも五分後、なんとなく落ち着かない。共感してもらえたのに、なぜかもやが晴れない。

 

こういうとき、頭の中はだいたいこうなっています。

「共感してもらえてよかった」
「でも、なんか解決した感じがしない」
「また明日、同じことを思うんだろうな」

その感覚は、正しいです。

誰かに共感してもらうことで、一時的に気持ちが落ち着く。でも根本は何も変わっていない。だから翌日、また同じことが気になる。また誰かに話したくなる。その繰り返しです。

あなたは悪くない。

嫌いな人ができるのは自然です。誰かに話したくなるのも、共感してほしくなるのも、普通の感情です。

ただ、一つだけ正直に伝えさせてください。

「嫌い」を誰かと共有しないと気持ちが落ち着かないとしたら、それはその感情を、まだ自分一人で抱えられていないということです。

 

先日、26歳の女性、ゆいさんからこんな相談が届きました。

ゆいさんは、職場でも友人関係でも、気に入らないことがあるとすぐ誰かに話さずにいられませんでした。

「嫌いな人や苦手なことが多くて、すぐ誰かに話してしまいます。共感してもらえると安心するんですが、共感してもらえないと余計にモヤモヤします。最近、話せる友人が減ってきた気がして、不安です」

話を聞くと、ゆいさんの「嫌い」のリストは幅広かった。職場の上司の話し方、同僚の仕事の進め方、友人の価値観、街で見かけた他人の行動。気になることが次々と目に入り、それを誰かに話すことで処理していました。

私はこう聞きました。

「その話を聞いてくれる友人は、最近どんな反応をしていますか」

ゆいさんは少し間を置いてから、答えました。

「最初は共感してくれていたんですが、最近は『そうだね』くらいで終わることが多くなりました。なんか、温度が違う気がして」

「その友人は、正直なんだと思います。聞き続けることに、疲れてきている」

ゆいさんは黙っていました。

「もう一つ聞かせてください。嫌いなものが多い分、好きなものはどれくらいありますか」

しばらく考えてから、ゆいさんは言いました。

「あまり、思い浮かばないです」

「そうです。『嫌い』に使っているエネルギーが多いほど、『好き』を見つける余裕がなくなります。嫌いなものが多い人ほど、実は自分が損をしています」

 

私はゆいさんに、一つだけ提案しました。

誰かの嫌なところが気になったとき、その人の中に一つだけ良いところを探すこと。すぐに見つからなくていい。ただ、探す習慣を持つこと。

ゆいさんは翌週から始めました。

最初は難しかったと言っていました。気に入らない上司の良いところなんて、思い浮かばない。でも続けるうちに、少しずつ見えてきました。

「報告は細かくてうるさいと思っていた上司が、実はミスを未然に防いでくれていたと気づきました」
「話し方が苦手な同僚が、仕事の丁寧さは社内で一番だと分かりました」

一か月後、ゆいさんから連絡が来ました。

「誰かの悪口を言いたくなる回数が、気づいたら減っていました。良いところを探す癖がついてきたら、そっちの方が面白くなってきて」

さらに一か月後、こう言いました。

「疎遠になりかけていた友人から、久しぶりに連絡が来ました。会ったら『なんか変わったね、話しやすくなった』と言われました。自分では気づいていなかったんですが、周りには伝わっていたみたいです」

 

はっきり言います。

成熟した人は、嫌いなものが少ないのではありません。嫌いなものの中にも、良いところを見つけられる人です。

嫌いなものが多いということは、それだけ視野が狭くなっているサインです。悪いことではありません。ただ、そこで止まっていると、見える世界がどんどん小さくなっていきます。

「嫌い」を誰かと共有して安心したいのは、その感情を一人で抱えるにはまだ重すぎるからです。それは弱さではなく、まだ成長の途中にいるということです。

 

今日からできること

① 「嫌い」を誰かに話す前に、一度だけ自分に問う
話したい衝動が出たとき、まず紙に書く。書いたら、「この人の良いところは一つもないか」と自分に問いかける。一つ見つかれば、それで十分です。

② 気になる人の中に、良いところを一つだけ探す
好きになる必要はありません。ただ、一つだけ良いところを探す習慣を持つ。最初は難しくていい。探す行為そのものが、視野を広げていきます。

③ 「好き」のリストを作る
嫌いなものを数える代わりに、今日好きだと思ったことを一つ書き留める。食べ物でも、景色でも、誰かの言葉でもいい。好きを増やすと、嫌いの占める割合が自然に減っていきます。

 

誰かを嫌うなら、一人で嫌っていればいい。

共感を集めなくても、あなたの感情はあなただけのものとして、ちゃんと存在できます。

嫌いなものが多いと気づいたなら、それはまだ成長できる余白があるということです。

良いところ探しの名人に、誰でもなれます。今日から始めれば、一か月後のあなたは別人です。