あの原山|導きの法則Ⓡ

あの原山|導きの法則Ⓡ

Mentor of Mentor
拠点:神戸 / 六甲道
商標登録:導きの法則Ⓡ 恋人目線マーケティングⓇ

 

お金を稼ぎたい。良い暮らしをしたい。評価されたい。もっと大きな仕事をしたい。

人には少なからず欲があるものです。
欲を持つこと自体が悪いのではありません。問題は、その欲を自分で止められなくなることです。

人の上に立つ人は、自分の望みを実現できる力を持っている。
お金も人も動かせる。だからこそ、欲が膨らんだときの危険も大きくなるのです。

『貞観政要』には
君主が心に留めるべき「十思」という教えがあります。
その最初に出てくるのが、「欲しいものを見たときには、足るを知って自分を戒めなさい」という教えです。

欲しいと思ったから手に入れるのではなく、「本当に必要なのか」と自分に問い直すということです。

普通なら、高価なものが欲しくても、お金がなければ諦めます。
自分一人ではできなければ、そこで止まります。

しかし、大きな権限を持つ人は違います。

「もっと立派な建物が欲しい」と言えば計画が始まる。
「もっと大きな事業をやりたい」と言えば周囲が動く。

自分の望みを止める制限が低くなってしまいます。

だから、力を持つ人ほど、自分で自分を止める力が要るのです。

創業したころは、一円の経費にも厳しかった経営者が、会社が大きくなるにつれて変わってしまう。

最初は「取引先を迎えるため」と高級車を買う。
次は「経営者にはふさわしい場所が必要だ」と豪華な役員室を作る。
そのうち会社のお金で、自分の趣味のものまで買い始める。

本人には、一つひとつに理由があっても、周囲には、「会社のお金を自分の欲のために使っている」と見えてしまいます。

欲は、金や物だけではありません。

褒められたい。成功した人だと思われたい。地位を失いたくない。自分の名前を世に知らしめたい。

こうした欲も、人の判断を狂わせます。

会社のためではなく、「成功した社長として見られたい」が強くなれば、無理な拡大へ走ります。
後継者に任せる時期が来ても、地位を手放せなくなります。

だから、自分に問い続ける必要があります。

これは本当に組織のためなのか。それとも自分が欲しいだけなのか。この出費は本当に必要なのか。それとも見栄なのか。この地位にいるのは本当に責任からなのか、それとも手放したくないだけなのか。

大きな力を持つ人に必要なのは、欲しいものを手に入れる力ではありません。

欲しいと思っても、必要でなければやめられる力です。

人も金も動かせるからこそ、自分の欲を自分で止める。

それができる人にこそ、人の上に立つ人べきひとなのです。

 

『帝王学』より

 

 

『帝王学』
帝王学とは、人の上に立つ者が、自分を律し、人を見極め、人を活かし、組織を正しく導いていくための学問です。本書では、『貞観政要』をはじめとする古典の教えを、今の仕事や組織に置き換えてわかりやすく解説。感情に流されない判断、人の見方、任せ方、責任の取り方、後継者の育て方まで、人を導く立場にある人が身につけるべき考え方を学べる一冊です。