《仮名手本忠臣蔵》(夜の部) Bプロ。

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私は、昼の部はAプロ、夜の部はBプロと日にちを分けて観ました。メモ帳を片手に。

若いころ、赤穂事件に興味があって史実、小説、評論等を漁り読んだ。その後、自然に歌舞伎の忠臣蔵にも関心が及び、今回も通しを万端見逃すべく肩には力が入った。

 

何ヶ所か気になる点があったものの、私の錯覚もしれないし、それ以上にいままで気付かなかった幾つかの点をイヤホンガイドで教えられ、認識が深まってありがたいと思っている。

 

忠臣蔵の中盤の主要な位置を占める「勘平」ですが、これは史実の「萱野三平重実(しげざね)を半分くらいモデルにしている。三平の父•重利は仇討ち加盟を許さなかった。父の主家、大島家に累が及ぶかと恐れたのだ。大島家も、三平を喜んで召し抱えるという。三平は思い悩んだ末、亡君の命日に切腹して果てた。二十八歳であった。

 

私が高ニになった時、担任の先生の名前が萱野重◯。先生に成り立てホヤホヤだったが、背が高く裕次郎ばりのいい男だった。何十年が過ぎて還暦同窓会の時、萱野先生は来てくださった。萱野三平の子孫ということを聞いていたので、勘平の話云々をした。全くの直系で、しかもご長男ということであった。確かに、名前の一字(重)を継いでいる。数学の先生でしたが、「芝居を見たことがない」と言っておられて、却って可笑しかった。縁は異なもの。先生はいまどんなご様子であろうか。◯は秘密です。

 

 

以下は、殆ど粗筋です。ご興味ない方はスルーしてください。

 

気の利いたイヤホンガイドはありがたい。幕が開く前に五段目の解説で「勘平、腹切りになぜ至ったのか、そのプロセスが眼目です」と。負い目の勘平は、同士の仲間入りを果たしたい、軍資金を得たいと一途な思いである。

 

おかるの実家(山崎)に身を寄せて、狩人になっている。「山崎は京都の西南、天王山の麓でウイスキーで有名です」と。忠臣蔵は、事件勃発の鎌倉、韜晦した由良助の山科や京都•祇園、お軽の実家•山崎と場所性の面白さがある。

 

【五段目•山崎鉄砲渡しの場、同 二つ玉の場】

山崎街道でかっての同士•千崎に出逢い資金調達を約束。場面が変わって、お軽の父与一兵衛は稲叢の前で五十両に思い入れ。五十両は婿勘平の武士復帰を願ってお軽を祇園に売った金だった。その金を稲叢に隠れていた定九郎が奪い、与一兵衛を刺殺し崖下へ。黒紋付の浪人姿•定九郎のひと言「ごじゅうりょう」。ところがその一言の後、鉄砲に撃たれて仰向けに倒れ、死ぬ。中村仲蔵が工夫した演出が今に伝わる。

 

ここで、猪が下手から走ってきて一回転して上手へ逃げる。

実は、定九郎は猪から身を守るため稲叢に隠れていたのだが。その猪を撃ったと思った勘平が登場し見得。「確かな手応え」と。しかし、暗いなか手探りで猪ではなく「人っ」と気付いた勘平、「えらいことをしてしもうた」。動顚しつつも死人の胸にある金を取ってその場を去る。

 

粗筋を書くばっかりになっていますが、役者にとっては殆ど秒単位で決まっている型、形、見得、肚の連続で、私はそれをただハラハラして見ているだけでコメントの挟みようがない。

 

【六段目•与一兵衛内勘平腹切の場】

一文字屋の女将•お才と女衒の源六が、後金五十両を渡しておかるを引き取ろうとしている。前金を貰った筈の与一兵衛はいまだに戻っていない。そこへ、ひと晩明けの勘平が帰ってくる。会話を聞くうちに、お才の持つ縞柄と昨晩奪った財布が同じと気付く。「しまった!鉄砲で撃ち殺したのは、与一兵衛だったか」とうろたえる勘平。そこに、猟師仲間にかつがれて運びこまれる与一兵衛の死骸。勘平の不審な動作から、おかるの母親•おかやは与一兵衛を殺したのは勘平と激しく打ちすえる。おかやは確か二度勘平を打擲したが、元•武士に対してやり過ぎに思えたし、声が若く聞こえて違和感を持った。

 

ちょうど訪ねてきた千崎と不破、不忠の者からの五十両は受け取らないと返しに来た。勘平は死骸から取った金を、すぐさま千崎を追って渡していたのだった。両人を迎えようと立つ勘平、逃げはしないかと腰に縋るおかや。ここでの二人のカタチはやや淡白に感じた。おかやの言い立てに激怒した千崎と不破。勘平の一部始終の告白→腹に刀を突き立てる勘平。ところが、両人が与一兵衛の疵口を改めると、鉄砲傷ではなく明らかに刀で刺した傷。「勘平殿、必ず死んでくださるな」泣いて詫びるおかや。勘平「お疑い晴れましたか」

 

 

【七段目•祇園一力茶屋の場】

この段は、パンフをそのまま引用させていただきます。

祇園町の一力茶屋で、連日遊興に耽り放蕩三昧の由良之助。おかるの兄の寺岡平右衛門が仇討ちに加わりたいと願い出るも相手にすらしません。しかし、遊女となったおかるに密書を盗み見られると……。その真意を察した平右衛門は、突如、妹おかるに斬りかかります。 

 

七段目 遊女おかるに七之助、平右衛門に松也。七之助…細身で色気がイマイチだけど丁寧なところに好感を持った。そして松也…期待以上、芝居のできる人、凄いと思いました。勘平の勘九郎も申し分なかった。

 

 

【十一段目•高家表門討入りの場、同•奥庭泉水の場、同•炭部屋本懐の場、引揚げの場】

 

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幕まで四時間、しっかり観たつもり…少々疲れました。😮‍💨

 

 

 

お付き合いありがとうございました🙇‍♂️