君はホッケーなんか観ない。 | アイスホッケー観戦したい!

アイスホッケー観戦したい!

いよいよ地域限定化が進むアイスホッケーを、身近でも観戦できるよう盛り上げていきたいと思います。

細々ではありますがアイスホッケーの話題を掘り起こしていきます。

みなさん、こんにちは!
ちょっとキャッチーな感じのタイトルにしてみましたが..中身は全然違うかも..

ここ数日はWBCワールドベースボールクラシックで燃える列島、もう過去のこととなりつつあるかもですが、、ミラノ・コルティナ五輪男子アイスホッケー決勝戦、アメリカvsカナダがNHK総合テレビで全国放送されました。ご覧になられたでしょうか。
すさまじいスピードで交わされる攻守の展開、そのなかでもほとんどミスしないパックハンドリング、一瞬の判断と広い視野から生まれる正確なパス交換、まさに世界最高峰のスキルという言葉に何の躊躇もありません。
ディフェンシングゾーンからニュートラルゾーンへの高速なパスが通るたび、言いようのない快感を覚えました。
今回のオリンピックでは世界で最も人気があり、最強の選手が集まるNHL、北米アイスホッケーリーグの選手が全面的に参加。そのなかでも最高の選手たちを多数抱えるアメリカとカナダの活躍が期待されていましたが、さすがというしかないプレーの連続で、日本国内でもアイスホッケーの面白さに目覚めた方がたくさん発生している模様です。

試合の内容は実際の中継や専門家の論評を見ていただくのがよいかと思いますが。

NHK ONE ミラノ・コルティナ五輪男子アイスホッケー決勝 アメリカvsカナダ

 

元アジアリーガー、日本代表、鈴木雅仁さんのコラム『1mmの判断 🇺🇸USA vs 🇨🇦CANADA ミラノオリンピック 男子アイスホッケー決勝』


結果は3ピリ終了まで1-1で決着がつかず、延長オーバータイムの末にアメリカが優勝、金メダルを獲得するところとなりました。
カナダが個々の選手のスキルを見せつけて、高いパック支配率を保ちながら終始優勢に試合を進めていましたが、アメリカDF陣の異状なほどに堅い守り、アメリカGKコナー ヘイルバック選手の考えられないスーパーセーブの連発、などでカナダにとってはあと一本が届かず、オーバータイムでの3オン3で一瞬のスキを突かれ涙を飲みました。
カナダは当初キャプテンを務めていた当代最高の選手といわれるシドニー クロスビー選手が準々決勝で負傷したため以降の試合を欠場。クロスビーがいたらどうなってただろうと語り継がれるのは間違いないと思いますが、後を引き継いでチームを引っ張ったコナー マクデイビッド選手はじめカナダの残ったプレーヤーたちでも十分に世界最強のアタックを見せていました。
それでも勝ったアメリカ、今回は相手にどんなチームが来ても、戦略面・戦術面含めて総合力でまさったアメリカのオリンピックになったんじゃないでしょうか。

今、日本代表がこの両チーム、どちらと当たっても全く歯が立たないことが想像されます。
彼らのレベルは高く、プレーを見ると素直に驚嘆し引き込まれてしまいます。
しかし自分はもう長らくNHLの試合を見てません。その理由は、まずは関係性が乏しく感情移入しにくいこと。なんか他人ごとになってしまい、そこまで応援する気持ちが沸かず有料の配信を契約してまで見ようとはなかなかならないのがひとつ(^_^;)。
もうひとつはどうしても気になるのが、とにかく野蛮なプレーが多いこと、です。
これはNHLということより外国のホッケー文化という括りでほぼあってると思いますが。

アイスホッケーでは、国内の試合を含め、たびたび乱闘が発生します。
このオリンピック決勝でも何度か乱闘になるシーンが見られましが、その前のセミファイナル、スロバキアに大差をつけてからもアメリカが相手を見下すかのようにラフプレーを繰り返すのを見て、不快感を感じた一般視聴者は多かったのではないでしょうか。
代表とかプロに限らず、一定以上の社会人リーグや大学リーグでも暴力まがいのラフプレーが横行しています。
高速で滑りながらパックを奪い合うという特性上、激しいぶつかり合いが避けられないこの競技で、節度ある衝突はルール上容認するという発想はすごい発明だったと思います。それがあるからアイスホッケーの迫力は大きな魅力となっていることは誰も否定しないところだと思います。それゆえぶつかり合う選手同士はどうしてもエキサイトしてくる部分があるのは仕方ないでしょう。

大迫力の激突シーン


しかし北米の選手たち(子ども含む)、それを倣ってホッケー文化、価値観を作っていく世界中の選手たち(日本人、子ども含む)、周りの指導者、保護者、観客、全員の常識や価値観はあまりに時代遅れじゃないですか?ホッケー関係者は明らかに乱闘を容認していると感じます。それどころかエンタメとして、試合の楽しみとして、あるいは闘志を見せるため、として乱闘は必要だという考えの人がけっこう居るようです。(実はなんで?とひっそり思ってる人もけっこう居そうですが)
これは個人の人間性とかではなく(リンク外ではNHLの選手も多くは紳士的で、他のプロスポーツ選手より荒っぽい、なんてことはない)アイスホッケー村の価値観、文化というしかありません。
近代国家において正当防衛や国家権力の行使以外で暴力を振るうことは容認されません。ましてやスポーツの試合でエキサイトしているからというのは通用するわけがないはず。
現にラグビーや格闘技など激しいコンタクトプレーがあるスポーツはありますが、ルール外での暴力行為は強く自制されています。

ファンとして、またプレーヤーとして、時々見聞きするなかで、
『乱闘やラフプレーは闘争心を前面に出していることの表れ』
『執拗にスティックで絡んでくる行為に対して、ボードに相手の体や頭を挟み込むような、報復的な危険なチェックもやむを得ない、でないと舐められる。』
『ゴールキーパーに触れようとする相手は突飛ばしたり、捕まえて殴ったりしてでも諦めさせなければ。』
『しつこいマーク、チェックを受けた相手に近づきざまに肘や肩を入れてやった。審判見てなかったから』
『あいつ気に食わんからリンクでこけてる時にヘルメット蹴飛ばしたった』
なんてことが多々あります。
これがホッケー文化、特に本場のやり方として受け入れるべきだと考えるでしょうか。そういうのも見てて興奮する、楽しいからあっていいと考えるべきでしょうか。
100:0では考えられないかもしれませんが、ちょっとひどいと思ってます。ずっと思ってました。
じゃあファンやめろ、観るな、って声もあると思いますが、まず故意にルール違反してケガさせたり、ルール外だが慣習的に認められてるとしてケンカするのは、我が国においては犯罪です。誰が子どもにこんなスポーツを勧められるでしょうか。
この実態を知らせたら誰もホッケーを始めないから、自分も含め関係者はこういうことを積極的に話しません。

日本では狭い世界で選手同士が比較的仲いいのもあって観てて怖いみたいなことはあまり起こりませんが、こんな馴れ合いでは世界で通用しない、アジアリーグは選手が仲良すぎてダメだ、みたいなことを言う人が居ます。
いやいや、スポーツだけじゃなく、日本の常識を世界の常識にした方がいいこと、たくさんあるんじゃないでしょうか?
世間の常識では許されないようなことが常識と考える人々を変えるためには、問題プレーに対する罰則を厳しくするだけで事足りるはずです。乱闘や危険行為をしたら一年間出場停止とかだったらプロとして選手生命断ってまでケンカする奴いないでしょう。日本から国際アイスホッケー連盟、特にヨーロッパの国々に働きかけていいんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
柔道とかも日本発祥で現在も強豪国であるにもかかわらず、世界の連盟、愛好家の声に耳を傾け、例えば色付き道着など、我々日本人では考えもしないような変革が行われています。

はじめに取り上げたオリンピックの決勝戦、3ピリ後半からは両チームともラフプレーは影を潜め、ゴール前の混戦でも相手を倒すことよりパックの行方を追うことに必死になっていて、ひたむきなプレーに目を奪われました。激しい当たりも含めて、もはや勝利のためのプレーに忙しくて余計なことしてる暇なかったんだと思ってます。こういうのがホントに観たいんじゃないですか?
両チームの健闘に拍手を送ります。