「宇宙の羅針盤(上)」の最終章は『時空を旅する者の紋章』なのですが、その最終は『時間を巻き戻し、過去の自分を救出する方法』です。
アヌビスが言うには、宇宙の羅針盤を使って軽やかに時空を旅するためには、まずは過去の自分の想いを置き去りにしないことだそうです。そうしなければ、本来の自分に気づくことは難しくなるそうです。
今回はその序章部分ですが、次回からは幼稚園時代のマヤと現在のマヤとの会話をご紹介します。とっても興味深い内容になっています。しばらくお付き合いくださいませ~![]()
≪時間を巻き戻し、過去の自分を救出する方法≫
(アヌビス)
「あなたは、次の領域へと進む前に、もう少し軽やかになる必要があるようですね~」
(マヤ)「軽やかに?」
(アヌビス)
「そうです。なぜなら、この重力のままでは、上手く飛ぶことができないからです。あなたは、過去のある地点において、置き去りにしている【想い】があります。さぁ、時間を巻き戻して、過去のご自分を救出しにいきましょう~」(中略)
光のトンネルをくぐり抜けると、音の周波数が変わり、一瞬のうちに視界が開けた。天空からは懐かしさに包まれた光が降り注ぎ、座標軸の外枠からセピア色の世界が広がってゆく。
やがて子どもたちの笑い声が聞こえてきた。
虚空に設置した座標軸は、円形のスクリーンのようになって、小さな子どもたちが、可愛らしい声で歌ったり、小さな手をあげてダンスをしたり、裸足で駆け回ったりしている姿が映っている。
それはごくありふれた幼稚園のような風景に見えたが、ふと視線を泳がすと、教室の片隅で一人の少女が粘土遊びをしている姿が目にとまった。
さらに時間軸を進めてみても、晴れの日も雨の日も、風の日も雪の日も、来る日も来る日も、その少女は教室の片隅で、ただひたすら粘土で遊んでいるのだった。
周りの風景は移り変わってゆくのに、少女のいる場所だけ時間が止まっているように見えた。先生や他の子どもたちからは、少女の姿はほとんど目に入らないようで、気のせいか、そこだけ空間が薄くなっているようだった。
(アヌビス)
「さあ、過去の自分を救出していらっしゃい~」
アヌビスにそう言われてはじめてマヤは、教室の片隅で粘土をしている少女は、過去の自分だということを認識した。
(マヤ)「どうやって救出するのですか?」
(アヌビス)
「なぜ、一人で粘土をしているのか、その理由を少女に尋ねてごらんなさい。粘土で遊んでいるという表面的な現象ではなく、その奥深くにある【想い】を明らかにすることです。過去を手放すのではなく、過去にある【想い】を認めてあげることです。そして、少女の【想い】を未来へと、一緒に連れて帰ってあげることです」
以上、「宇宙の羅針盤(上)」より転載しました。(次回へつづく)



