≪宇宙の基本法(Ⅲ)≫(青字は少年ペドリゥート)
(法律はないの?)
「ある。でも、例の基本法に基づいていて、全ての人々が幸せになるように作られているんだ。」
(じゃ、もうそろそろ、その素晴らしい法を教えてくれても・・)
「もうちょっとの我慢だよ。」・・笑って言った。
(じゃ、もし、その法を誰かが破ったとしたらどうなるの?)
「当然、苦しむね、」
(罰したり、牢屋に入れたりするの?)
「ここには罰もなければ刑務所もない。もし誰かが何か過失を犯した場合、その人自身が苦しむことになるんだよ。つまり、自分で自分を罰するんだ。」
※ 管理人:自分で自分を罰する・・とは仏教の教えと同じですね)
(自分で自分を罰する?それ、どういうこと?アミ。)
「ペドゥリート、例えば君は、お婆ちゃんの頬をなぐったりする?」
(何てこというの?そんなこと絶対にしないよ。)
「もし仮に、殴ったと想像してごらん。どう感じる?」
(そりゃ、とても心が痛むよ。とても後悔するし、耐えられないことだよ。)
「それが、自分で自分を罰するということだよ。人が罰することも、投獄することも必要ない。例えば、ここには誰もしないことがあるけれど、それは法が禁止しているからしないんじゃない。君はおばあちゃんを傷つけたり、侮辱したり、彼女のものを盗んだりなんかしないだろう。それどころか、反対に助けたり保護したりするだろう。」
(うん、もちろん。だって僕、おばあちゃんのこと愛しているもん)
「ここはみんな、愛し合っているんだ。みんな、兄弟なんだよ。」
突然、まるで目からうろこが落ちるように理解できた。アミの説明のおかげで彼が言おうとすることの全てがわかった。この世界の人々は、お互いにみんな愛し合っている大きな家族なんだ。だからみんな全てを分かち合って仲良く生きているんだ。
「宇宙の全ての文明世界は、みんな同じように組織されているんだよ。」
(それじゃ、組織の基本は愛なの?)
「そのとおり、ペドゥリート。やっとわかったね。それが宇宙の基本法なんだよ。」
(愛が法なの?僕はまた、何かもっとずっと複雑なものかと思っていたよ。)
「とても単純で素朴で、至極当たり前のことのようであるけれど、これを感じ体得するのは容易なことではない。だからこそ、進歩が必要となってくるんだ。進歩とは愛により近づいていくということを意味しているんだ。最も進歩した人が、より崇高な愛を体験し、より深い愛を表現するんだ。本当の人間の大きさとは、ただ、その人の愛の度数によって決定されるんだよ・・」
(でもどうして、そんなに大変なことなの?)
「我々の内部には≪エゴイズム・自我・自己・うぬぼれ≫という障害があって、それが愛を阻んだり、ブレーキをかけたりするんだ。人にエゴがたくさん育っていると、他人よりも自分がずっと重要だと考えるようになり、人を軽蔑したり、傷つけたり、利用したり、他人の人生を支配する権利まであるように思い込んでいる。
エゴは愛が育つ際の大きな障害になっているから、他人に対する慈しみ、思いやり、哀れみ、優しさ、愛情などを感じさせにくくするんだよ。例えば、エゴイスト・・自分以外には全く興味をもっていない。
自己崇拝者・・自分以外の誰も崇拝しない。自己本位者・・自分のことしか話さない。
自己中心主義者・・宇宙が自分を中心に回っていると思い込んでいる人・・。
人間の進歩とは、エゴを減少させて、愛が育っていくようにすることを言うんだよ。」
(じゃ、地球人はエゴをたくさんもっているっていうことなの・・)
「それは、それぞれの人の進歩の度合いによるよ・・・」
「アミ 小さな宇宙人:エンリオ・バリオス 著」(徳間書店)より
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