心優しい愛あふれるあなたへ
暑くてたまらない毎日。
かと思うと、どしゃ降りになり、少し涼しくなったり。。。。。

お昼前から、降りだし、かなりの雨。
一時的な雨だと思いながら、
自宅待機中。
その間に、久しぶりに、
blogに載せようかなと、
お話を書くことにしました。
よろしければ、
お読みください。

🍊🍊🍊🍊🍊
~お話~
ちからが抜けた。
全身が動かなくなった。
まるで、ヘナヘナとちからが抜けたのだ~と言えば良いのか。
そしてだ。
この気持ちは、
今まで経験したことがない。
心も身体も、僕のものじゃないような、
なんともいえない、ショック感。
彼は、逝ってしまった。
僕が尊敬する彼は、逝ってしまった。
大学受験に失敗した時でもなく、
大失恋した時でもなく、
家業が倒産したことを知った時でもない。こんな気持ちは、はじめて。
僕は、シャワーを浴びながら、ずっと泣いていた。
僕は彼と、
特別親しかったわけじゃない。
むしろ、僕は、彼を遠巻きに見ることが多かった。
僕は、彼より年上だけど同学年。
彼は本当に優秀な大学生だった。
彼が病気になった、入院していると知った時、信じられなかった。
だって、僕の知る彼は、いつも颯爽としていた。
てきぱきと何でもこなす姿がそれは印象的。。。。。
病気とは無縁だと思っていた。
むしろ、パッと見は、僕のほうが病的だと思う。
色白で痩せ細っているし、運動は苦手。
そんな僕が生きている。
ひとは見かけではわからない。
口下手な僕は、彼に話しかけようとしたことがある。
僕はモタモタしていたから、
タイミングを逃してしまった。
話しかけようとしたら、彼は他の友人に話しかけられ、笑顔で歩いて行った。
その時の彼を、
僕は強く強く、鮮明に記憶している。
彼は、本当に輝いていた。
彼は、まるで夏のお空みたいだった。
その後、僕は、大学を退学することにした。
彼は、入退院を繰り返していると、噂で伝え聞いた。
胸騒ぎがした。
根拠はない。嫌な気持ちに、なった。
なんとも表現できない、嫌な予感といえば良いだろうか。
無性に寂しくもなった。
実は、
僕の兄は、早過ぎることに、
小学5年生の時、
お空に帰って行った。
6月、紫陽花が美しく咲く季節に。
祖父が逝って、わずか1ヶ月後だった。
兄が入院中、毎日毎日、両親は祈っていた。
僕は鶴を折った。
兄がいない、兄が入院中の我が家には、どんよりした空気が流れていた。
まだ比較的、元気だった兄と最後の面会をした時のことは、一生忘れないだろう。
兄はミニカーを並べ、ベッド上で遊んでいた。
兄は、僕を見て、にたっと笑った。
僕は、あわてて、笑い返した。
兄は、輝いていた。
もうすぐ旅立つ兄が、輝いていた。
あんな輝いた笑顔を、まだ子どもだった兄が、間際まで、見せることができるのか。。。。。不思議に思う。
そしてそして、彼が入院中と聞くと、
彼と兄が重なってしまう。
ああダメだ、ダメだ。
僕は、重なりを消そうとした。
僕は、一年浪人し、難関といわれる大学に合格し、入学した。
喜びも束の間、全く、まわりと馴染めず、悩んだ。まわりは、エリート意識が高く、経済的にも恵まれた学生が多く、身綺麗な彼らに気後れしてしまっていた。
場違いな大学に進学してしまったと感じ、それは苦痛な日々だった。
その後、悩みに悩み、大学を退学。
遊んでもいられないから、
アルバイトばかりしていた。
だんだんと、将来のことを考えると不安になってきた。
これではいけないと、
他大学で学び直しすることを考えはじめるようになったのである。
両親は、僕の気持ちを尊重してくれた。
黙って見ていてくれた。
我が家は、裕福ではないけれど、
両親は、僕の学び直ししたいという気持ちを、わかってくれた。
「40でも大学に行くひとはいるから、まだまだ若い」
と、背中を押してくれた。
僕は、アルバイトと受験勉強をする毎日となり、忙しくても充実していた。
このままいけば、合格と確信。
最初に入学した大学は難関だったから、その時の勉強が役立っていると、
手応えも感じている。
自信たっぷりな僕。
後からわかったのだけど、僕がいい気になっていた頃、彼は余命宣告を受けていたのである。
あの輝いていた、
頭脳明晰な彼がである。
まだ、彼が入院したての頃だ。
僕はお見舞いに行きたいと思った。
せめて、手紙を書こうかとか、
考えたこともある。
僕は、彼のblogをいつも読んでいた。
彼は、まるで文学者だった。
書店に並ぶ作家たちの作品より、彼のblogのほうが、それは迫力がある。
両親に、彼のことを話したら、
兄のことを思い出しているようだった。言わないほうが良かったかなと、ちょっと後悔した。
特に、母は涙を浮かべていたから。
僕は、とてもとても悔やんでいる。
彼に話しかけるべきだった。
お見舞いに行くべきだった。
手紙を書くべきだった。
情けない僕。
何にもしていない。
思うだけじゃダメなのに。
行動することがすべてなのに。
祖父が死に、兄が死に、
彼が逝ってしまった。
全くの他人だけど、僕は彼の輝きが、兄の輝きと同じように感じている。
それは生きたいという輝きかもしれない。
残されたほうは本当に悲しい。
残された。。。。。
いや、そんな意識はすてたい。
生かされているんだ。
残されただなんて、悲しすぎるから、残されたは、やめたい。
僕は、本当に、彼に感謝している。
彼に出会い、忘れかけていた兄を思い出すことになったから。
きっと、兄は、僕に
「しっかりやれよ!」
と言いたかったのだと思う。
僕は、本当にぐうたらだから。
あの彼の真似はとてもできない。
これからの人生、
彼のような賢い人間に、出会うことは、きっとないと思う。
生かされている僕は、今度こそ、兄や彼の分まで、勉強したい。
ありがとう、ありがとう。
ぐうたらな僕は、もういない~はず。
兄と同じ、紫陽花の美しい6月に、
お空に帰って行った彼。
彼からは、
精一杯生きることを教えてもらった。
そして。
ただ、生きている。
それだけで素晴らしいんだ。
僕は、本当に思う。
生きよう、ただ生きよう。
輝く笑顔いっぱいに。
ちからいっぱいに。
大事なことは、
生きることなんだ、ただ。
白血病になった兄、
白血病になった彼。
浪人したり、退学したり、また再入学したり、思い悩んできた僕は、
もう迷わない。迷いはない。
生きて生き抜く気持ちになったからである。
おしまい。
🍊🍊🍊🍊🍊
大和ゆか
7月22日より
全国の書店にて予約受付開始。
8月より
全国の書店に並びます。


🍊🍊🍊🍊🍊
プーさんの言葉。
少しのもので満足できる人は
きれいな心を持っている。
『もっともっと』
と願う気持ちが
自分自身を見えなくさせる。
🍊🍊🍊🍊🍊
お読みいただき、
ありがとう存じます。
皆様、お健やかに。
では、また。
ごきげんよう。
白胡椒でした。