そして私はIと付き合い始めた。
(Tとは自然消滅した)
付き合ってすぐにIはキスや身体を
求めてきた。
当時、
学生同士のコンパで出会った相手と
付き合ったその日に身体の関係になり、
その後無残にも捨てられるという友人
たちの話はよく耳にした。
阪大の歯学部の学生とそんな関係に
なった私の仲良しだった子は、
妊娠がわかった時には、
相手は「忙しい」としか言わず、
会ってももらえていなかった。
結局彼女は妊娠したことを相手の学生に
告げることなく堕胎した。
傍で見ていてとても悲しかった。
こんな話をすると、
Iはいつも、
「オレはそんなんじゃない」と
真剣に怒った。
そしてその証拠に、
Iは自分の誕生日までは
それを待つからと言った。
Iの誕生日は7月。
それまでに3カ月ほどあったが、
Iはその日を子供のように楽しみにして
(そして私も)待った。
そのIの誕生日の日、
親に嘘をついて、京都に泊まった。
初めての日をラブホテルなどでは
済ませたくないと、
(Iのこういうところが後の結婚生活では
お金の問題を生み出した)
Iは当時まぁまぁ高かったロイヤルホテルを
予約してくれた。
いつも「金ないねん」と言っていたが、
何故かその時はそう言わなかった。
実に驚いたことに、Iは初めてだった。
思えば、Iの付き合った女性と言えば、
あのSだけ。
そしてSとは何故か、
(Sが拒んだのか)
そういう関係にならなかったということだ。
一方の私はすでに東大生Tと身体の関係は
持っていたが、
これについては墓場まで持って行こうと
決めた。
その日「オレ、(感激して)泣きそうや」と
Iは言った。
実際泣いていた。
それから、「絶対離さへんからな」とも
言った。
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それから約2年後に私たちは結婚したので
Iはその若い時代に全く遊んではいなかった
のだ。
そしてこれがその後女狂いの遊び人になった
一因かもしれないとは、後で何度も私が
思ったことだ。
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