理屈はわかる。
わかるけど、なんか腑に落ちないような感じに思えてしまう。
「それ…どーなの?」
そう聞いた私に戸惑いながら
「多分、鱗とか毛皮的な感じなんだと思います。なにより脱げないですから」
と、ワイシャツネクタイの人魚は言った。
どうやら泳ぐのに抵抗はほぼないようで、皮膚とか体毛的な扱いなのは間違いないようだ。
この世界は、不思議世界みたいなもんだから、不思議でなく普通と言えるのだろう。
しかし、失われた記憶がその普通を否定する。
この違和感みたいのがワイシャツネクタイ人魚もあるようで、
私の意見や表情を理解のような共感をしていた。
「とりあえず…アンタ、名前は?」
「名前は…まだない。」
と、どこか僅かに嬉しそうにハニカミながら笑いながら答えた。

