その質問とは、ごく単純化すれば「過去問だけにそんなに時間を割いて大丈夫か?」というものです。
過去問をやることは大丈夫かどうかというより、最優先にやらなければならないことです。だから、回答としては「大丈夫だ」と返すしかありません。
ただ、来年に受験を控えている人たちは、受験までに使える時間が限られています。高校の授業にも出なければならない高校生ならなおさらのことです。
いくら過去問演習が大事だからと言って、もっと大切な「基本」について手を付けなくてもいいとまで言うのは言いすぎでしょう。
そこで、受験英語にとって基本とは何かということを明らかにして、限られた時間の中でどのように優先順位をつけるべきかを明らかにしておきます。話の前後がちょっとおかしいですが、併せて参考にしてください。
なお、今回のテーマは受験生だけではなく、大学生や社会人の方には「いかに大人向けの英語に対処するか」という観点から、その基本となる勉強の仕方を知るためにも役立ちます。
ですから、表向きは大学受験生に書きますが、「受験英語と実用英語は違うもの」といった偏見がなければ、それ以外の方もぜひ参考にしてください。
英語の基本は誰がなんと言おうと単語です。単語を知らなければ、英語を読むことも使うこともできません。逆にサバイバルであれば、単語がわかっていればなんとかなります。
受験英語の土台となる単語は中学で習う約1500語に、高校で習う約1000語の基本語を足した2500語です。
2000年頃指導していたときは3000語と言ってきたのですが、英文の難易度が下がってきているので、こちらもほうもハードルを下げました。
「英文の難易度が下がった」と言うと、「受験生の質が下がったから、大学が下げている」と思いがちです。実際そういった面もありますが、英語のグローバル化でアメリカやイギリスの出版物の英語もだいぶ変わって、やさしくなってきていることもあります。
その証拠に出題される英文は、昔はかなり出題者側がいじってやさしくして出したのですが、最近はそういったことは希で、注釈で対応しています。
余談になりますが、これは、今は大学受験レベルを身につければ、大人が読む出版物を読めるようになるということを意味しています。社会人で英語が必要な方も、「実用英語だから受験と別だ」などと考えずに、学校でやったことを補って実際に使うようにするほうがいいのではないかと考えます。
「2500語」と聞いて少なく感じた方もいるでしょう。もちろん2500語あれば受験は万全ということではありません。これはあくまでも「すべての受験生が覚えるべきこと」であって、その先は人によって違うのです。
なぜなら、工学部志望で理科系の英文しか出ないのに ethnic culture(民族文化)を覚えてもおそらく役に立ちませんし、逆にdissolution(溶解)を知らないとまずいでしょう。もちろん全部知っておいたほうがいいのですが、知っておかなければならないものがあります。
そこで必要となってくるのが過去問演習です。実際に過去問に当たってどんな分野が出ているのか知らなければ、優先順位をつけることなぞできるはずもありません。
過去問分析の結果、出題分野が限られていると判断すれば、あとは分野別にまとめてある市販の単語集を買って、その分野だけを集中的に覚えればいいわけです。
話が長くなったのでまとめますが、過去問の扱いとして、時間が限られている受験生はまず基本を優先すること。それ以外の人はいつやってもかまいません。この場合、英単語に限れば基本とは中学に習う単語に高校で習う基本語のことです。
基本ができていると思えばすぐさま過去問にかかること。そして、次の指針を立て、なるべく短期間に基本に上乗せすべき単語を覚えるというわけです。
せっかくなので、単語以外にも触れることにしましょう。次回に続きます。

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