ずっと、気になっていることがあります。


毎年、桜まつりの時期に訪れる親子がいました。



今から5年前、車椅子を押す40~50代の男性が出張所に。

車椅子に乗っているのはお婆ちゃん。


切手を買い、桜まつりの記念の押印をし、

何を話したかは覚えてないけれど軽いおしゃべりをして・・・


翌年、又桜まつりの時期に来て下さった時

あれ?覚えがあるぞ?

そう、思いながらおしゃべりに花が咲き・・・



そして、そのまた翌年。

お婆ちゃんはピンクの花模様の毛布に包まれ車椅子に座ってた。

「桜も満開!お婆ちゃんの毛布も満開ですね!」

そんな話から始まって、いつもニコニコしていたお婆ちゃんが

「親孝行な息子なんです。毎年私の大好きな桜を見せに連れて

来てくれるんですよぉ~大変なのに・・・」

少し涙声・・・


何故だろう・・・その時の気持ちを上手く表現できないけれど

出張所のジョイント販売しているりんご屋さんからたった今

買ったばかりのりんごジャムをお婆ちゃんに握らせてた。


声も顔も姿も・・・亡くなった祖母に似てたから・・・?


「これ食べたら来年も来なくちゃいけませんよ!」

笑いながら私が言うと相方が(お局さま)

「そう、そう。そのためにはこれも飲まなきゃ!」

相方は自宅用に買ったりんごジュースを。


お婆ちゃんは泣き出して、何度も手を合わせて頭を下げる。



「僕は彦星、貴女は織り姫。年に一度七夕ではなく、桜の時期に

逢いに来ます。そんなのもいいでしょう?」

息子さんは私に笑って言ったのでした。

「ロマンチックですねぇ・・・来年も待っていますから。」と私。


相方(お局さま)はそんなやり取りを冷やかして、お婆ちゃんも

楽しそうに笑って・・・



店仕舞いをして局に帰るとサプライズが待っていた。


花束がふたつブーケ1ブーケ1

「母に優しいお心遣いをありがとう。

桜もみごとでしたがいい旅になりました。

これからも頑張ってください。」


メッセージにはそれだけ。

花屋に問い合わせてみたけれど・・・

名前も住所も分からない。


彦星と織り姫は年に一度逢える・・・そう言っていたっけ。


お婆ちゃんに桜柄の、息子さんにバーバリーのハンカチ

昨年買って待っていたのに・・・来なかった。

そして、今年も待っていたのに・・・来なかった。


貰い手のないハンカチの包み・・・


どうしたんだろう・・・?

考えると怖くなるから考えたくない。


今年の桜もそれは綺麗でしたよ、お婆ちゃん・・・


そして、5月も終わるんだねぇ。