20数年前、たった1度だけ辞表を書いたことがある。


バスガイドになりたい!でも、劇団四季のオーディションも受けたい!

バスガイドと、劇団四季の狭間で、真面目に悩んでいた。


でも、何故か、東京の老舗のホテルの試験を受け、合格した。


 1ヶ月の研修を終え、配属されたのは、高級和食レストラン。

制服は着物・・・しゃなりしゃなりと歩くのもぎこちなかったが、職場は戦場と解り、

裾さばきも板に付いた頃・・・2年目の冬、事件は起きた。

イヤ、私が起こしてしまった。


 今日は、<とても大切なお客様> が、いらっしゃいます。と、いう課長の話。

くれぐれも、失礼のないように!との事。


 予約している和室は、席のセッティング等に、いつもより細かいチェックが入る。

かなり、偉い人らしい。


 予約時間を過ぎてもその、<大切なお客様>は来ない。

店内は他の予約のお客様や、フリーのお客様で満席に。


 予約時間を1時間以上も過ぎてから、20人くらいのお供を引き連れ、

<大切なお客様>到着。

しかも、かなり酔っていた。  悪い予感。。。


 席に着くなり、『姉ちゃん、酒!熱燗で、酒!さっさと持って来い!』 から、始まり・・・

『何だ?ワシの肉はないのか?』 (テーブルを見て)

『なんで、そっちに運ぶんだ?!ここに持って来い!』 (他のお客様のお酒に)

『安い肉か?安い肉だろ!ワシのは高い肉にしろ!』 (他のお客様のお肉に)

『貧乏人に味が分かるのか?』 他のお客様に聞こえるように


 メインはしゃぶしゃぶだったので、お酒や、前菜を出しながら、鍋をセットしてマッチで火を付けて回る。

<大切なお客様>の前の鍋に火を付けようとした時、

『お前、じゃまだ!酒持って来い。』

 「申し訳ございません、お酒はこちらにございますが・・・」 と、私

『なに~生意気なヤツだ。』 いきなり、私の胸ぐらをつかんだ。

 「か、会長!・・・」 お供の数人が止めに入る。。。


 2・3歩後ずさりして、体勢を整えた私の口から、

『いい加減にしろ!この、クソジジイ!』 ヽ。(ー_ーメ)しゃきーん


                                                 後半へつづく