- ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録/河出書房新社
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
昨年暮れに読んだ本。
ボリュームのある単行本ですが、文章の読みやすさと内容の面白さとで
一気に読んでしまいました。
面白さ…という表現もなんなんですが。
エホバの証人は、キリスト教系団体のひとつ。
よく街中で立っていて「聖書を勉強しませんか」と声をかけてきたり、
戸別訪問してきたりするのがそうだと思います。
つい先日も「JW.ORG」と書かれた札を持った人を地下歩行空間で見かけました。
高額な品を売りつけられるとか危害を加えるとかはないと思うのだけど
原理主義的でカルト要素が強いという印象を持っています。
東京ガールズコレクションの仕掛け人でもある著者は、サブタイトルにある通り、
母親がエホバの証人の信者になったのをきっかけに、
9歳から35歳まで、日本とアメリカで教団活動をしていた人。
そしてすごいのは、そこから自力で抜け出し、
さらに家族をも納得させて退会させたこと。
でも、書かれている文章は淡々としていて
内部の事情がとてもよくわかります。
輸血禁止、武道も禁止というのは知っていたけど、
クリスマスも正月も、自分の誕生日さえも祝ってはいけないとか
国歌や校歌を歌うのもダメ、
デートもだめ、結婚前には性交渉どころかエロ本、ビデオを見ることもだめとか
さらには進学、就職はよしとされず、生活が苦しくとも布教活動に励むほうがいいとか。
また、自分たちのことを「カルト」とは思っていないので
オウム真理教について
「カルトって怖いよね」と信者同士で話し合っていた、というのはすごく意外で
また、布教活動でプレゼンテーション能力が鍛えられ、
のちのちの仕事に役に立ったというのも興味深いところでした。
それが家族を「脱洗脳」するのにも役に立ったようで…
著者はかなり頭がよく、そして精神的に強い人なんだと感じました。
さらに、ちょっと痛い指摘だったのは、
「絶対性・純粋性・選民性」において
エホバの証人とマルチビジネスには共通性があり
マーケティングも程度こそ軽いものの、同じように行われているとのこと。
著者はYahoo!に勤めていたのですが、その上司からは
「アプリケーションと宗教は刷り込みなんだよね」とも言われています。
最初に知ったものからなかなか離れないから。
スピリチュアルの世界にもこういうことはあるみたいで
セラピストに依存して、絶対的存在として崇めるとか
自分が信じるもの以外全否定とかも聞いたりします。
わたしもかつては依存傾向ありましたし…
宗教にはまるというのは特異な人たちでは決してなく
(実際、エホバの証人の人たちは一見穏やかそうです。断っても文句言ったりとかないようだし)
「洗脳」は日常にも潜んでいる。
そのことは常に自覚していたいと思いました。