仕事帰りの電車の中のこと。
電車が博多に着くと、どやどやと乗ってくる人の波の中から、大きな旅行かばんを持ったおじーちゃんが隣に座った。
そわそわしながら後ろを振り返るおじーちゃん。
どうやら連れの方がいるらしい。
視線が止まり、「おいっ!」「おいっ!」と大きく声を掛け始めた。
「ったく、座ればいいのにっ(怒)」
怒っているおじーちゃん。
人の波をかきわけ、ぷんぷん怒りながら近づいてくるおばーちゃん。
「何で座らんのか!」
「座ろうとしてたのにあんたが呼ぶからやな、せっかく座れたのに」
「だからなんで座らんのか」
「だからあんたが・・・云々」
喧嘩しながらも座っていた席をおばーちゃんに譲るおじーちゃん。
私も慌てて立ち上がり、「私はいいですから、どうぞ」と声をかける。
おじーちゃんとおばーちゃん、ぱっと私を見て二人とも笑顔で
「いいんです、いいんですよ、座っててください。」
「いやでもどうぞ」
「いやいやいいんですよ」
お二人の荷物が多いから私も無理に立つことはできない。
諦めて「そうですか、じゃあすみません」と腰を下ろす私。
再び始まる二人の喧嘩。
おばーちゃんは当たり前のように席に座っている。
次の駅で通路挟んだ席が空いた。
「はよあんた座らんね!」
「いやもう俺はいいったい。」
隣で立っている方が見かねて空いた席を勧める。
ぱっとその方を見て二人とも笑顔で
「いやいいんです、座ってください」
仲良しなんだなー、きっと。
ほほえましくなった瞬間でした。