3歳半でエチオピアからやってきた次女は

もちろん自分が「引き取られた」ということを

わかっていたと思う。

 

 

私たち(元夫)が孤児院の一部屋で待っていると

院の乳母さんに手を引かれて次女サフィが入ってきた時

多分”さあ、これから新しいパパとママに会えるのよ。

そしてアメリカに行くの。いいわね〜、ラッキーね。

さあ、笑顔でね”

って言われていたんだと思う。

 

すごく笑顔を作っていたんだもん。

満面の笑みで。

 

でね、

私たちを笑顔で見て。。。

一瞬で

その笑顔がみるみる崩れ、泣き顔に変わったの。

 

そして号泣

((>д<))

 

そりゃそうだよね。。。

いきなり知らない、しかも日本人の私に

白人の(元)夫。。。 

 

乳母さんから離れないの。

 

かわいそうになって

「あ、じゃあ、いいです。

やっぱりやめます。この子、ここにいたいみたいですから。」って

言おうかと思った。

でも向こうの人は、もちろん、こんな反応は慣れっこなんだろう。

「あ〜大丈夫大丈夫、すぐに慣れて懐くから」

 

って。

 

うん、どう冷静に考えても

この場合、この子にとってとりあえずアメリカに引き取られる方が

良いに決まっている。

「子供にとっての幸せは金銭的なことは関係ない」とかいうレベルじゃないから。

(エチオピアは世界一レベルの貧しい国)

 

言われた通り

すぐに私にべったりになった。

でも白人の夫には寄らない。。。

彼と目が合うだけで泣き出してしまう。。。

私とはおててをつないで

お膝に座って。。。って20分くらいですぐに受け入れてくれた。

 

(元)夫はちょっと辛そうだった。。。

数日間、近寄ってくれなかったからね。

 

次女は生まれてすぐに母親を亡くしているの。エイズでね。

父親もエイズに侵されていて

もういよいよ危ないってなって三歳の時に孤児院に来たんだ。

その孤児院は首都にあって、

彼女のお里とは言葉が違うんだよ。

だから彼女は3歳半にして、辛い別れを何度も経験しているの。

 

確かお兄さんが二人いるんだ。

彼女が大きくなって希望すれば調べることができると思うんだけど。

でもお兄さんたちは養子に出されなかった。

男の子は農作業もできるからね。

 

だから次女は引き取られたことは自覚しているんだけど

でも母親にゆっくり甘えたり

抱きしめられた経験はあまりなかったんじゃないかな、って思う。

だからママを切望していたんじゃないかな。

 

うちに来てしばらくずっと

夜、私と一緒に寝たがった。

そして私のおっぱいを吸いたがるの。

 

もちろん何も出ないんだけどね。

でも赤ちゃんの時、叶わなかった、できなかったことだったから

大切な儀式だったのかもしれないね。

 

でもこれが私にはキツかったんだ。

今、そうわかる。

生まれてすぐ、赤ちゃんは大抵、母親から無償の愛を一心にうけるよね。

抱きしめられたり母乳をもらったり。。。(ボトルでも抱きしめられて飲んだりね)

その経験がないと

多分、心にぽっかり穴が空いてしまうんじゃないかな。

 

3歳半になって

急に目の前にママが現れた。

チャンス!とばかりその心の穴を埋めようと必死で私に食らいついてきた、みたいな。

でもその穴はブラックホールのように

もっと!もっと!と

貪欲になんでもかんでも欲しがるし満たされることはないの。

三つ子の魂百まで、という例えがあるけど

小さい子供の時の満たされなかった思いはかなり後まで影響を残すらしいよね。

 

私には他の二人の子供もいるし

本当にどう対応して良いのかわからなかった。

数えてみたら

彼女に関しての悩みでカウンセラー8人にみてもらったもん。

でも誰も

具体的なアドバイスはくれなかった。

「相当、頑張っているし、もっと手を抜いて自分の気晴らしをして」ってのばかりで。

 

でも今考えれば、

この、もっと気楽に気晴らししながら、ってのがきっと一番大切だったのかも、って思う。

できなかったけどね。

 

そんな次女ももう13歳。

本当に最近はお互い分かり合えてきて

一緒にいて楽しめるようになってきたと思う。

いい子なんだよ。。。

 

彼女の名前はね、

「サファイア」っていうの。

私がつけたんだ。

 

ある日、急にこの名前が頭に浮かんだの。

 

後で気づいたんだけど

私の敬愛する手塚治虫のリボンの騎士の主人公の名前だね!!!!

 

私の母がね、

彼女に、

「サフィはなんて言われるのが一番嬉しい?」って聞いたんだって。

そうしたら

「サファイアって素敵なお名前ね、って言われるのが一番嬉しい」って答えていたわよ、って。嬉しかった。

だってお名前って私からの一番初めのプレゼントだからね。

 

特に改めて引き取ったことを彼女と話すことは

ほとんどないの。でも彼女なりに記憶が面白いように保存されているんだよね。

小学校2、3年生の時、学校でお話の絵本を書いたんだけど

自分の小さい時のことを書きましょう、ってことで。

で、彼女が描いたのは

お姫様ドレスを来た私が(元夫抜きで私だけ)飛行機で降り立って

彼女をお迎えにくる、っていう話だった。( ´艸`)

私が彼女の分のドレスも持ってきて、二人でドレス姿で再び飛行機に乗って

アメリカに帰ると、セージ(兄)とミミ(姉)が待ち構えてる、っていう。

 

母親って子供にすごーく美化されているんだな、って

改めて思ったよ。

そんなこと考えちゃうと

ますます自分にプレッシャーかけてしまうんだけどね。。。

 

でも本当に最近、

いい方向に向かっているような気がするんだ、私と次女。