
↑業務の間のWeb会議で、チーンとしてる
わたしが、1年ちょっと前まで働いていた薬局は、
交通の便が良く、近隣にも複数の医院があり、
多くの患者さんが訪れる、かなり忙しい薬局でした。
薬を早くもらって帰りたい患者さんがほとんどで、
当然仕事もスピード重視。
少しでも待ち時間が少なくなるために、常に工夫しながら仕事を回していました。
たくさんの患者さんが来局し、
いろいろな疾患の方と関わることで
財産ともいえる経験を積みましたが、
対応に困る患者さんも多かったのも事実。
“時間ないんだから、早くしてよ”
“ごちゃごちゃよけいなこと言わずに、ただ薬くれればいいんだよ”
“わかってるんで。説明いりません”
“全部お医者さんに話してあるのに、なんで薬局でも言わなきゃいけないんですか?”
浴びせられる言葉に傷ついたり、
“ちょっとペン貸してよ“と、胸ポケットにさしてあるボールペンに手を伸ばしてくる男性や、
休みの日にも訪ねてきたり、指名でしょっちゅう電話してくる、ストーカーまがいの男性。
薬局内で痴話ゲンカを繰り広げるカップル。
窓口に出るのが怖くなったこともありました。
もちろん、あたたかい言葉、嬉しい言葉をかけてくれる患者さんもいたし、
信頼関係を築けた患者さんも(少ないながら)いたけれど、
苦しいことの方が、多かったなぁ。
(きっかけは他にあったけれど)
もうこれ以上、ここで働くのは嫌だと思い、辞めたのですが
何がそんなに嫌だったのか考えてみたときに
(いや、山のように出てきたんだけど
)
気づいたことがありました。
わたしは、もう、わたしに嘘をつきたくなかったんです。
わたしの感覚に対しても、もちろんそうなんだけど、
患者さんや、誰かと話す時にも。
多くの患者さんとの会話で、わたしは、わたしの言葉で話せていなかった。
傷ついたこと、恐怖を感じたこと、常に時間に追われていること、
「薬剤師」としての立場、しがらみ、思い込み…
それらに流されて、
わたしは、わたしが本当に話したいことを話せていなかった。
それどころか、わたしが本当に話したいことに気づいてもいなかった、ないことにしていた。
振り返って、そう思います。
今、働いている薬局は、
患者さんの数でいったら、前働いてたところの5分の1くらいで、
小さいけれど、地域に根ざした薬局。
女手ひとつで薬局を開いたS先生、
S先生の妹で、長い間実務を切り盛りしてきたH先生
このおふたりが、真摯に、ただ目の前のお客さん、患者さんのことを考えてやってきたことが、しっかりとした土台になっていて、
患者さんたちか信頼してくれているのが伝わってくる、そんな薬局です。
先生たちの言葉には、自身への嘘がない。
たとえ、患者さんの意志とは違っていたとしても、
患者さんをまっすぐ見て、
私はこう思う、をはっきりと伝える。
だから、時に耳の痛いことを言われても、
患者さんは、この薬局に絶対的な信頼を寄せているんだ。
1年働いてみて、わかったこと。
そして、わたしも、そうでありたい。
だから、ここで働くことになったんだ。
1年たって、
わたしは、わたしの言葉で、
患者さんや、お客さん、問屋さんなど、関わる人たちと話せています。
自分でも、話してて詰まる感じや、苦しい感じは一切感じなくなったし、
そういえば、
わたしの名前を覚えて呼んでくれる人、
通りがかりに手を振ってくれる人、
悩みを打ち明けてくれる人もできてきました。
わたしが、わたしの言葉で、わたしの思いを伝えること。
それが、わたしがこの薬局でやる仕事なんだと思います。
(ジムのハロウィンイベントにて)
