※動画はお借りしています





明日は走らず


ただ歩くことにしよう




湿った空気を舌で味わいながら

八十段の階段を駆け上がるんだ




脈が荒れ

息が絡み

腿の裏が艶めく痛みを帯びるころ




僕はまた

生きていることの官能に触れる




走ることは

欲に似ている




求め

焦がれ

そして

静かに諦める




その反復のなかで

人はようやく自分の熱を知るんだと思う




今夜も

胸の奥で小さな鼓動が鳴っている




まるで誰かの指先が

そっと内側から僕を

撫でているように





※画像はイメージです