去年の6月1日付の東京新聞などに出ていた話題ですが、今年の5月20日付のWSJにもこれに関する続報のような記事があったのでご紹介します。
「新たな新型コロナウイルス検査の研究が進み、活用され始めた」という話題です。
■犬の嗅覚で新型コロナを探知
犬は3億個以上の嗅覚受容体を持ち、人間は約500万個ということでつまり人間の約60倍。
犬は人間よりはるかに優れた嗅覚を生かして、薬物や爆発物に関連したにおいを探知するように訓練され、医療分野では、がんやマラリア、糖尿病などの病気を特定するためにも使われ、がんの早期発見に貢献することもあるそうです。
科学者やドッグトレーナーらにより、人間がコロナウイルスに反応して汗や唾液などの分泌物中に放出する化合物を犬が高い精度で嗅ぎ分け、無症状の感染者でも探知できる、ということがわかったそうです。
フランスのアルフォート国立獣医学校のドミニク・グランジャン教授はコロナ探知犬の可能性を評価した最初の研究者の一人で、彼によれば「犬が人間のウイルス性疾患を見つけることができたのは初めて」なのだそうです。(マラリアはウイルスではなく、原虫)
英政府や米国、フランス、アラブ首長国連邦などは、コロナ探知犬誕生の暁には、空港などで無症状の感染者を発見するなど、感染抑止の新戦力となり得るとして活用を目指してきたようです。
例えば英政府は50万ポンド(約6600万円)を拠出し、新型コロナ探知犬の訓練を本格的に支援するなど行ってきたようです。
犬がウイルス感染する可能性は極めて低い上、人間を嗅ぐ際も本人には触れず、周りの空気のみで探知するため、彼らの安全は担保されているのだとか。
■WHOもタスクフォースを組織して研究結果を報告
WHOは、研究者の国際的なタスクフォースを組織し、探知犬の使用について調査。
3月にWHOによって発表された報告書によると、1匹の犬で1日250~300人の検査を行うことが可能。
研究によれば訓練によって、感度が82~99%、特異度が84~98%の割合でコロナ感染を探知できることが示され、コロナ探知犬は従来の診断ツールを補完することが可能。
PCRの感度は高くて70%程度と考えられており、訓練された探知犬の嗅覚の方が正確ということでしょうか。
鼻腔ぬぐい液による検査は人と人との接触が必要で、結果が出るまで最低でも15分は待たなければならない。
これに対し、犬は直接触れることなく即時に、しかも低コストで多数の人をスピーディーに検査することができる。
空港やスポーツ会場、劇場、美術館など大勢が行き交う場で、特に無症状者の割り出しなど、大勢を高速でスクリーニングできれば、限られた検査キットを無症状者に効率よく割り当てられる。
人が集まる場所で、無症状者を介した感染の抑止に大きく寄与することになる、というわけです。
UAEもコロナ探知犬の訓練に多額の投資を行っており、現在39匹の犬がショッピングモールやイベントなどで感染者探知に使われているのだそうで、内務省国際局のアドバイザーを務めるギヨーム・アルバナット氏によれば、ドバイの訓練施設では、他国の犬のハンドラーを迅速に訓練することができるそうです。
約1000匹の犬がさまざまな政府機関で働くフランスでは、空港のほか、コンサートやスポーツの会場などで実施するコロナ探知のためにすぐに訓練できると、グランジャン教授は語り、どんな犬でも数週間で訓練することができ、すでに医療や爆発物の探知犬として訓練されている犬であれば、もっと早くできる可能性があるのだとか。
フランスで犬による検査を行った場合の費用は1人当たり1ユーロ(約130円)、対して、鼻腔内に綿棒を入れて検査するPCR検査は約75ユーロなのだそうで、かなり低コストに抑えられるようです。
■今後の研究テーマ:コロナ感染者とワクチン接種者を見分けられるかどうか
コロナ探知犬が他のウイルスやワクチン接種に惑わされないかどうかなど、いくつかの未解決の問題に答えるためにはさらなる研究が必要なようです。
米ペンシルベニア大学獣医学部ワーキングドッグセンターでは、犬がコロナ感染者とコロナワクチン接種者とを区別できるかどうかを調べる研究を現在行っているそうです。
日本の空港や人が大勢集まる場所にも、是非探知犬がほしいところですね・・
引用元:
