色づく水のほとり


早や晩秋である。
久しぶりに松江、朝酌川の、
土手のコスモスがどうなったのだろうと、
気になって立ち寄ってみた。
数百メートルに渡って咲いていたコスモスは、
もう跡形もなく、
きれいにならされた畑地に転じていた。

変わって、
水辺にずらりと立ち並んだナンキンハゼが、
見事な紅色に染められていた。
陽の射さない午後、肌寒く、
紅色の葉が時折り強く湧き起こる風に、
かさこそと葉擦れの音を立て、
小刻みに揺れていた。
なんとなく、うら寂しい思いに駆られたが、
気を取り直して、カメラを取りに、
車へと引き返した。

ところで、このナンキンハゼ、
枯れゆく進行のプロセスが、場所によって、
少しずつズレているのに興を惹かれた。
葉は真っ赤に紅葉したものあれば、
まだ黄葉のもの緑葉のものも混在する。
果実は、まだ黒熟したままのものあれば、
すでに裂開して、
白い種子を露出したものもあり、
総じて見事な紅葉ではあるのだが、
葉と果実に、
それぞれ変化のプロセスにズレがあって、
その色彩の微妙な混濁がおもしろい。

なるほど、それは人の心模様にも似て、
うわべは、時々刻々と、
微妙に移り変わるもののようだ。
だが、それはそれとして、
肝心な心の本質は、
いったいどこにあるのだろう。
それは、もしかすると、
案外夢の中で出逢う、
もうひとりの自分とではないかなどと、
埒もなく考えてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風に吹かれて

 

 

この小説「もうひとつの明日」は、1998年5月9日、同人誌『座礁』に発表したものの再掲載です。

 

過去にアップした小説

 

 

 

 

 

短編小説 恋文~往信 朗読版

 

短編小説 恋文~返書 朗読版

 

古くからの友人、高木早苗さんが、松江市観光大使を務める京太郎さんと、

ご当地松江を舞台にしたデュエットソング、

『さよならだんだんまた明日』をリリースされました。
とても素敵な歌ですので、是非聴いてあげて下さい。

不肖私めの撮影した写真も少しだけ入れてありますので、よろしくです。

 

「だんだん」は、出雲地方独特の方言で、ありがとうの意です。

 

 

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