騒音、排熱、環境破壊懸念…千葉ニュータウン中央駅からわずか1kmの「データセンター銀座」を歩く
グーグル社のDC(左)と物流センター(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL
【話題の現場 突撃ルポ】#81
生成AIの爆発的な普及やクラウドサービスの拡大から、膨大なデータを処理・保管するインフラが世界的に不足している。そのため国内外問わず、大量のサーバーや通信機械を収容する専用施設「データセンター(DC)」の建設ラッシュだ。しかし、巨大で無機質なDCの建設をめぐっては、地元住民の反対運動も起きている。現場で実態を探った。
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雨が降りしきる某日、記者は千葉県印西市の北総鉄道千葉ニュータウン中央駅に向かった。この近辺は日本でも有数のDC集積地であり、「データセンター銀座」として知られている。地盤が強固で災害にも強く、広大な土地が残っていることや安定した電力供給設備が整備されていることから、DC建設が相次いでいるのだ。
駅前は住宅街やイオンモールなどの商業施設が広がるが、そこから北にわずか1キロほど進むと、巨大なビル群のような景観が広がる。これが、DC銀座だ。
データセンターは一見巨大なオフィスビルのように見えるが、窓がなく、外観は無機質だ。近くに行くと、ファンの「ファー」という音が絶え間なく聞こえ、どこか異様な雰囲気が漂っている。
■野山や雑木林の中に突如出現
さらに駅周辺から北東に進むと、巨大な物流センターとDCが混在する地域にたどり着く。歩道を歩く地元住民の姿はほぼ見られず、巨大なトラックが行き交う様子は、工業地帯のような雰囲気だ。なかでも目を引くのが、2023年に建設されたグーグルのデータセンターだ。周囲に住宅はほとんどなく、野山や雑木林、農地が広がる中、突如として現れる巨大建設物は、やや奇妙な光景に見える。
「もともとこの地域は、森林がどこまでも広がっているような、静かな農村でした。それが、1960年代からのニュータウン開発で鉄道が敷設され、広大な宅地が造成されました。今度はデータセンターが建てられ、この地域の姿がまた変わろうとしている。あまりに急激な変化に、このまま開発が進められていいのか不安になります」(地元の60代女性)
建設反対運動は東京都内でも
住民との間には、こんなトラブルも起きている。新たなDCを駅前市街地のど真ん中に建てる計画が立ち上がり、反対運動に発展しているのだ。
その建設予定地は千葉ニュータウン中央駅からわずか400メートルほどの距離だ。DCの高さは約50メートルとされており、付近のマンションの日照権を侵害する恐れがある。また、景観破壊や、騒音、振動などが懸念される。そのため、近隣住民などが、建築確認処分の取り消し訴訟や、市へ住民監査請求に踏み切ったと報じられている。
同様の問題は、東京都内でも起きている。日野市の日野自動車工場跡地に、大型DCの建設が予定されている。しかし、予定地はこちらも住宅街に近いため、住民が周辺環境の悪化を懸念し、建設に反対する住民運動に発展している。
今年4月には日野市が、建設する事業者に対し基本情報の開示や、環境アセスメントの実施を求める要請を出した。騒音や排熱、二酸化炭素排出量、生物多様性の保全などへの配慮も必要だとしている。
高度にデジタル化が進んだ現代社会に、DCは必要不可欠だ。しかし、急速な整備に対し、住民が抱く不安は決して小さくない。
(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)
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