スティーブ・ファインバーグ国防副長官、5日に防衛企業へ書簡

ホワイトハウスは国防費増額へ議会への働きかけ要請

引用:ニュ-シス

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米国防総省は、イランとの戦争の長期化に伴い弾薬やミサイルの備蓄が急減していることを受け、防衛産業界に兵器の生産と納入を速やかに拡大するよう求めた。米紙ワシントン・ポスト(WP)が9日(現地時間)報じた。

WPが入手した米国防総省の内部文書によると、スティーブ・ファインバーグ米国防副長官は5日、防衛企業の経営陣に書簡を送り、「主要兵器システムについて、従来より大幅に前倒しした生産・納入日程と増産計画を21日以内に提出するように」と求めた。

ファインバーグ国防副長官は「開発サイクルに数年を要することは容認できない」と指摘し、「今すぐ各計画のスケジュールを大幅に前倒しし、生産能力を拡大しなければならない」と記している。

 

ファインバーグ国防副長官は書簡で、米国の2028会計年度予算の検討過程において、次世代迎撃ミサイル(NGI)、地対空ミサイルシステム(NASAMS)、移動式防空レーダー、宇宙配備型ミサイル追跡システムなどを重要事業に指定し、生産の加速や調達拡大を検討していると明らかにした。

さらに、「可能な限り迅速な生産・納入計画を策定し、具体的な設備投資や施設拡張策を提示してほしい」と要求した上で、「パートナーとしてどのように協力するのかを説明し、この事業に積極的に参加する意思を示してほしい」と要請している。

今回の指示は、兵器不足を巡る問題が米国のドナルド・トランプ大統領と国防総省の間で緊張要因として浮上する中で出された。一方、トランプ大統領は6日、SNS「トゥルース・ソーシャル」で、米国は「膨大な量」の弾薬を保有しているとした上で、「大量の弾薬が生産されており、必要に応じて米国へ輸送されている」と主張した。

ホワイトハウスは最近、防衛企業の経営陣と会談し、国防費の増額に向けて議会を説得するよう働きかけてほしいと要請したという。

複数の情報筋によると、ホワイトハウスは先月末、米国のスージー・ワイルズ大統領首席補佐官、ラッセル・ボート行政管理予算局(OMB)局長、ジェームズ・ブレイド大統領補佐官兼議会担当局長、ピート・ヘグセス国防長官らが出席する会合を開き、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、ボーイングなどの大手防衛企業に加え、自律型兵器を手がけるアンドゥリル・インダストリーズ、データ分析大手パランティア・テクノロジーズなどを招いたとされる。

防衛企業の経営陣は、議会が財政調整手続きを通じて国防費を増額するよう、議員に直接働きかけてほしいとの要請を受けたと伝えられている。

WPによると、米国はイランとの戦争が始まってから最初の1か月間で、トマホーク巡航ミサイル850発以上と、パトリオットおよび終末高高度防衛(THAAD)システムの迎撃ミサイル1,000発以上を使用した。米陸軍の戦術弾道ミサイルも、開戦後の数週間だけで1,300発以上が発射されたという。

 

米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によると、世界全体のパトリオット・ミサイルの在庫は、戦争前の2,200発から先週時点で827発未満まで減少した。THAADミサイルも452発から278発未満まで落ち込んだ。

米国防総省は兵器備蓄を増やすため、ここ数か月にわたり大手防衛企業との「枠組み協定」を相次いで締結してきた。ノースロップ・グラマンやロッキード・マーティンとは、パトリオットPAC-3とTHAADミサイルの増産に向けた枠組み協定を結んだ。さらに先週、ロッキード・マーティンとは最大586億ドル規模の枠組み協定を結び、2030年までにPAC-3の生産量を3倍に引き上げるよう求めている。

ただし、「枠組み協定」は法的拘束力を持たず、兵器購入の意向を示すものにとどまる。議会による予算承認を受けなければ、正式な契約として確定しない。

米国防総省が進める兵器調達の拡大には、1兆1,500億ドル(約182兆円)規模の国防予算案の成立が必要だ。しかし、民主党が大幅な国防費増額に反対しているため、議会での協議は行き詰まっている。

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