ビジネス文章では、結論の出し惜しみや先延ばしは厳禁です。結論を後回しにして、書き手が悦に入ってはいけません。
結論が見えないと、読む人が余計なアタマを使わなければいけません。読む人に負担を強いる文章は「悪文」です。
【原文】
早いもので、入社してから16年の年月が経ちました。未熟だった私を一から指導してくださった先輩方、苦しいときも温かく支えてくれた同僚、部下の皆様、今まで本当にありがとうございました。突然ですが、今月いっぱいで退職することになりました。
この文章で最も重要なメッセージ(結論)は「今月いっぱいで退職すること」ではないでしょうか。
にもかかわらず、この文章では、肝心の結論がいつまで経っても登場しません。読みながら「いったい何の話だろう?」とじれったく思う人もいるはずです。結論を先延ばしして読む人に余計なアタマを使わせる「悪文」です。
【修正文】
突然ですが、今月いっぱいで退職することになりました。早いもので、入社してから16年の年月が経ちました。未熟だった私を一から指導してくださった先輩方、苦しいときも温かく支えてくれた同僚、部下の皆様、今まで本当にありがとうございました。
修正文では、今月いっぱいで退職する旨を冒頭で示しました。いち早く結論を把握することで、読む人は全体像を把握することができ、その先の文章に集中することができます。読む人に親切な文章といえるでしょう。
結婚披露宴での主賓スピーチをイメージしてください。ダラダラと要領を得ないスピーチは、多くの場合、出席者に喜ばれません。
一方、「今日はおふたりに、ひとつだけ『尊敬』というメッセージを贈ります」という具合に、冒頭でバシっと結論を示すスピーチは、出席者に喜ばれます。
スピーチ同様に、ビジネス文章でも、冒頭で結論を示す書き方が求められます。あなたは結論を出し惜しみしたり、先延ばししたりしていませんか?
