ライターには「専門ライター」というのがあります。

これは、言葉の通り、何か特定のジャンル専門で文章を書いているライターのことです。

「映画ライター」「音楽ライター」「フードライター」「ITライター」「自動車ライター」「軍事ライター」「ファションライター」「経済ライター」……etc。

つまり「△△△ライター」といった具合に、ある特化したジャンルを肩書きに添えているライターのことです。

ジャンルの規模にもよりますが、先に挙げたような(誰でも分かる)ジャンルであれば、数十個はあるでしょう。

また、たとえば「音楽ライター」ひとつをとっても、洋楽に強い人、邦楽に強い人、ロックに強い人、クラシックに強い人、ジャズに強い人……と、さらに細分化されます。

ヒップホップだけを書きたいなら「ヒップホップライター」と名乗るのもいいでしょう。

「専門ライター」の強みは何と言っても、その分野に精通したスペシャリストになれることです。

なかには、その道を究めて「評論家」や「批評家」「ジャーナリスト」という立場にシフトする人もいます(それがいいかどうかはケース・バイ・ケースですが)。

いずれにせよ「ヒップホップについて書かせるなら、やっぱりライターの○○さんが一番だろう」と、言われるようになれば、比較的安定したライター生活が送れるでしょう。

書籍の執筆依頼やコメンテーター等、イレギュラーな仕事のオファーがくる可能性も高くなります。



一方「専門ライター」の弱点は、ひとつのジャンルに特化することで「視野が狭くなってしまいがち」なことと、「そのジャンルが衰退したときに運命を共にしなければいけない」ことだと思います。

もちろん「視野」の問題は、本人の意識次第で十分にフォローできるでしょう。

また「運命を共にしなければいけない」リスクについては、その逆のケースもあり得るわけですから(ジャンルが拡大・成長する)、そのマイナス面ばかりに目を向けて弱点呼ばわりするのは、あまりよくないかもしれません。

むしろ、「専門ライター」の本当の弱点は、そのジャンルに対する思い入れがあまりに強すぎて、自分と異なる価値観をもつ読者の視点に立てなくなる可能性があることかもしれません。

好きなジャンルの文章を書くということは、ときには書きたくない(気の進まない)文章も書かなくてはいけないというジレンマを受け入れることでもあります。

そのジレンマを受け入れられないのであれば、ライターなどやめて一ファンに戻ったほうが身のためです。

とはいえ、自分の好きなジャンル、得意とするジャンルで文章を書くことができ、なおかつ報酬(ギャラ)をもらえるのは、とても幸せなことではないでしょうか。

ちなみに私は、何かひとつのジャンルに特化した「専門ライター」ではありません。

映画も書けば、スポーツも書きますし、ルポもやれば、人物インタビューもします。

ゆえに周囲には「△△△ライター」ではなく、ふつうに「ライター」あるいは「フリーライター」と名乗っています。

「フリーライター」の強みや弱点についてはまたの機会に。


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